文房具
2019/12/31 22:00

“雑食系文具ライター”渾身のレビューから選ぶ!2019年ジャンル別ベストバイ文房具10

今年も一年、この連載において、あれこれとオススメしたい文房具を紹介することができた。お読みくださっている読者の皆さんにお礼を申し上げるとともに、次々とスゴい文房具を生み出してくれるメーカーさんにも「いつもお世話になってます」と頭を下げる次第である。

 

本連載では、筆者が実際に使って「これ、イイぞ!」と感じたものだけを取り上げてきたのだが、今回はその中でも特に! 特に!! 買って良かったと思えた厳選ベストバイ文房具を10点紹介しよう。

 

本当はベストテン方式で全体に順位をつけようとも思ったのだが、どれもそれぞれ素晴らしい便利さなので、優劣がつけがたい。ただ、選んだ10点を見渡してみると、ちょうどほどよくジャンルがバラけていたので、各部門ごとのベストバイという形式にしてみた。

 

ボールペン部門第1位……
「フリクションポイントノック04」(パイロット)

日常的な筆記にフリクションが欠かせない筆者としては、2019年のボールペンはとにかくこれだろ! と挙げたいのが、「フリクションポイントノック04」である。

 

ペン先にパイロット独自のシナジーチップを採用し、0.4㎜という極細字であるにも関わらず、たっぷりのインクフローでサラサラと気持ちよく書けるのが、とにかく最高だった。

↑書き味に加えて高級感もアップした「フリクションポイントノック04」
↑書き味に加えて高級感もアップした「フリクションポイントノック04」

 

これまで「書き味はイマイチだけど、消せるからなぁ……」と機能的なトレードオフで消極的にフリクションを選んでいた人も多いのではないだろうか。しかし、「フリクションポイントノック04」は書き味も最高で、かつ消せる。もはや何も我慢しなくていい、積極的に選んで欲しい史上最強のフリクションである、と断言したい。

【商品情報】
パイロット
フリクションポイントノック04
各250円(税別)

快適筆記で超極細でノック式!消せるボールペンの覇者「フリクション」の最上モデルを見つけてしまった
https://getnavi.jp/stationery/424920/

 

クリップボード部門第1位……
「折りたたみクリップボード」(ナカバヤシ)

古くから姿形が変わることなく存在していたクリップボードだが、ここ数年で突如として機能的進化を始め、今や注目ジャンルのひとつとなっている。そんな機能性クリップボードの中でも、特に驚かされたのが、ナカバヤシの「折りたたみクリップボード」だ。

↑携帯性が画期的な「折りたたみクリップボード」
↑携帯性が画期的な「折りたたみクリップボード」

 

A4サイズのクリップボードが、名前通り折り畳めてA5サイズに変身。これならカバンにスッと入れて簡単に持ち運べる、というわけ。

 

そもそも、クリップボードって折り畳んで使えるのか!? と驚いたのだが、使ってみれば何の問題もなし。広げればきちんと一枚板として成立する構造を持っているのが見事だし、畳んで収納する際には、挟んだ紙が飛び出さないような工夫もあり。本当に良くできた逸品である。

【商品情報】
ナカバヤシ
折りたたみクリップボード
920円(税別)

ワイドか折り畳みか、真逆に進化!どっちも欲しくて悩むナカバヤシの最新最強クリップボード
https://getnavi.jp/stationery/422542/

 

サインペン部門第1位……
「クリッカート」(ゼブラ)

2019年の文房具シーンで最も激戦区だったのは、おそらくサインペン(水性マーカー)ジャンルだろう。これまでにない斬新な製品が各メーカーから発売され、しかも、そのすべてがオススメできる高いレベルにあったからだ。

 

そんな激アツなサインペンの中でも、筆者が一番気に入ったのが「クリッカート」。なんと水性サインペン史上初のノック式、という驚異的な機構を持つ製品である。

↑特殊なインクでノック式を実現した「クリッカート」
↑特殊なインクでノック式を実現した「クリッカート」

 

ゼブラは、なんと「空気中の湿度を吸収して、自ら最適な湿度を保つ」という特殊なモイストキープインクを新開発。これにより、サインペンなのにノック式でもインクが乾かないサインペンが実現したわけだ。

 

いちいちキャップを外さなくても、ノック一発でサッと書き出せて、ペンケースに収納する時もノックでペン先をしまうだけ。この快適さは、従来にないすごいものだった。

【商品情報】
ゼブラ
クリッカート
各100円(税別)

ペン先が乾かない、上書きしても滲まない!ゼブラのノック式水性マーカーが全色集めたくなる優秀さ
https://getnavi.jp/stationery/369071/

 

画材部門第1位……
「ZIG クリーンカラードット」(呉竹)

ぶっちゃけ言えばこれもサインペンなんだけど、どうしても絞りきれなかったのだ。そこで、どちらかといえば画材部門寄りだしな……、との判断により「ZIG クリーンカラードット」もベストバイとして紹介することにした。(それだけ今年のサインペンが激戦だったのだ。)

↑ドット芯で誰でも簡単にドットアートが楽しめる「ZIG クリーンカラードット」
↑ドット芯で誰でも簡単にドットアートが楽しめる「ZIG クリーンカラードット」

 

軸の前後に太・細のペン先チップを備えたツインタイプのサインペンだが、注目したいのは太側の球状ドットマーカーチップ。このぷにょっとした柔らかな弾力を持った球状のチップを垂直に捺すと、ポンポン、ギュッギュッと圧力次第で、大小のきれいなドットアートが描けるのである。

 

これなら誰が使っても、バレットジャーナルやオリジナルカード作りが楽しめるはず。絵心がない人でも安心して使えるオススメ画材だ。

【商品情報】
呉竹
ZIG クリーンカラードット
各200円(税別)

色味とタッチが絶妙…ボールペン代わりになるエモい「細字水性サインペン」
https://getnavi.jp/stationery/402678/

 

筆ペン部門第1位……
「瞬筆」(パイロット)

年末の時期に集中して売れるのが、年賀状の宛名書きに必須の筆ペン。ただ、ほとんどの人が年に1~2回ぐらいしか使わない、というジャンルだけに、普段ならさほど注目度も高くないのが実情だ。

 

しかし、今年はガチ注目の革新的な製品が登場した。それが「瞬筆」である。

↑名前の通り一瞬でインクが乾く「瞬筆」
↑名前の通り一瞬でインクが乾く「瞬筆」

 

筆ペンで宛名書きをした年賀状を、インクが乾かないうちに重ねてしまった経験って、ないだろうか。年末の忙しい中に苦労して書いた年賀状が、インク汚れでまとめて台無し。これは時間がとてももったいない。

 

ところが「瞬筆」なら、新開発の速乾性インクが書いて1秒で乾くので、こんなトラブルから完全に解放されるわけだ。

 

本格的な毛筆タイプと、サインペン感覚で筆文字風の字が書ける小筆タイプがラインナップされているので、使いやすい方をどうぞ。

【商品情報】
パイロット
瞬筆 小筆タイプ(かため/やわらかめ)
各300円(税別)

縦書きと左利きに朗報!パイロット「瞬筆」は書いた途端に乾き手でこすってもにじまず汚れない
https://getnavi.jp/stationery/410918/

 

テープのり部門第1位……
「ピットエアー」(トンボ鉛筆)

今年発売されたテープのりで最も優秀だな、と感じたのは「ピットエアー」。トンボ鉛筆独自の“エアータッチシステム”を備え、スルスルーッと空気のように軽い手応えで貼り作業ができる、というものだ。

 

このエアータッチシステム、もともとは修正テープ用に開発された機構だが、筆者は個人的にテープのりへの転用を待っていたのだ。まさに待望の製品である。

↑エアータッチシステムで軽く引ける「ピットエアー」
↑エアータッチシステムで軽く引ける「ピットエアー」

 

手応えが軽いのに加えて、テープを巻き取るギアのうるさいカリカリ音がせず、さらに内部でテープが絡まるのも抑制できてトラブルフリー、といいこと尽くめ。テープの糊面に採用された新開発のパワーネットテープは、のり切れの良さと粘着力を兼ね備えており、これまた優秀。

 

いまテープのりを買うならこれ! と万人におすすめできるテープのりだ。

【商品情報】
トンボ鉛筆
ピットエアー(つめ替えタイプ)
400円(税別)

スルスル引けてキレがいい!ストレスフリーなトンボ鉛筆とプラスの最新「テープのり」https://getnavi.jp/stationery/391861/

 

デスクトップツール部門第1位……
「ALTNA ケーブルリール/ケーブルホルダー」(LIHIT LAB.)

机の上で、PC周りの配線系がやたらとゴチャついて困っている、という人は多いだろう(筆者ももちろんその一人)。特に、スマホ接続用ケーブルやミニUSBなど、端末をつなぐケーブルは散らかりがち。

 

そんな状況をすっきりクリアにしてくれるのが、「ALTNA ケーブルリール」と「同 ケーブルホルダー」である。

↑ケーブル周りが超スッキリ片付く「ALTNA ケーブルリール/ケーブルホルダー」
↑ケーブル周りが超スッキリ片付く「ALTNA ケーブルリール/ケーブルホルダー」

 

ケーブルを短く巻き取るケーブルリールは、そのほとんどがぽってり膨らんだドーナツ型で、置いておくとむしろ、邪魔になっていたほど。対してこの「ALTNA ケーブルリール」は、四角く・薄く・平たい形状+磁石内蔵で、複数のリールを積み重ねて配置できるのだ。

 

ケーブル先端に磁石内蔵のケーブルホルダーをつければ、接続端子もリールにくっつけておけて、さらにすっきり。机が快適になること間違いなしだ。

【商品情報】
LIHIT LAB.(リヒトラブ)
SMART FIT
ALTNA ケーブルリール<マグネット付>/ALTNA ケーブルホルダー<マグネット付>
850円/550円(税別)

机周りでケーブルが絡まってイラッ!スッキリまとめるリール&ホルダーは磁石内蔵が正解!
https://getnavi.jp/stationery/385511/

 

カッターナイフ部門第1位……
「ハイパーM厚型」(OLFA)

カッターナイフ、いくつお持ちだろうか? よほどの文房具マニアならともかく、だいたいの家庭には1本あるかないか、って感じではないだろうか。

 

で、どうせ1本しかないなら、何にでも使える万能性の高いカッターナイフ1本を置いておくべき。そこでおすすめなのが「ハイパーM厚型」である。

↑とにかく万能なカッターナイフ「ハイパーM厚型」
↑とにかく万能なカッターナイフ「ハイパーM厚型」

 

S刃(一般的なカッター刃)の小回りの良さ・L刃の頑丈な刃厚を兼ね備えたM厚刃を、プロユースのハイパーXボディに搭載。これ1本でコピー用紙から薄いベニヤ板まで、なんでも切れる万能カッターだ。

 

ハイパーXボディに付属する鉄の爪は、ダンボールオープナーになったり、ペンキ缶の蓋をこじ開けたりと、これまた万能。ご家庭に1本備えておきたい、やたらと使い勝手の良いカッターナイフである。

【商品情報】
OLFA
ハイパーM厚型
オープン価格

知っておきたい「カッター刃の規格」と間違いない万能カッター、オルファ「ハイパーM厚型」
https://getnavi.jp/stationery/361519/

 

メモ帳部門第1位……
「パッとメモ」(デザインフィル)

誰が考えたか知らないが、どうやらデザフィルには超絶天才がいるな……!と確信させられたのが、「パッとメモ」。

 

見た目はごく普通の地味なリングメモだが、一瞬で空きページが開ける、魔法のような機能を持っているのだ。その魔法機能の秘密は、ページの左側面をひとかたまりに糊付けした構造にある。

↑側面を糊づけすることで最新ページがパッと開ける「パッとメモ」
↑側面を糊づけすることで最新ページがパッと開ける「パッとメモ」

 

書き終わったページをめくる際に、その糊付けをペリッと破ることで書き込んだ1ページ目と、それ以降の未使用ページの塊が分離する。すると次回以降、確実に未使用ページの先頭から開ける、という仕組みなのだ。

 

急いでメモを取ろうとして、書けるページを探してペラペラ……あれ、気分的に焦るし、大事な部分をメモし損ねたりと、実害も大きい。そういったメモトラブルを大幅に減らせるのが、最高である。

【商品情報】
デザインフィル
パッとメモ
320円(税別)

ただのメモ帳と思いきや…白紙ページがパッと開いてイラつきなしの「パッとメモ」
https://getnavi.jp/stationery/358760/

 

ペンケース部門第1位……
「ネムミ」(サンスター文具)

ペンケース部門は、今年も相変わらず、自立してペンスタンドになる“立つペンケース”が数多く登場した。が、そんな中でひときわ目立っていたのが、“(人を)寝かせるペンケース”の「ネムミ」である。

 

会社や学校の昼休みに、机に突っ伏して昼寝するのは、重要な休憩タイムだろう。その昼寝をより快適に取るために、枕として使えるペンケースはどうですか? という提案がとにかく斬新すぎる。

↑昼寝用ペンケースという驚きの新発想「ネムミ」
↑昼寝用ペンケースという驚きの新発想「ネムミ」

 

わりと大きめサイズのペンケースだが、中身の約8割は枕用のクッション材。さらに、そのクッション材によって、綿入りの「もこふわタイプ」・マイクロビーズ入り「さらもちタイプ」・硬めのパイプ入り「ちょいカタタイプ」と、寝心地を3タイプから選べるのも嬉しい。

 

ベストバイ、と呼ぶにはイロモノ過ぎるかもだが、個人的に好きなのだ。

【商品情報】
サンスター文具
NEMUMI(ネムミ)
ちょいカタタイプ/さらもちタイプ/もこふわタイプ
各1480円(税別)

ペンケースを替えると快眠できるだと!? 収納力以外も高めてきたサンスター文具の最新ペンケース
https://getnavi.jp/stationery/433948/

 

以上10アイテム、2019年のベストバイアイテムをお届けした。あくまでも筆者の独断ではあるが、どれでも、気になるなら今すぐ買って間違いなし。文房具ライターとして自信を持っておすすめできるものばかりである(「ネムミ」はちょっと独断が過ぎた気も……)。

 

2020年もさらに便利な文房具を紹介していく予定なので、引き続きよろしくお願いします。良いお年を。