文房具
2020/3/27 19:00

どれが切れる?どう使う? 最新ポータブルハサミ(ツイッギーポーチ/サクサポシェ/G-SLIM)を使い比べてみた

2020年発売の最新ペン型ハサミ3モデル

もはやハサミの1タイプとしてすっかり定着した感のある“ペン型ハサミ”。だが、その元祖ともいえるレイメイ藤井の「ペンカット」が発売されたのが2010年なので、製品として誕生してまだ10年、とかなり新しい文房具ジャンルなのだ。

出先でもどこでも、チョキチョキと簡単にものをカットできる手軽さは、ハサミを持ち歩くと重い、危ない、邪魔になる、というこれまでの概念を大きく覆すもの。いまだ人気の衰えない“立つペンケース”との相性の良さもあって、今後もユーザーは増えるはずだし、そうなるとメーカーだって次々と画期的な製品を作ってくるだろう。

 

ということで、まだまだペン型ハサミに注目しておきたいところである。

そこで今回は、2020年になって発売されたばかりの最新ペン型ハサミ3点を切り比べて、それぞれどう使いこなすのが良さそうか、チェックしてみた。どれもかなり個性的な製品なので、実際に文具店で購入する前に、機能を確認しておいてほしい。

 

1. 最新「ツイッギー」はコンパクトでも切れ味超安定!

最初に紹介するのは、プラスの「フィットカットカーブ ツイッギー ポーチサイズ」(以下 「ツイッギーポーチ」)だ。ペン型ハサミとして使いやすさに定評のある「フィットカットカーブ ツイッギー」シリーズの、コンパクト版である。

 

キャップを閉めた状態での長さは約104㎜。太さもペン型ハサミの中ではかなりスリムだ。

プラス
フィットカットカーブ ツイッギー ポーチサイズ
700円(税別)

ペンケースや化粧ポーチの隙間に放り込めるコンパクトサイズ。

 

使用する際は、キャップを外してからスライダを少し刃の方向へ押し出す。すると、安全ロックが解除され、バネ式の刃が開くタイプだ。ペン型ハサミ初期の「キャップを外すと勝手に刃が開く」という怖さがないのは、ハサミ慣れしていないユーザーにも親切だと思う。

↑刃先が丸いので、エチケット用途にも使いやすそうだ
↑刃先が丸いので、エチケット用途にも使いやすそうだ

 

刃は、切れ味の良さでお馴染みの「ベルヌーイカーブ刃」。“ベルヌーイカーブ”とは、対数螺旋の方式を取り入れたプラス「フィットカットカーブ」独自の刃の形状を指す。刃のどの部分でカットしても、2枚の刃の開く角度が同じになるよう刃先に向かってカーブしており、ずっと同じ切れ味をキープできるというものだ。

 

また、刃全体をフッ素コートで仕上げてあり、汚れが付きにくいのもいい。刃渡りは約30㎜とやや小さめだが、お菓子の袋を開けたり、衣服のほつれを切ったり……というような日常的な用途には、むしろ使いやすいぐらいではないだろうか。

 

2. スイーツみたいなかわいいロングハサミ「サクサポシェ」

コクヨ「サクサポシェ」は、筆者の知る限りではコクヨ初のペン型ハサミ(ちょっと意外)。全長は約108㎜と、今回の3点の中では「ツイッギーポーチ」に次ぐコンパクトさだ。

 

だが、なにより実サイズ以上に、曲線で構成された柔らかな見た目が印象的。かわいいだけでなく、手にエッジ部分の当たりがないことによる気持ちよさもポイントだ。

コクヨ
サクサポシェ
650円(税別)

ほぼ曲線だけで構成された、お菓子みたいなフォルムがかわいい。

 

刃は本体に内蔵されており、スライダをスススッと押し進めると露出して、最後にロックが外れバネで開く方式。出先で使うことを考えると、キャップレスというだけでかなり優秀だろう。

 

それにしても、スライダを押す距離がやけに長いな……と思ったが、出てきた刃も刃渡り約45㎜と、収納時のコンパクトさに比してかなり長め。

↑ここまでロングなハサミをキャップなしで携帯できるのはありがたい
↑ここまでロングなハサミをキャップなしで携帯できるのはありがたい

 

刃の先端まで力が入る「ハイブリッドアーチ刃」のおかげで、この刃長を端までしっかり使いきれるため、1カットで切れる長さもかなりのもの。例えば、A4書類を短方向に真っ二つにするにも、5ストローク+ちょっとで切り終わる。

 

また、刃の内側に段差を設けた「3Dグルーレス構造」で、マステなど粘着テープを切っても、刃がベタベタになりにくいのも嬉しい。

 

3. ハンドルが飛び出し、スパッと切断する「ジースリム」

最後は、クツワ「G-SLIM(ジースリム)」。全長は約150㎜と、今回紹介する中では飛び抜けて大きく見える。ただ、他の2点がコンパクトさを主な売りにしているのに対して、こちらは切れ味とギミックで勝負の製品である。

クツワ
G-SLIM
900円(税別)

ロックがしっかりしているので、携帯時はキャップなしでもさほど不安はない。こちらはペン型ハサミとしては珍しい手動開閉式だ。

使う際にはまず、本体中心のスライドを前に少し押し出す。すると刃の開閉ロックが解除されると同時に、バネでハンドルループがジャキッと一瞬で飛び出す仕掛けとなっている。あとはループに指を入れ、普通のハサミのようにチョキチョキと動かして切るわけだ。

↑飛び出したハンドルループに指を入れてチョキチョキ。ループはやや硬いめで安定感がある
↑飛び出したハンドルループに指を入れてチョキチョキ。ループはやや硬めで安定感がある

 

「包丁と同様に細かい研磨仕上げを施した」というノンレジスタンス刃はかなりシャープ。紙に切れ込む手応えの少なさは、確かに従来のペン型ハサミと比較してもトップレベルだろう。また、刃の位置を本体端にずらしてあるため、切り進めたときにハンドルが紙に当たりにくい、という工夫も良くできている。

 

ざっくりと新製品3点を紹介してみたが、気になるのはやはり、ハサミとしての性能ではないだろうか? そこで、3点を2つの条件下で切り比べてみた。

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