アウトドア
2020/12/24 18:45

Amazon限定の「7000円電熱ジャケット」は実際使えるのか? バイクで試してみた!

国内外の様々なメーカーから衣服内部に電熱を加えたジャケットやベストがリリースされていますが、その中でAmazon限定販売で7000円台から買えるジャケットがあります。ブランド名は「IFSONG」。モデル名はありません。「ヒーター機能内蔵 電熱ジャケット」とだけ記載されています。

 

筆者は1年中バイクに乗っており、この冬も雪が降りさえしなければ、ほぼ毎日乗ります。極寒の中、温かく過ごせるジャケットがあれば重宝すると思い、今回は、この「電熱ジャケット」を注文。実際に使ってみて、ジャケットの内容、機能性、そして肝心の「電熱性」をレポートしていきます。

 

電熱を内包していても、軽くて動きやすい

Amazonで注文し翌日に届いた電熱ジャケット。ただ、生産国の表記はありません。袋を開けてジャケットを広げてみると、表面生地・縫製は悪くなく、心地良い肌触り。中のボアも軽くてゴワゴワせず柔軟です。表記によれば表面生地の素材は、ポリエステル95+ナイロン5%とのことで、「防撥水性」もあるようです。

↑フロント。一見、着太りしているように見えますが、約0.75kgという軽さと柔軟な素材から、見た目よりもずっと動きやすいです

 

↑サイド。ブルーのラインは反射帯で暗い場所で光を当てると反射し存在を表してくれるもの

 

↑リア。フード部分は着脱することができます

 

ジャケット内側に電熱を発するヒーターが備えられています。当初筆者は「電熱のせいで、異物感があるのではないか」と、心配に思っていましたが、電気をつけなければ「電熱が入っている」ことを想像できないほど柔軟なものでした。重量は約0.75kgと軽く、実際に羽織ってみると、仮に電熱をつけていなくとも温かいです。寒冷地でなんらかの動きをする人には文句のない作りで、ズバリかなり良さげなジャケットでした。

↑電熱ジャケットを広げた図。身長172cm×75kgの筆者はLサイズを購入(他にS、M、XL、XXLサイズあり)

 

↑タグ部分。たどたどしい日本語ですが、カッコつけた感じはなく潔さを感じます

 

↑電熱ジャケットの取り扱い表示。ドライクリーニングは禁止ですが、条件付きで「手洗いができる」「洗濯機での洗濯ができる」と書かれています。でも、電熱付きなので筆者的には少々怖く感じました。できるだけ水にさらさないほうが良いような気もします

 

機能的な複数のポケット収納

また、この電熱ジャケットはあちこちにポケットが装備されているのも特徴です。腕、袖、胸元、両腰周り、内側などですが、寒い環境下でも迅速に小物を取り出すことができます。バイク乗りの方はわかると思いますが、冬場ガソリンスタンドにバイクを乗り入れ、ガソリンを入れるためにカバンから財布を取り出したりするのが結構面倒な上、手がかじかんでいたりすると、うまくできないこともあります。ですので、こういった小物用ポケットはかなり重宝します。

↑腕ポケット。ペンなどをしまうことができそうです

 

↑胸ポケット。アウトドアジャケットに多い縦ファスナーのタイプ

 

↑コインなどを入れておける袖ポケット

 

↑さらに内側両脇にもポケットが装備されています

 

さらに、冬場のジャケットとしては無視できないのが袖口です。「電熱ジャケット」には約20ミリほどの太いリブゴムが採用されており、「冷気を腕先にも入らせないぞ!」という徹底した工夫がなされていました。

↑冷気が入ってこないよう守ってくれる袖口

 

モバイルバッテリーを携帯し給電し続けないと加熱しない

そしていよいよ電熱部分、つまりヒーターに迫ります。電気を通すためのUSBコネクタは、前内側両脇ポケットのうち着ている側から見て左ポケットに搭載されています。

↑着ている側から見て左側の内側ポケットの中にUSBコネクタがあります

 

↑キャップ付きのUSBコネクタ

 

このUSBコネクタを、モバイルバッテリーに差し込み給電させます。この電熱ジャケットは充電式ではなく、常時給電しないとヒーターを作動させることができないため、モバイルバッテリーは必須で持ち歩かないといけないことになります。言い換えると、約0.75kgのジャケットの重さにプラスして、モバイルバッテリーの重量が加わることになります。この点は用途によって、気になる・気にならないが変わってくると思いますので、着用時の体の姿勢にさほど変化のないバイク乗りとして考えると、さほど気になりません。

↑内側両脇ポケットにモバイルバッテリーを入れて、常に携帯しながらヒーターを作動させる仕組み※ジャケットにはモバイルバッテリーが付属されていません

 

USBコネクタをモバイルバッテリーに繋ぎ、胸元の2つある電源ボタンを約3秒間長押しすると、加熱がスタートします。その後、後みごろ(BACK)、前みごろ(BELLY)ともクリックをし、色別の温度に加熱させることができます。具体的に言うと首、背中、お腹、腰に6枚のヒーターを設置していて、そこがポカポカします。

↑加熱は前後で別々に調整可能です。電源を消す際は起動時同様、約3秒の長押しでオフモードへ

 

バイクにまたがって、各モードを試してみた!

ここまで紹介したのが電熱ジャケットの概要ですが、最後に実際にバイクに乗りながら「赤」「青」「緑」「オフモード」の各モードを試してみました。

↑試したのは気温12度の東京都内です

 
後みごろ(BACK)「赤」=約60℃
「最大約60℃、10秒で速熱」に嘘はなく、一気に加熱されました。ただし、この温度からスタートさせたせいか、背中に感じる電熱になかなか慣れません。正直を言うと快適さよりも「暑さ」を感じる筆者でした。

↑後みごろ(BACK)「赤」を点灯させた図。約60℃で、約3.5時間作動できます

 

後みごろ(BACK)「青」=約55℃
次に「青」=約55℃に落としてみましたが、約60℃で感じた「暑さ」はややほぐれ、若干温かみが丸くなったような印象に。ただし、違和感はまだまだ残るのが正直なところ。

↑後みごろ(BACK)「青」を点灯させた図。約55℃で、約5時間作動できます

 

後みごろ(BACK)「緑」=約45℃
次に「緑」=約45℃へ。約60℃、約55℃で感じた強めの「暑さ」は弱まり、適度にポカポカしてくる印象で最も安心して温まることができました。

↑後みごろ(BACK)「緑」を点灯させた図。約45℃で、約8時間作動できます

 

前みごろ(BELLY)「赤」=約60℃
次に前みごろ(BELLY)を加熱していきます。後みごろ(BACK)で感じた違和感は、前みごろ(BELLY)では感じず、むしろ快適に。バイクは体で風を切っていくため、前みごと(BELLY)では、これくらい強烈に「暑い」ほうが良いなと思いました。

 

前みごろ(BELLY)「青」=約55℃
次に「青」=約55℃。約60℃で感じた「暑さ」はややほぐれつつ、バイクに乗って「寒さをしのぐ」という目的で使用するなら「やっぱり約60℃だな」と思いました。

 

前みごろ(BELLY)「緑」=約45℃
次に「緑」=約45℃へ。やはりバイクで風を浴びているせいか、後みごろ(BACK)よりもかなり弱く感じたものの、そうであっても前みごろの加熱は冬のバイク乗りを救ってくれることを実感。

 

オフモード
まるっきり加熱していない状態の「オフモード」でも、ジャケットの構造自体が優れており、また軽く動きやすいため特にバイク乗りにはぴったりのように思いました。

 

【まとめ】冬場のバイク乗りは「電熱ジャケット」を着ると、ヤメられない!

今回入手した電熱ジャケットは、両腕の反射帯のブルーのラインが少々気になりながらも、機能性は十分だと思いました。用途によって後みごろ、前みごろと温度をコントロールできる点も合理的であることに加え、数千円で購入できるコストパフォーマンスの良さも見逃せません。

↑電熱ジャケットがあれば、冬場でもアウトドアライフが快適になりそうです

 

確かに、モバイルバッテリーを搭載しないといけない点は面倒です。また、例えばバイクを運転している間、雨が降ってきた際の防撥水性がどの程度発揮してくれるのかは未知数でもあります。しかし、それらを疑問視してもなお使ってみる価値は十分です。筆者としては寒い冬場のライディングで、一度でも電熱ジャケットを着てしまうと、もう元には戻れないように思っています。

 

もちろん、バイク以外でも、寒冷地での仕事をする人、冬キャンプを楽しみたい人などにとって強い味方になるジャケットだと思います。「寒さをしのぐための、冬場専用の良いジャケットないかな」とお悩みの方は、ぜひ候補の一つにしてみてください。想像以上に素晴らしいジャケットでした。

 

撮影/我妻慶一

 

 

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