文房具
2019/6/5 19:00

多少かさばってもこれなら欲しい!据置型テープカッターは「瞬時にテープ交換」「机に張り付く」の2種が買い!

利便性を高めた据置型テープカッター

モノ同士を接着する道具というのは数あれど、その中でも使い方が最も簡単なのが、セロハンテープだと思う。欲しい分だけスッと引いて、ピッと切って貼るだけ。のり・接着材のように乾燥を待つ手間もなく、テープのりほど繊細な技術を必要としない。透明で、貼った下が透けて見えるのもポイントだ。

 

ただ、セロハンテープ単体では手で必要量を切ることができないため、“スッと引いてピッと切って貼る”という手軽さを担保しているのは、“台”となるテープカッターの機能によるところが大きいだろう。(実際、「セロハンテープ」と聞いて想像するビジュアルは、テープカッター込みのものだと思う)

 

このテープカッター、平面に置いて使う“据置型”と、軽量コンパクトな“ハンディ型”の二つに分類できる。どこにでも持って行けるハンディ型ももちろん便利だが、どっしりと安定して片手でテープを引いて切れる据置型の方が、作業効率は圧倒的に高い。

 

個人的にもテープカッターは据置型に限る! と思っているので、今回は最新の「便利な据置型セロハンテープカッター」を2点、紹介したい。

 

テープ交換スピードが最速のテープカッター

据置型テープカッターでセロハンテープを交換する場合、基本的に別体のプーリー(リール)をセロハンテープの芯にはめてカッター台に装着する、という作業が必要になる。プラスのテープカッター「TC-401」はその手間を極限まで簡略化した、最速でテープ交換ができるテープカッターである。

↑プラス「テープカッター TC-401」オープン価格(実売1160円前後)
↑プラス「テープカッター TC-401」オープン価格(実売1160円前後)

 

構造としては、プーリーを廃して、代わりに本体内部にバネ式のフックを搭載。これにより、テープを本体の上からポンと差し込むだけで装着が完了する。使い終わった芯を取り出す時も、真上に引き上げるだけだ。

↑本体内側のバネ式フック(黒いパーツ)にテープを当てて押し込むようにセット
↑本体内側のバネ式フック(黒いパーツ)にテープを当てて押し込むようにセット

 

↑カチャン、とセット完了。テープを取り出すときは逆に引き抜くだけ
↑カチャン、とセット完了。テープを取り出すときは逆に引き抜くだけ

 

実際にテープ交換に必要な時間を計ってみたが、10秒あれば余裕で古い芯を捨て新しいテープを切り始めることができた。まず、これはテープ交換最速ということで間違いないだろう。

 

ちなみに、バネ式フックのギミックは、かつては他メーカーの製品にも存在したが、現在は廃番のようだ。そのため、現時点ではワンタッチでテープが交換できる選択肢としてはTC-401が唯一ということになる。

 

機能のキモとなるバネ式フックには、4段の段差がついており、これが12mm・15mm・18mm・24mm幅のセロハンテープ芯にぴったり対応するという仕組み。

↑バネ式フックの段差に合わせて、12〜24mm幅のセロハンテープに対応
↑バネ式フックの段差に合わせて、12〜24mm幅のセロハンテープに対応

 

ただ、テープを引くときに真っ直ぐ引かないと、フックが上下に揺れることでテープ自体が段差を乗り上げ、ガタガタと不快な揺れを生じることが何度かあった。なめらかにテープが引けないと、手の感覚だけで同じ長さのテープを量産するのが難しい。そもそも感触としても気持ち悪いので、このガタつきは残念に感じた。

 

据置型テープカッターは自重と摩擦で平面上に固定されるが、TC-401は本体重量が約1.4kgと問題なし。置くだけで問題なくテープを切ることができる。

↑本体は自重でどっしりと安定。カッター刃はごく一般的なギザ刃タイプだ
↑本体は自重でどっしりと安定。カッター刃はごく一般的なギザ刃タイプだ

 

サイズは幅70mm・奥行き218mmと初見でも「おお、ちょっとデカいな」と感じるが、奥側にペン立てスペースを備えているため、使ってみればそれなりに実用的だ。

↑本体後部のペン立てスペースは、ボールペン4〜5本ほどの容量がある
↑本体後部のペン立てスペースは、ボールペン4〜5本ほどの容量がある

 

オフィスなどでは、据置型のテープカッターは“島”に1台のシェアアイテムとして扱われることが多い。作業をするときには、共有スペースから自席にテープカッターを持って移動することもあるが、そういうときは刃の下部分を握って持つことができるTC-401のハンドルデザインは、なかなか便利だ。

↑掴んで持ち運びできるハンドルデザイン。本体サイズの大きさを活かした機能といえる
↑掴んで持ち運びできるハンドルデザイン。本体サイズの大きさを活かした機能といえる

 

なにせ重量物だけに、変な場所を掴んで手を滑らせると、足の上に落ちてきたりと惨事になりやすい。地味なポイントだが、この形状はなかなか良くできていると思う。

 

軽量なのに据え置き可能なコンパクトカッター

対して、大きさ・重量ともにハンディ型サイズなのに、特殊な機能で据置型として使えるテープカッターが、コクヨの「GLOO テープカッター」だ。

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↑コクヨ「GLOO テープカッター」1600円(税抜き)
↑コクヨ「GLOO テープカッター」1600円(税抜き)

 

コクヨのGLOOは、デザインオフィス「nendo」とコクヨが協業して作った、新しい“貼りもの”ブランド。スティックのり、テープのりなどがラインナップされているが、個人的にはこのテープカッターが良くできていて面白いと感じている。

 

なにしろ幅38mmというスリムさ、テープ込み150g前後という軽量さにも関わらず、机に置くとしっかり固定されて、片手でテープを引くことができるのだ。

↑一見すると不安定なようだが、使ってみると何の問題もなく片手でテープカットが可能
↑一見すると不安定なようだが、使ってみると何の問題もなく片手でテープカットが可能

 

その秘密は、底面の特殊な吸盤にある。平面にポンと置くだけでしっかり吸着するため、テープを引く・切るという作業をしてもグラつくことなく安定するのだ。吸盤なので、木材やカッターマットなどザラザラとした面には使えないが、オフィスデスクであればだいたいは問題なく機能するはず。

↑薄型なのに、かなりしっかりと吸着する特殊な吸盤(写真の円形パーツ)
↑薄型なのに、かなりしっかりと吸着する特殊な吸盤(写真の円形パーツ)

 

これだけしっかり吸着する吸盤だと、普通は作業後に取り外すのが大変になる。ところがGLOOテープカッターは吸盤部分に弁が付いた構造で、リールを持ち上げるだけで吸盤に空気が通り、スッと簡単に離れてしまうのだ。

 

実際にはユーザーが使う際に機能を意識することはなく、ただ置くだけで固定/持ち上げるだけでリリース、と簡単に便利さを享受できる。これはとても優れた機能だと思う。

↑リールを持ち上げるだけでスルッと外れる。動作に「外すためになにか操作した」という印象はなく、自然だ
↑リールを持ち上げるだけでスルッと外れる。動作に「外すためになにか操作した」という印象はなく、自然だ

 

軽量・コンパクトで持ち運びは簡単だし、さらに言えばデスクの引き出しにも収納可能。それが使うときだけ取り出して机に置くだけで安定して片手でテープが切れるのだから、これはかなり便利だ(しかも置いても場所を取らない)。

 

もちろん、日常的にセロハンテープの使用頻度が高いのであれば、がっつり重くて安定性の高い従来の据置型の方が使いやすいだろう。しかし「たまに使うかな」ぐらいであれば、ハンディ型と据置型のメリットを併せ持つ万能性は本当に優秀である。

↑テープ断面は、ギザギザしないフラットカット。切れ味もサクッと良く、快適だ
↑テープ断面は、ギザギザしないフラットカット。切れ味もサクッと良く、快適だ

 

さらにカッター刃には、これまでも切りやすさで評価の高いフラットカットのカルカット刃を搭載。もはや、言うことなしだ。