文房具
2019/2/11 19:00

これが100円!? 技ありマスキングテープカッターが100均で手に入るとは

【きだてたく文房具レビュー】100円とは思えない機能を盛り込んだマスキングテープカッター

どうやら、マスキングテープファン界隈の動きが本格的に「コレクション」から「使う」にシフトし始めたようだ。なぜそう判断したかというと、100円均一ショップにアイデア系のマステ用テープカッターが出回り始めたからである。

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一昨年、コクヨから使いやすいマステカッターとして「カルカット クリップタイプ」が発売されて以降、なんとなく文房具業界的にも「マステもそろそろ、集めるだけじゃなくて使う方にシフトするよね」という空気が醸成されつつあったのだが、それがいよいよ100均方面にまで届いた感じなのだ。

↑マステに取り付けるタイプの便利なカッター、コクヨ「カルカット クリップタイプ」
↑マステに取り付けるタイプの便利なカッター、コクヨ「カルカット クリップタイプ」

 

もとより圧倒的に女性ユーザーの多いマステ界隈は、100均アイテムの影響力がやたらとデカい(コレクションケースも、セリアなどのアイテムが大人気だった)。そこにこういった“便利に使う系マステカッター”が現れたということは、もう全体の流れがそっちに向かっていると判断していいんじゃないか、と思うのだ。

 

まあ、実際にどうなるかはひとまず置いておいて、100均にこういうものがあるからマステに活用すると面白いよ、という方向で紹介しておきたい。

 

引き出したマステの長さを測れるカッター

こちらは、昨年初秋ぐらいからダイソーで出回り始めた「同じ長さに切れるマスキングテープカッター」だ。名前の通り、マステが常に同じ長さで揃えてカットできる機能がついている。(……それにしても、100均アイテムは名前がそのものズバリな商品が多いので、紹介が楽だな)

↑ダイソー「同じ長さに切れるマスキングテープカッター」108円
↑ダイソー「同じ長さに切れるマスキングテープカッター」108円

 

テープリールとカッターの間に3枚羽根のプロペラがついており、これを使ってマステの長さを揃える仕組みだ。

 

まずテープを引くと、それにあわせてプロペラも回る。で、3枚羽根のうちの2つがテープに当たる(羽根がテープに“トン”と当たる感触がある)と、そこがちょうど3㎝。もう少し引いてまた次に羽根が2つテープに当たると、6㎝。つまりプロペラ1/3回転ごとに3㎝が分かるようになっているのだ。

↑真ん中のプロペラが1/3回転するごとに3㎝。シンプルで分かりやすい
↑真ん中のプロペラが1/3回転するごとに3㎝。シンプルで分かりやすい

 

↑3・6・9㎝で引き出したテープ
↑3・6・9㎝で引き出したテープ

 

なぜ3㎝刻みかというと、おそらくこれは封筒の幅に合わせているのだと思う。一般的な長4封筒は幅9㎝、長3封筒が12㎝となっているので、封かんにぴったり使いやすいのだ。

 

目分量でテープを切ると、封筒の幅に長すぎたり短すぎたり、ということがよくある。というかほぼ毎回そうなる。それが3㎝刻みできちんと長さを測れれば、ぴったり気持ちいいに決まっている。

↑長4封筒に9㎝のマステで封かん。目分量ではこうピッタリとはいかないので気持ちいい
↑長4封筒に9㎝のマステで封かん。目分量ではこうピッタリとはいかないので気持ちいい

 

とはいえ実際のところ、毎回同じ長さでぴったりとはいかず、微妙な誤差は出てしまう。プロペラによる計測があまりにもアナログなので、これはまぁ仕方ないところだろう。

 

できるだけ失敗しないコツは、プロペラがテープ粘着面に当たったままの状態を維持すること。特にテープを長く引くと、ついテープを持ち上げてしまってプロペラを空転させてしまいがちなので、要注意だ。

↑連続して3㎝でテープカットした結果。±1〜2㎜の誤差は出るようだ
↑連続して3㎝でテープカットした結果。±1〜2㎜の誤差は出るようだ

 

ちなみにこのテープ計測ギミックは、過去にも封かん用セロハンテープカッターとして存在したが、長さが測れるギミックがもう少し複雑で高価だった。そこを割り切って3㎝単位にすることでシンプルに100円アイテムとして収めたのは、「上手くやったな」という感じだ。

 

コレクションケースも兼ねる大容量カッター

もうひとつ紹介したいのは、CanDo/セリアの「スタッキング マスキングテープカッター」。実はすでに2016年に発売されていたものなので、マステ好きならご存知の方もいるだろう。これ、一時期ちょっと供給が少なくなっていたのが、最近になって再び店頭に並び出したようだ。

↑CanDo/セリア「スタッキング マスキングテープカッター」108円
↑CanDo/セリア「スタッキング マスキングテープカッター」108円

 

透明なケースに、15㎜幅のマステが5個まで並べて収納できるようになっている。で、ケースの端にプラ製のカッターが付いているので、収納したマステを好きなように引き出して切って使える、という仕組み。つまり、コレクションケース兼用マステカッターだ。

↑マステを収納した状態。ケースが透明なので、テープの柄が確認しやすいのもいい
↑マステを収納した状態。ケースが透明なので、テープの柄が確認しやすいのもいい

 

ちょっと面白いのが、このプラ刃。上下に通常の刃とギザの大きな刃が付いているので、好きなように入れ替えてセットできるのだ。セロハンテープを含めたテープカッターは最近では、ギザギザが出にくいフラットカット刃が人気だが、そこにあえてギザギザ出まくりの刃を入れてきたのは興味深い。

↑大小2つの刃が選べるのは、よくできている作り。大ギザ刃はかなり極端にギザギザが見えるようになっている
↑大小2つの刃が選べるのは、よくできている作り。大ギザ刃はかなり極端にギザギザが見えるようになっている

 

手帳の表紙などにマステを貼ってカスタムする場合はギザギザがない方が仕上がりはきれいだろう。でもそうじゃなくて、「いかにもマステ貼りましたよ」的な演出をしたいなら、やはりギザギザがはっきり見えていた方が記号的にそれっぽく見えるのだ。つまりこの大ギザギザ刃は、マステのギザギザをデフォルメする用の刃なのである。

↑スタックできるのは、コレクションケースとして必須条件。ケース自体がコンパクトな作りなので、置き場所を取らないのもありがたい
↑スタックできるのは、コレクションケースとして必須条件。ケース自体がコンパクトな作りなので、置き場所を取らないのもありがたい

 

実際に使ってみると、テープが5連並んでいるのは便利だな、と感じた。

 

マステを貼って遊ぶ際には、やはり「どのテープをどうやって貼ろうかな」と考えたい。しかしテープカッターにテープ1つという組み合わせだと、どうしてもすでにカッターにセットされているテープばかりを優先して使ってしまう。

 

でも、いつでも貼れるようにセットされているテープが5つ(ケースはスタックできるので、5×いくつでも)あると、どれを貼ろうかと悩むことができるのだ。これはマステを使って楽しむという点で、かなり良いポイントだと思う。