4年に1度開催されるラグビーのワールドカップが、今年の秋に初めて日本で開催されました。日本代表チームの活躍もあって大いに盛り上がった大会終盤に、筆者は横浜で行われたある特別なパブリック・ビューイングに参加してきました。
世紀のスポーツイベントを「アプリで楽しむ」
今回足を運んだイベントは10月27日に、横浜みなとみらい21の臨港パーク「ファンゾーン in 神奈川・横浜」の特設テントを会場に行われた、準決勝「南アフリカ対ウェールズ」のパブリック・ビューイングでした。
その内容は大型スクリーンで新4K衛星放送の高精細な試合中継の映像が視聴できるだけでなく、スマホアプリ「LIVEPARK」によるSNSを活用したインタラクティブエンターテインメントが同時に楽しめるというもの。当日はコンテンツの企画とアプリの開発に携わった株式会社LiveParkの代表取締役社長、安藤聖泰氏に会場でお話を聞くことができました。
LIVEPARKアプリはiOS/Androidの両プラットフォームに対応しています。スマホなどのモバイル端末にインストールしてからパブリック・ビューイングのメニューにアクセスすると、自由に応援メッセージを投稿したりスタンプを送って楽しめます。
ユーザーが投稿した内容はタイムライン上に即座に反映され、パブリック・ビューイング用スクリーンの隣に設置された縦型の画面にも共有されます。得点シーンなど試合の大事な場面が訪れるたびに、たくさんのスタンプやメッセージが連発される光景は圧巻でした。自宅のテレビで試合を観戦しながらLIVEPARKアプリを片手に試合を楽しむユーザーとも、距離を超えた一体感を分け合える瞬間がこの日も幾度となく訪れました。
アプリを通じてパブリック・ビューイングに参加するユーザーは、はじめに自分が応援したいチームを画面上で選択します。この日の試合はハーフタイムの時点で若干、ウェールズを応援するファンの方が多かったようです。ハーフタイムにはラグビーに関連するクイズもアプリの画面上で出題され、会場の熱気が一段とヒートアップしました。
LiveParkは2019年の8月に立ち上がったばかりの若いベンチャー企業です。同社のLIVEPARKアプリでは、大勢の参加者が同時に楽しめる様々なタイプの参加型イベントライブ配信を実施しています。
ネット空間上のファンと一緒に試合を見ながら盛り上がった
今回のスポーツをテーマにしたパブリック・ビューイングの企画は、試合の動画を単純にライブ配信することだけが目的ではなく、大勢の参加者がモバイル端末など身近なデジタルツールを活用しながらオンラインでつながり、一緒に盛り上がれる場を提供することが狙いだったと安藤氏が説明しています。
LIVEPARKでは今後も「クオリティの高い映像制作力」「低遅延のライブ映像配信システム」「映像にゲーム性をかけあわせる知見」によって、スマホなどモバイル端末上で楽しめるインタラクティブ性も備えたオンラインイベントを次々に発信していきたい安藤氏は話しています。
LIVEPARKで実施されたインタラクティブ型のイベントについて例を挙げると、閉じ込められた2人のタレントをアプリのユーザーが協力して「救出」するファンイベント形式のライブ配信企画「共闘バトルQ-SHUTSU」が10月中旬に実施されました。誰でもオープンに参加できるイベント形式として、タレントの熱心なファン以外にも大勢の参加者を集めて盛り上がったそうです。
ほかにも日本テレビで放送されている番組「金曜ロードショー」と連動する「金ローただいま実況中」というライブ実況を中心としたレギュラー企画もあります。内容はテレビで映画作品を鑑賞しながら、映画コメンテーターの赤ペン瀧川氏による映画解説をLIVEPARKのアプリ上で楽しめるというもの。参加ユーザーはアプリからリアルタイムにコメントを発信したり、参加者全員であたかもバーチャル空間上のお茶の間で映画を観ながら盛り上がれる感覚を味わえます。
スポーツイベント以外にも広がるLIVEPARKのチャレンジ
LiveParkの安藤氏は、今後も映像メディアとSNSが連動する新しい楽しみ方をLIVEPARKアプリのユーザーに提供していきたいと意気込みを語っています。またラグビーのパブリック・ビューイングを実施してみて、次に取り組むべき課題もいくつか見えてきたとのこと。
例えば今後、モバイル通信の環境がますます充実してくれば、動画配信の画質や安定性はもっと向上できるはずです。そうなった場合、スポーツの試合観戦はより大勢の人々が集まる試合のスタジアム会場であっても、モバイルアプリを活用した新しい情報エンターテインメントの体験を提供できる可能性があります。安藤氏は、ハーフタイムショーの時間を盛り上げるような企画も考えられるだろうと話していました。
タレントやアーティストが出演するライブ配信企画についても、さらに多様性のあるエンターテインメントが考えられそうです。安藤氏は「数の規模を追うのではなく、熱量の高いファンの琴線にふれるようなプレミアム度の高い企画が提供できるのでは」と語っています。例えばファンクラブの会員に限定してアーティストと交流できるバーチャル空間をアプリ上で実現したり、そこにeコマースやマーケティングツールの機能を持たせることも考えられます。LIVEPARKは企画ごとにユーザーインターフェースのデザインをカスタマイズできる設計になっていることも強みとして活かせるだろうと安藤氏はアピールしながら、今後はLIVEPARKアプリをベースに様々なエンターテインメントとのつながりを広げられるのではないかと期待感を語っていました。
筆者は高校生の頃に部活でラグビーをやっていたのですが、今回のワールドカップはチケット争奪戦に早々と脱落してしまったため、今回の取材機会にこれほど楽しくパブリック・ビューイングの場で世紀のイベントを観戦できる機会が得られるとは思っていませんでした。スタジアムでの観戦、または自宅で家族や友だちと大画面を囲んで放送を見る感覚ともまたひと味違った、ネット上に集まった大勢のファンと一体感あふれる観戦体験をLIVEPARKアプリを片手に楽しめたことが貴重な体験になりました。来年もビッグなスポーツの大会が目白押しです。今後もユーザーの期待に応える様々な試みをLIVEPARKが実現してくれるのではないでしょうか。
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