「ゲームでお金を稼げる」と聞くと、うらやましいと感じるかもしれませんが、プロゲーマーは決して「楽な職業」ではありません。eスポーツでプロとして食べていくためには、ほかのスポーツと同じように厳しいトレーニングや自己管理が必要ですが、プロゲーマーになるための理想的な条件はあるのでしょうか? イギリスのDaily Mail紙のレポートを紹介しましょう。
1: 手のサイズ
ゲームを行うとき、プロゲーマーは常にコントローラーを手に持ち、俊敏に反応しなければなりません。そのため、ゲームのパフォーマンスは手のサイズと密接な関連があります。ゲームのプラットフォームなどを運営するStakesterの専門医が、18歳から44歳の90人のゲーマーを集めて、手のひらの大きさや指の長さとパフォーマンスの関係について調査。その結果、『マリオカート』のように素早く動くゲームでは、手が小さい人のほうが良いパフォーマンスを発揮しやすいのに対して、『FIFAシリーズ』や『コール オブ デューティ』のような長時間にわたるゲームでは指が長い人のほうが有利と判明。さらに、プロゲーマーになるための理想的な手の大きさは以下のように考えられました。
・人差し指の指先から付け根まで:7.6cm
・人差し指の先端から手首まで:18.1cm
・手のひらを開いたとき、親指の先端から小指の先端までの幅:22.8cm
・手のひらの横幅:8.7cm
2: 体力
ゲームをするためには体力が必要。Stakesterは、プロゲーマーが2時間ゲームをしたとき、どれくらいカロリーを消費するのかを調べました。すると、2時間プレイした場合、男性は約420kcal、女性は約472kcalを消費することが判明。ゲームに必要とする集中力やゲーム中の緊張感などによって、研究者が驚くほどのカロリー消費につながっているのかもしれません。プロゲーマーは1日10〜15時間プレイしていることもあり、それをこなせるだけの体力やストレス耐性がないといけないということでしょう。
3: 食事
ほかのスポーツと同じように、ポテトチップスやファストフードといったジャンクフードも(当然)ダメ。ゲーマー約820人の食事内容を調べたドイツ体育大学ケルンの研究で、プロゲーマーは砂糖やファストフードの摂取がかなり少ないとわかりました。市販の板チョコなら1週間に1枚、塩味のスナック菓子は1週間に小鉢1杯程度が平均的な結果でした。また、エナジードリンクを定期的に飲んでいる人は約40%と高いことも特徴的でした。エナジードリンクはプレイのパフォーマンス向上に関連があると言われ、多くのゲーム大会でスポンサーになっています。さらに、プロゲーマーの身体作りには、野菜中心のヘルシーな食事が求めらるとも言われています。
4: 年齢
プロゲーマーの寿命はかなり短く、20代半ばで終わるのが一般的。仮に30代や40代からプロゲーマーを目指そうと思っても、その道のりはかなり険しい模様。この道を志すなら、始めるのは早ければ早いほうが良いようです。
5: 視力
明るいPC画面を長時間見続ける必要があるため、プロゲーマーの目にかかる負担は大きくなります。ゲーマーに限らず、デジタル機器を長時間使うと、眼精疲労やドライアイ、さらに首や肩こりを引き起こす「コンピュータビジョン症候群」と呼ばれる視覚的な問題が生じることが明らかになっています。プロゲーマーは同症候群にかかりやすい傾向があるため、近視・遠視など視力になんらかの問題がある人は、プロゲーマーとして不利と考えられています。
これらはプロゲーマーになるための理想的な条件とされていますが、絶対条件ではありません。不利な条件を乗り越えて勝つのがスポーツの醍醐味の1つ。言うまでもなく、プロゲーマーになるためには、人生と同じように努力や才能、運も大切でしょう。
【出典】SHIVALI BEST FOR MAILONLINE. Do YOU have what it takes to become a professional gamer? Experts reveal the ideal age, physique and diet – and say 9-inches is the optimal handspan. Daily Mail Online. June 8 2022 (updated on June 9 2022). https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10896403/Do-takes-gamer-Experts-reveal-ideal-age-physique-HAND-size.html