ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、イタリアの伊達ブランド・アルファ ロメオから、最新で最小のSUVを取り上げる!


アルファ ロメオ
ジュニア
420万円〜556万円
SPEC【Ibrida プレミアム】●全長×全幅×全高:4195×1780×1585mm●車両重量:1330kg●パワーユニット:1199cc直列3気筒ターボ+モーター●最高出力:100kW/5500rpm●最大トルク:230Nm/1750rpm●WLTCモード燃費:23.1km/L
【これぞ感動の細部だ!】リアデザイン

ジュニアの魅力を決定づける後ろ姿
このクルマのデザインの最も秀逸なところが、スパッと上から断ち切られたような絶壁デザインです。リアウィンドウがかなり寝かされていて、トレンドであるクーペ風にもなっています。また、サイドからリアにかけてフェンダーが豊かに盛りあがっていく意匠は、どこかレトロな雰囲気も感じられます。
【GOD PARTS 01】ヘッドライト

トレンドにこだわりをプラス
流行りの“コ”の字型デザインですが、よく見ると上部は三分割されていて、3眼になっています。下部のフタになってる部分は意味がないようにも見えますが、この長さと角度がイタリア車らしい色気を漂わせています。
【GOD PARTS 02】グリル

顔の中心に筆記体ロゴ
アルファ ロメオの定番となっている盾型グリルです。一見ただの網のようですが、よく見ると「alfa Romeo」の文字が描かれていて、洒落ていますね。また、上級グレードと標準グレードではデザインが異なります。
【GOD PARTS 03】ナンバープレート

残念な取り付け方
フロントオーバーハング、つまりタイヤより前に突き出た部分が短いことで、フロントフェイスを精悍に見せています。しかし、ナンバープレートの付け根がこの面持ちの邪魔をしています。日本の仕様で仕方ないんですが。
【GOD PARTS 04】リアドアノブ

定番手法も消化しきれず
これまでもドアノブをサイドウィンドウの後方に埋め込む手法は、オシャレなクルマで多く採用されてきました。しかし今作は周囲の平らな面とサイズがあってないからなのか、上手く溶け込めてない感じがします。
【GOD PARTS 05】センターコンソールスイッチ

フランス車とよく似たテイスト?
運転席と助手席の間のセンターコンソールには動力系のスイッチがまとめられていますが、プジョー308などと共通のパーツやデザインが見受けられます。イタリアとフランス、同じラテン系ですが、差別化してくれたらいいのに。
【GOD PARTS 06】シート

サイバーな雰囲気を演出
取材車のグレードにはブラックの地色に赤いラインがグラデーションで浮かび上がるシートが採用されています。素材はファブリックとテクノレザー(合皮)で、このモダンでサイバーなラインはリアシートにも付けられています。
【GOD PARTS 07】パワーユニット

スポーティさはアルファらしさ
今回取材用に借りた「Ibrida(イブリダ)」に搭載されるのはマイルドハイブリッドですが、ベースとなるエンジンは1.2ℓ直列3気筒ターボ。スポーティで元気に回って、アルファらしい猛りを感じられます。
【GOD PARTS 08】エアコン吹き出し口

四つ葉の形状とヘビのあしらい
アルファ ロメオのハイパフォーマンスモデルに冠されるシンボル「クアドリフォリオ」は四つ葉のマークですが、吹き出し口はシルエットが四つ葉形状です。中央にはアルファ ロメオのエンブレム内にいるヘビがあしらわれています。
【GOD PARTS 09】隠しヘビ


隠されたヘビを探せ!
Cピラーや、ドアを開けたグローブボックス横などにも、遊び心でエンブレムのヘビが隠れています。ちなみに、アルファ ロメオのエンブレム内にいるヘビは「ビショーネ」と呼ばれ、ミラノの貴族の紋章に由来しています。
これぞアルファ ロメオなイタリアンデザインの新型モデル
安ド「殿! 今回は久しぶりに、アルファ ロメオの新型モデルを取り上げます!」
永福「うむ」
安ド「調べたら、当連載では6年半ぶりのアルファ登場です!」
永福「なにしろ不作続きだったからな」
安ド「僕も殿も、元アルファ ロメオのオーナーですが……」
永福「近年は期待を裏切るクルマばかりで、日本のファンも、もう半分あきらめの境地だっ
た」
安ド「でも今回のジュニアは、すごくカッコいいですね!」
永福「うむ。これぞアルファ ロメオだな」
安ド「今年出た新型車の中で、一番カッコいいと思います!」
永福「豊潤かつスポーティ。まさにイタリアンデザインだ」
安ド「顔もダイナミックでカッコいいですけど、リアの造形も独特で魅力的ですね!」
永福「ジュニアのデザインのキモは、リアの絞り込みにある。お尻がキュッと持ち上がっているから、キュートに感じられるんだ」
安ド「なるほど!」
永福「イタリア語ではクルマは女性名詞。女性的なフォルムでなくてはクルマではない!」
安ド「まさにキュートな美女ですね! 走りも、SUVとは思えないほど小気味良いです!」
永福「アルファの走りはキレが命。ジュニアの足まわりは決してハードではないが、ステアリングのキレの良さがアルファらしい」
安ド「パワーユニットはハイブリッドを採用していますが、こちらはどうでしょう?」
永福「まあまあだ。悪くない」
安ド「サウンドがアルファらしくて気持ちいいです!」
永福「プジョー/シトロエンが開発した3気筒ターボエンジンがベースだな」
安ド「えっ! エンジンはプジョー/シトロエン製なんですか!?」
永福「アルファ ロメオが属していたフィアットグループは、プジョー/シトロエングループと合併してステランティスとなった。このハイブリッドシステムはステランティスが開発したもので、プジョー308やシトロエンC3など、フランス車・イタリア車の多くのモデルで共用されている」
安ド「全部同じってことですか?」
永福「サウンドなど味付けは異なるが、基本は同じだ」
安ド「アルファは自社でのエンジン開発をやめたんでしょうか」
永福「もう新規の開発は難しいかもしれんな」
安ド「そんな! 僕はアルファのV6エンジンが大好きだったんですが……」
永福「仕方ない。アルファだけではまったく台数が出ないんだ」
安ド「厳しい世の中ですね……」
永福「ブランドの存続すら危ぶまれるなか、こうして久しぶりにアルファらしい新型車が出ただけで、良しとしなければならん」
安ド「ジュニアが出て良かったです! うお〜ん(涙)」
永福ランプ(清水草一)
日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感、クルマを評論する際に重要視するように。
安ド
元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。
※「GetNavi」2026年1月号に掲載された記事を再編集したものです。