アシックス スポーツ工学研究所・潜入ルポ
今回訪れた兵庫県・神戸市西区にある「アシックス スポーツ工学研究所」。シューズのみならず、アシックスの製品づくりの根幹をなす重要施設。“Human Centric Science”を標榜し、人間の動作解析や、材料や構造、分析評価試験の手法をはじめ、生産技術やサービス開発など幅広い研究を行っている。
テスト用のトラックは、レーンごとに素材が異なる。右端は、オンロード、アスファルトのサーフェイス。左端の青色は、イタリア・モンド社製の陸上競技用舗装材《スーパーX》。中央の赤色は、東京の新国立競技場で使用されている《モンドトラック》である。
所内に設置されたトラックには、動作解析ためのカメラが並ぶ(屋外にもつながる350m)。コース上にはフォースプレート(床反力計)が設置され、着地から蹴り出しにかかる力の大きさや向きの計測も同時に行える。
モーションキャプチャーのマーカーが装着された、ランニングシューズGEL‐KAYANO 29。7月に発売された最新モデルだが、アシックス社内では現在、来年以降のシューズ開発が進められている(はず)。
ウェアを作るための、さまざまな体型のトルソーが並ぶリサーチ施設。この部屋はガラス越しに中の様子が分かるが、秘匿性が高い部屋は摺りガラスになっていて、中の様子は分からない。
ランニングシューズのミッドソールなど部材の強度を測定する施設。引っ張りや引き裂き、接着剤の剥離など製品の部材の耐久性をチェックする。
入室制限された摺りガラスの部屋のひとつ。中に置かれていたのは、フォーム材などの品質をチェックする、材料の構造を見るための電子顕微鏡。
研究所内の体育館のコート。奥には野球のピッチャー用のゲージもある。これらにもフォースプレート(床反力計)が設置可能だ。
この秋、最新のランニングシューズで走り出しくなった方へ、ココでお知らせ。次回は、アシックスの最新シューズの実走テストを行い、そのレビューを紹介する。まずは、シリーズ3作目、先日発表されたばかりのNOVABLAST 3。そして、“ザ・アシックス”とも言うべきマスターピースの29代目GEL-KAYANO 29。いずれも、アシックス スポーツ工学研究所内でのロケで、お届けしよう。
撮影/小川朋央
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