文房具
筆記用具
2018/3/15 22:15

3つの文房具を合体したら出来た。俺的最強ノートはこれだ!

【きだてたく文房具レビュー】お気に入りを半ば力技で合体した俺ノート

 

ここ数年で、ノートにこだわりを持つ人がグッと増えてきたように思う。

 

「デジタル全盛の時代にあえてアナログ筆記にこだわる」とか「やっぱり紙の手触りが好き」とか、理由はそれぞれあるようで、そのこだわりに応えるべく、メーカーも次々とサイズや紙質、綴じ方にこだわりのあるノートを発売してきた。

 

が、それでも「違う! 俺の欲しいノートはそうじゃないんだ!」という人がいる。メーカーも万人の欲求に応えられるわけではないので、そういうことも当然ありうるだろう。実は筆者も「俺の欲しいノートが市販されてない」というクチなのだけど、特に困ってはいない。だって、自分の欲しいノートを自分で作っちゃっているからだ。

 

ノートの自作と言っても、そんな大げさな話ではない。筆者の要求を満たすノートは、市販のツールと紙を組み合わせてしまえば、それなりに簡単に作れてしまうのだ。まず、その要求スペックを書き出してみよう。

・サイズ:A5サイズ
・綴じ方:タテ開きリング綴じ(紙の上辺をリングで束ねたもの)
・紙質:ペラい紙は好みではないので、ちょい厚手がいい
・紙面:5㎜方眼+日付欄があるとベター
・その他:軽いこと(100g以内がうれしい)

 

そんなに難しいことを言ってるつもりはないのに、これを市販品から探すと、見つからないのである。ただ、目安として、紙に関しては「まさにピッタリ」というものがある。

↑マルマン「ニーモシネ A5ノートパッド」594円

 

マルマン「ニーモシネ A5ノートパッド」は、まず紙面が特殊5㎜方眼罫。ページ内に日付+タイトル欄が入っており、これが日々のアイデア出し帳としてなかなか好ましい。

 

紙質もまさにほど良く厚手で、たまに万年筆など使っても裏抜けが少なく書きやすい。そして最もありがたいのが、パッド上辺のミシン目。ここから切り離すと、紙がちょうどA5正寸になるのである。

↑細かなミシン目が入っており、必要な分だけちぎり取れる

 

じゃあ、この切り離したA5の紙を自分で好きなように綴じ直せば、好みのノートができあがるのではないか、ということ。ということで次に出番となるのが、LIHIT LAB.(リヒトラブ)の「ワンサード 34穴パンチ」だ。

↑LIHIT LAB.「ワンサード 34穴パンチ」1万584円

 

これは「ワンサード」……つまりリングノートの国際基準である1/3インチ(8.47㎜)ピッチで、最大A4長辺34穴まで、連続する綴じ穴を開けてくれるパンチである。

↑A5紙の上辺をはさんでバン! と押せば、一気にリングノート用の17穴が開けられる

 

↑リングノートは穴のピッチが違うので、ルーズリーフバインダーでは使用できない

 

ただし、穴が多い分だけ同時穿孔枚数は5枚までと少なめ。必要なページ数分の穴を開けるため、ここだけちょっとチマチマとした作業が必要になる。

 

紙の準備ができたら、あとはリングで綴じるだけ。そこで最後に登場するのは、LIHIT LAB.「ツイストノート A6」だ。

↑LIHIT LAB.「ツイストノート A6」248円

 

A5短辺=A6長辺なので、このA6用の17リングが、先ほど開けた穴にぴたりとハマるという寸法である。

↑左ページを左上に、右ページを右下に同時に引くことでリングが開く。リーフの差し替え・追加が可能でしかも軽量と、言うことのないシステムだ

 

自由に開閉できるプラ製ツイストリングを使って、欲しいだけ紙を綴じてしまえば理想のノートが完成する。ノート自体の重量も、綴じるページ枚数で調整すれば良し。

 

ちなみに元々A6ノートに使われていた紙は、卓上用メモとして再利用している。

↑パンチで17穴を開けた用紙をリングでまとめる。表紙・裏表紙はニーモシネのものを切り取って、こちらもパンチ

 

そもそもこのツイストリングは、市販のリングノートを分解して綴じ直すこともできるため、応用力が非常に高い。今まで使っていたノートから必要なページを抜き出して再利用するなど、リングノートがルーズリーフ感覚で使えるようになるのだ。金属製のダブルリングより軽量なのもありがたい。

↑俺のニーモシネツイスト、略して「俺モシネ・ツイスト」の完成形。ページ数を調整して重量も100g以内に収めた

 

筆者の場合、リングノートのリングに手が乗り上げる感じが嫌い=タテ開きが理想、2冊タイプのノートカバーに収納するので、できるだけ軽い方がいい=ツイストリングで枚数調整可能、というポイントが、これで解決できたというわけだ。

↑ノートカバーに収めた状態。2冊使いだと片側がタテ開きの方が使いやすい

 

ノートの好み・使い方は人それぞれなので、なかなか“理想の一冊”に出会うのは難しいもの。ならば、あるものを組み合わせて好みの環境を作るのも文房具の楽しみ方のひとつだ。

 

「暗いと不平をいうよりも、すすんで明かりをつけましょう」(マザー・テレサ愛の言葉 より)の精神である。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。