【西田宗千佳連載】全貌はまだ見えないが…AFEELAの売りはカスタマイズ性能?

ink_pen 2026/2/16
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【西田宗千佳連載】全貌はまだ見えないが…AFEELAの売りはカスタマイズ性能?
西田宗千佳
にしだむねちか
西田宗千佳

モバイル機器、PC、家電などに精通するフリージャーナリスト。取材記事を雑誌や新聞などに寄稿するほか、テレビ番組などの監修も手がける。ツイッターアカウントは@mnishi41。

Vol.158-3

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回は2026年のCESで発表されたソニー・ホンダモビリティが手掛けるEV(電気自動車)「AFEELA(アフィーラ)」の話題。これまでのEVと異なる点と課題は何か。

 

今月の注目アイテム

ソニー・ホンダモビリティ

AFEELA 1(アフィーラ ワン)

8万9900ドル~(約1400万円※)

※1ドル=約154.7円で換算(2026年1月30日現在)

↑2023年のCESで初披露されて以降、毎年改良型のプロトタイプを展示。40基のセンサー搭載により安全運転を支援するほか、ソニーの立体音響技術を生かした、理想の没入空間を実現する。第1弾は2026年内に出荷予定だ。

これからの自動車は、ソフトで進化するクルマになっていく。自動運転・先進安全性などの機能アップはもちろん、ほかにも多数の機能が進化していく。自動車内のディスプレイ類は、Androidなどのスマホ・PCに近いOSで独立して動くようになっている。そのため、映像や音楽の配信、ゲームなどといった、従来は自動車内ではあまり重視されなかった要素が、自動車内でより簡単に楽しめるようになる。

自動車の“走る・曲がる・止まる”に関係する部分のソフトウェアと、自動車内での“居住性”に関するソフトウェアの両方が変化しつつある。その先端にいるのがテスラであり、ソニー・ホンダモビリティのAFEELAであるといえる。

一方、AFEELAは2026年1月の段階では、走る・曲がる・止まるがどう進化するのかを明らかにしていない。自動運転について、レベル2からスタートしてレベル4を目指すことは公開されているものの、“乗るとどう快適なのか”“乗るとどう楽しいか”はわからない。そうした部分での情報提供にはもう少し時間がかかりそうだ。

その理由は、ソニー・ホンダが新規事業者なので、販売前に自動車を公道で走らせる許可とナンバーの交付に手間取っているから……だという。製造はホンダが主導しており、許認可の流れもよく知っていそうなものだが、そう簡単なものでもないらしい。

とはいえ、そもそもAFEELAは、高速走行や長距離走行などの、シンプルな要素をウリにした自動車ではない。ソニー・ホンダの開発陣自身が、過去の自動車と同じように、走行性能を強くアピールするクルマではないとコメントしている。そのうえでどんな走りになるのかは、そろそろ知りたいところではある。

ただし、実現できそうな要素はわかってきている。

例えば、カスタマイズ。同じ自動車であっても、運転がうまい人とそうでない人では、曲がり方などの好みが異なる。駐車時になどにどう動くべきか、加速や小回りをどこまで効かせるかなども、運転者の技量や好みで変わる。車高についても、その人の利用環境ではどのくらいが良いのかは変わるはずだ。そこでAFEELAでは、そうした情報をクラウドに蓄積しておき、ドライバーが誰かを判別して、走る際の設定を切り替えられるようにしている。

同じようなことは別の自動車でも可能であり、AFEELA自体にしかない特徴とはいえない。しかし、“乗る人に合わせて設定や走り味を変えていく”という要素がAFEELAの特徴の1つであり、ソニー・ホンダとしても先進性として推していきたい要素であるのは間違いない。

そしてこのことは、“ソフトで価値が変わる自動車”とは、自動車の中で動くソフトによって価値が変わるだけでなく、クラウドの側にあるソフトウェアも大きく関わっている……という話でもある。

それがどういうことなのかは次回説明する。


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