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2020/2/10 19:45

濃淡の組み合わせがキモ!コクヨ「マークタス」のチカチカしないマーカーは集中力まで高める!?

大人の疲れ目に優しい2トーンカラーマーカー

いきなり年寄りくさい話でお恥ずかしいが、40代も半ばを超えると、蛍光マーカーが目に痛いのである。

 

若い方には理解されないとは思うが、パッキリクッキリした色合いの蛍光色でマーキングされた書類を見ると、目がチカチカするし、あまつさえそれが何色もあれば、目頭を押さえつつ「もういいや……」と書類を投げ出してしまうほど。完全なる加齢による眼精疲労だ。

 

そう感じる文房具老人が増えたのか、最近はそういった眼精疲労をいたわるかのような淡さの“ソフトカラーマーカー”というジャンルも増えており、うれしい限りである。が、たとえ淡色でも、書類一枚に何色も使われると、やっぱり目に厳しいのは変わりない。もちろん、色で塗り分けてポイントを指示する必要性は理解できるのだが、それでも「もういいや……」と見るのを諦めてしまうようでは役に立たないだろう。(いや、見るのを諦めてしまう年寄りが悪いんだけど)

 

と思っていたら、コクヨからちょっと面白いタイプの蛍光マーカーが発売されるという(2月12日発売予定)。これをたまたま先行発売の機会にゲットすることができたので、試してみた。これが、思ったよりも目に助かるのである。

 

同色の濃淡塗り分けが、目に優しくて見やすい!

コクヨの蛍光マーカーといえば、ペン先チップがカブトムシのツノ先のように二股……ピンクとイエロー、のような2色に分かれた「ビートルティップ・デュアルカラー」が人気だ。

 

そのカブトムシ型チップを採用し、かつ目に優しい新型蛍光マーカーが、「mark+」(マークタス)である。

コクヨ
mark+(マークタス)
各150円(税別)

ピンク・ブルー・グリーン・イエロー・パープルの5色をラインナップ。2020年2月12日発売。

 

「ビートルティップ・デュアルカラー」は、2色の塗り分けがくるっと軸をひねるだけの一瞬で行える、というのがウリ。複数の色をマーキングに使う場合は、非常に効率的で使いやすい。

 

ただ、それは慢性眼精疲労に悩まされていない人が便利というだけで、筆者のように目がヨレヨレに疲れた文房具老人にとっては、そもそも「蛍光マーカーの複数色使い」自体がノー便利・ノーサンキューなのである。

 

とはいえ、1枚の書類の中に複数のチェック項目を設けたいケースだってあるのは分かる。そこで「mark+」が取ったのが、同色の目立たせカラー(濃)&控え目カラー(淡)という組み合わせである。

↑マーカーのチップ先端が、濃淡色に分かれた特殊な構造をしている
↑マーカーのチップ先端が、濃淡色に分かれた特殊な構造をしている

 

例えば蛍光ピンクならば、濃いピンク/淡いピンクが1本で使い分けられるわけで、濃色を「重要なチェック」、淡色を「そこそこ重要なチェック」のように重要度で塗り分けたり、「要点」と「確認事項」のように全く別の要件として塗り分けたりしてもいい。

 

つまりは同じ色でも、濃い/淡いでそれぞれ別のマークとして扱うことができる、というわけだ。これは、今までの2色タイプマーカーにはなかった、完全に新しい発想である。

↑mark+のカラー比較。写真では淡色がかすれて見えるが、実際はしっかり視認できるレベル
↑mark+のカラー比較。写真では淡色がかすれて見えるが、実際はしっかり視認できるレベル

 

疲れ目に蛍光マーカーがつらい理由のひとつに、マークしていないそもそもの文字と、マークした部分との、彩度の差がある。彩度の高いマーク部分が視界に飛び込んでくると、そちらの方に目の焦点が合ってしまい、文字が見えなくなってしまうのだ。さらにそれが複数色ともなると、もう「色がいっぱいある」ことしか判別できなくなってしまう。

 

ところが、同色濃淡の塗り分けを試してみると、「あれ? なんかすっごい目がラクだぞ?」と驚いた。どうやら、まず淡色の方で素の文字との彩度差に慣れができて、濃色の方も比較的見やすくなる、という感じらしい。

↑ピンク/黄の2色塗り分けは、色のある部分に視線が引きずられがち。一方、濃淡塗り分けは比較的すんなりとマークされていない文字も読める。もちろん目も疲れにくい
↑ピンク/黄の2色塗り分けは、色のある部分に視線が引きずられがち。一方、濃淡塗り分けは比較的すんなりとマークされていない文字も読める。もちろん目も疲れにくい

 

これは、目が疲れていない人でも享受できるメリットで、実際に使ってみると、ピンク/黄の2色よりも、ピンク濃/淡の2色の方が、紙面全体がスッと自然に見渡せるはずだ。

 

複数の色に目が釣られてあちこちに泳ぐことがないので、内容も頭に入りやすいのではないだろうか。また、書類そのものも色でゴチャゴチャせず、スッキリとまとまった印象に仕上がるのは大きなメリットだろう。

↑濃淡の区別がつきにくい黄色チップ。写真では上が淡色
↑濃淡の区別がつきにくい黄色チップ。写真では上が淡色

 

ただ、チップが同色濃淡ということで、照明の具合によっては、いま書こうとしているチップがどっちの色か分かりづらい、というのはデメリットかもしれない。特に黄色は、チップだけでは判断が付きづらく、使用前にしっかりと確認する必要がありそうだ。

↑慣れるまでは、紙に当てる角度によって線幅が狂いやすい
↑慣れるまでは、紙に当てる角度によって線幅が狂いやすい

 

あともうひとつ、これはビートルティップシリーズ全体の問題でもあるのだが、硬めのチップ先端が斜めにカットされているため、ベストな太さの線が引ける角度からわずかにでもズレてしまうと、やたらと細い線になってしまう場合がある。慣れるまではどうしても線の太さにバラつきが出がちだ。構造上難しいのは分かるが、もう少し弾力のある柔らかなチップになればいいのに、と使うたびに思ってしまう。

 

ちなみに太い線を引くコツは、紙に対してかなり立て気味に書くことで、その感覚をつかめれば問題ない。

 

何はともあれ、マーカー1本で濃淡の塗り分けができるのは、ユニークかつ便利なもの。疲れた目でも複数色の塗り分けが読みやすく、書類もスッキリ化できるとあれば、ひとまず使ってみる価値は高いだろう。個人的にかなりオススメの蛍光マーカーである。

 

 

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