ライフスタイル
2023/3/17 10:30

京都×瞑想×パナソニックの限定客室でマインドフルネス。日常としばしバイバイした1泊2日をレポ

生活の変化によるストレス、また、心や脳の疲労を抱えている人は多いのではないでしょうか。そんななか、注目されているのが「マインドフルネス」です。マインドフルネスとは、心の注意を「今、この瞬間」に向ける状態をいい、瞑想を通してこの状態にもっていったり、維持したりします。

 

この度、パナソニックはマインドフルネス空間を演出する「(MU)ROOM」を開発し、GOOD NATURE HOTEL KYOTOの一室に設置したとのこと。京都における新たな宿泊体験のカタチとして注目されている「(MU)ROOM」を一足早く体験してきました。

↑瞑想(MU)ROOM。3月10日から宿泊開始。宿泊料金は1室1名の利用で4万200円〜(税サ込・以下同)、1室2名の利用では2万100円〜

 

“無”の空間で深い没入感を味わえる

パナソニックが開発した“無”の空間「(MU)ROOM」は、ミスト・光・色・音・香りを同社の知見を結集させた空間制御技術で絶妙に調和させ、五感を刺激し、深い没入感=瞑想にいざなう空間。新たなビジネス創出のひとつとして、未来の宿泊のあり方を考え作られたそうです。

客室に入ると、入口横にバスルーム、奥に寝心地がよさそうな広いダブルベッドがあり、その奥に扉がみえます。そこがお目当ての「(MU )ROOM」です。

 

扉を開ける前に、瞑想そして、マインドフルネスとはなにか、「瞑想(MU)ROOM」内での座り方、アプリの起動方法などの説明書を読み、準備を整えます。アプリをインストールした専用スマホで、「(MU)ROOM」の起動スタート。

↑チェックイン時に専用スマホと計測デバイスが渡される

 

集中力の瞑想、気づきの瞑想、リラックスモードがあり、まずは集中力の瞑想を試してみます。15分と30分モードから選べますが、初心者は30分モードで瞑想時間の感覚をつかむのがおススメだそう。

↑集中力の瞑想は、自然な呼吸に伴ってお腹や胸の周りで生じている体の感覚に注意を向け続ける瞑想

 

計測デバイスの装着画面が出てきたら、画面の指示に従って胸の中央にペタっとはります。自分の瞑想状態を計測するデバイスで、数値化が必要ないということであれば装着なしでもOK。

↑そわそわする、緊張しているなど、瞑想前に10個の簡単な質問がある

 

計測デバイスとデータ通信が確認できたら簡単な質問に答えて、いよいよ「(MU)ROOM」に入ります。

扉をあけた瞬間、独特の青一色の世界が広がります。すぐに透き通った女性の声で「瞑想プログラムが始まる前に瞑想ができるように回りの環境を整えましょう」とガイダンスが流れます。

 

この音声ガイダンスがはじまると、まるでSF映画の世界に紛れ込んだかのような錯覚に陥るんです。メタバースにアバターと一緒に自分も入ってしまったかのような……とにかく不思議な感覚を感じました。

↑真ん中に置いてある座布の端に座骨を乗せるように座るのがポイント。腰の位置が膝より高くなるように座ると座骨が立てやすくなる

 

絶妙なタイミングで音声ガイダンスが流れるので、瞑想体験初心者でも無理なく瞑想に入れます。ぼや~っとした霧のような空間を演出するのはシルキーファインミスト。極微細の粒子のため濡れ感はまったく感じません。

↑目はあけても半眼でも閉じてもOK。目の前にぼんやり広がる光をみて、集中力を高める。ずっと見続けていると吸い込まれていくような錯覚も

 

遠近感の無くなる光の演出、ハイレゾサウンドにより非可聴域まで再現された音、そして森林に含まれるフィトンチッドを含んだアロマの香りが五感を刺激し、“無”の空間にいるはずなのに、深海にいるような、森の中にいるような、太陽の下にいるような感覚の中、いつのまにやら何も考えずにリラックス状態に。いわゆる瞑想が自然とできているのです。

↑気づきの瞑想では、緑や黄色、淡い赤など色の変化が。自然な呼吸と共に現れる感覚・イメージなどあらゆる現象をありのままに見守る瞑想です

 

瞑想に慣れてくると、音声ガイダンスがいらない、自分の好きなタイミングで瞑想に入りたいという人もいるかもしれません。そんなときはリラックスモードを選択しましょう。

↑リラックスモードは3種類。照明や音の変化で空間を演出

 

静かな森の中でただ雨音を聞いたり、夕方のような淡い赤の世界で虫の音を聞いたり……。個人的に気に入ったのが無のモード。ただただ真っ白な空間で完全なる“無”を体験できます。普段の生活では、全く何も無い空間に身を置く機会はほぼないはず。

↑無のモードは何もない真っ白な世界。何も無いから何も考えない=今ここに集中できる

 

ということで、筆者はこのモードが一番マインドフルネスの状態になったような気がしました。

 

そして、この無の空間が読書にぴったり。もともと本好きで、読み始めると一気読みする筆者ですが、真っ白な世界で読む本への没入感がすごい! ハウツーものではなく、ミステリー小説かなにかをもっていけばよかったと思ったほどでした。

 

瞑想状態をスコア化

計測デバイスを装着した場合、瞑想終了後、最初と同様の質問に答えると、瞑想状態を見える化してくれるスコアが表示されます。

 

瞑想前、瞑想後で疲労、爽快、緊張感がどう変化したかのほか、瞑想の深さの変化がグラフ化されるため、自分がどのタイミングで一番瞑想が深められたかわかります。グラフが高いほど、瞑想が深いので、筆者の場合、最初のほうはあまり瞑想できていなかったようです。

↑0~100の範囲で瞑想スコアを算出

 

GOOD NATURE HOTEL KYOTOのリラックスグッズ

ホテル滞在の常識を変える、究極の「瞑想体験」を。がコンセプトの瞑想(MU)ROOMは1室限定。ここからは、客室の設備やインテリア、ホテルの雰囲気などを簡単にお伝えしていきましょう。

↑サウンド&ヴィジュアル、エクスペリエンスなどさまざまなエレメントを縦横つなげてこれからのスタンダードをつくるデザインコレクティヴ「YOHAK DESIGN STUDIO」の安永氏がセレクトした本

 

まずはマインドフルネスに役立つ本。The Japanese Gardenは英語で書かれていますが、とにかく写真が美しい! ただ眺めているだけで癒しのひととき。ベストセラー「心をととのえるスヌーピー」は、期間限定の新カバーバージョンで触り心地も抜群。

 

「(MU)ROOM」に入って真っ白な不思議な世界観の中で読むもよし、寝心地のいいベッドにごろんと横になって読むもよし。せっかくマインドフルネス瞑想を体験したならさらに学びを深めたいところです。

レコードがあるのもポイント。サブスクで音楽を聴くのもいいけれども、たまにはアナログで聴いてみるのも楽しいもんです。さまざまな曲調が用意されているので、テレビはオフにして、普段自分では選ばないような音楽をあえてチョイスして聴いてみるのもまた一興。

 

ただし、没入感を深めるためには部屋は無音の状態にして、「(MU)ROOM」に入ることをおススメします。

↑キャンプファイヤー気分が味わえるスタイリッシュな中庭も。

 

部屋以外にもリラックススポットがいたるところにあるのがGOOD NATURE HOTEL KYOTOの特徴。フロントがある4階には、和と洋の2つの中庭があります。宿泊者は自由に利用できるので、ノッキングチェアに身をゆだねて空と緑をただただぼ~っと眺めてゆっくりするのもおススメです。

↑もう一つの中庭は枯山水風。

 

日々のストレスや心の疲れを「瞑想」を通じてリセットする今までになかった宿泊体験とは一体どんなものか。最近では、リトリート(本来の自分に戻るための時間)やチル旅(日々の喧騒を忘れて静かに過ごす)、心と体を“ととのえる”といった癒しの旅をテーマにした宿泊プランをよく目にしますが、それらとは全く違うまさにホテル滞在の常識が覆った1泊2日でした。宿泊後の感想を一言で言い表すと「すっきり、気分爽快!」これにつきます。

 

新しい宿泊のカタチといったありきたりな言葉じゃ表現しきれない新感覚体験。京都で試して損なしどころか新たな気づきを得られるはずです。