文房具
2020/9/11 17:15

ラベリングでタスク管理だと!? キングジムの新テプラ「MARK」が暮らしを助けるガジェット化

ちょっと前まではオフィスにしかなかったツールが、最近じわじわと家庭に進出しつつあるのをご存知だろうか? 本棚にあるファイルにラベルシールを貼るための、あの“ラベルライター”がいま、ホームユースとしてかなりの人気アイテムとなっているのだ。

 

なかでも、ラベルライターの代名詞ともなっている「テプラ」(キングジム)は、女性をターゲットにした「ガーリーテプラ」シリーズや、ローコストな感熱ラベルの「テプラLite」シリーズなど、かなり早くから家庭へ入り込むのを狙っていた感が高い。

 

実は家庭内には、ラベルを貼ると便利な場所というのが意外と多い。キッチンのスパイスラック然り。押し入れの衣服収納然り。趣味のコレクション整理にもマストだし、子どもの持ち物に貼る大量のお名前シールだって、テプラがあれば手間がグッと減らせる。

 

要するに、ラベルライターがあれば生活のクオリティ爆上げ、が期待できるのだ。

 

そこで「じゃあウチでも導入してみるか」となった場合だが、まず検討してみてほしいのが、2020年10月に発売されるテプラ最新機種である。

 

「MARK」は“ご家庭テプラ”のベストチョイス!

10月1日発売のテプラPRO「SR-MK1 MARK」(以下、MARK)は、Bluetooth接続のみのコンパクト&シンプルなテプラである。

 

従来にもBluetoothでスマホと接続可能なテプラ「SR5500P」があったが、この「MARK」はUSB接続なども省いた、PROシリーズ初のスマホ専用機ということになる。

キングジム
ラベルプリンター「テプラ」PRO
SR-MK1「MARK」
1万5000円(税別)

 

デザインは「ボールサインノック」や「オピニ使い分けボールペン」など文房具も数多く手がけているプロダクトデザイナー、柴田文江氏によるもの。

 

オフィス用のルックスではないのはもちろん、従来の「ガーリーテプラ」シリーズのファニー過ぎる“女性だけを狙いました感”もない。いかにも家庭にあるべき、生活用ツールという佇まいである。これなら、リビングやキッチンなど、自宅のどこにあっても違和感はなさそうだ。

↑電池は本体底部に。別売りのACアダプタでも給電は可能だ

 

駆動は基本的に単3形乾電池6本。先にも述べた通り、接続はBluetoothのみなので、完全ワイヤレスでどこでも場所を選ばず使うことができる仕様だ。

 

この辺りの手軽さは、同じく“ご家庭用テプラ”として人気の「テプラLite LR30」でも体感したが、ラベルを作ろう! と考えてから実際に貼り終わるまでのスピード感に直結しているように思う。家庭用は絶対に完全ワイヤレスがラクだ。

キングジムの“スマホ「テプラ」”と専用テープをレビュー!アプリでサクサク操作でき片付けがはかどる
https://getnavi.jp/stationery/443239/

 

ただ、「テプラLite LR30」と大きく違うのが、「MARK」はテプラPROシリーズであるということ。つまり、感熱シールではなく、すでに膨大なラインナップがある既存のPROテープカートリッジを使うことができるわけ。

↑対応カートリッジはテープ幅4mm~24mm。リボンやアイロン転写など、特殊な物にももちろん対応している

 

また、Liteの感熱シールはコストが安くて導入しやすいが、印字が約1年ほどしかもたないというのが大きなデメリット。長く掲示しておきたいラベルには、やはりPROテープを使うのが正解だ。

↑ひと目見て分かる通り、キーボードもなにもない。ラベル作成から印刷設定まで、すべてを専用アプリで行う

 

「MARK」でもうひとつ気になるのは、熱転写用のサーマルヘッドだ。写真やイラストなどを美しくプリントするために、シリーズ最上位機種と同等の高解像度360dpiヘッドを搭載しているのである。これまでのラベルのイラストといえば、ドットが目立つ荒いもの……というイメージが強かったが、それらとは確実に一線を画すクオリティでの出力が可能となっている。

 

画像は、アプリ側からjpg、pngが出力できるので、例えば家族やペットの写真、店舗のロゴマークなど、いろいろなものをラベルにインサートして使えるのだ。

 

それ以外の性能(印字速度やカット機能)は同価格帯の普及機とほぼ変わらないので、逆に「よくぞ高精細ヘッドを搭載してくれた」という感じではある。

↑特別に同じデータを360dpiと180dpiのサーマルヘッドで出力したもの。当たり前だけど、その差は歴然

 

ただ、欠点……というほどでもないのかもしれないが、Bluetooth接続で少し疑問に思う部分はあった。スマホ本体側の設定でBluetoothのペアリングを行ったあと、さらにアプリ側からも印刷前に接続ボタンを押す必要があるのだ。

 

なぜそんな手間が必要なのかはよく分からないが、とにかく毎回これは面倒だ。キングジム製品は無線をつかむのがイマイチ下手……というのはもはや負の伝統とも言えるのだが、もしかしたらそのあたりを確実に解消するための仕様かもしれない。実際、このダブル接続の成果なのか、今のところラベル作成中に接続が勝手に切れたりといったトラブルは体験していない(従来機はたまにあって、イライラしたのだ)。

 

画期的なインターフェース「Hello」アプリ

これまで、テプラをスマホから印字する場合は「TEPRA LINK」というアプリを使用していたが、「MARK」ではインターフェースとして専用アプリ「Hello」(Android/iOS)のみを使用する。その結果、ラベル作成の流れがこれまでとまったく違ったものになっている。

 

正直に言うと、むしろ本体よりもこの「Hello」が、今回の新テプラ最大のキモと言っていいだろう。

↑「Hello」と「TEPRA LINK」の画面。これが同じ製品シリーズのインターフェースとは、信じられない

 

「Hello」を起動してまず現れるのは、「TEPRA LINK」のような文字入力画面ではなく、キッチン/リビング/お名前付け/洗面・バス……といった、シーンごとに分けてズラズラっと並べたInstagram風のオシャレな写真。これはラベルテンプレートのカタログ画面で、写真は「このラベルを貼るとこんな感じになるよ」というイメージ画像なのである。

 

つまり、写真を見て「あー、調味料入れにはこのラベルを使えばおしゃれになるのか」と想像できるし、気になったものを選んで印字すれば、そのまま実際に自分の暮らしに取り入れられるというわけだ。

 

テプラを買ったはいいけど、どう使ったらいいか分からないとか、期待していたほどおしゃれにラベルが作れない……なんてがっかりしたり宝の持ち腐れとなってしまうのを、これなら解消できるはず。

↑ローンチ時点でのテンプレート数は200種以上。さらに今後も増えていくという

 

写真を選択すると、テンプレートの拡大画像とおすすめの用途、おすすめのテープ幅が表示される。ここで作成ボタンを押すと、いよいよ文字入力へと進むのだが、その前にもうひとつ、作成モードの選択がある。

 

モードは「クイック作成」「一括作成」「こだわり作成」の3つ(テンプレートによっては選べないものもある)。クイック作成はラベルのメイン文字だけを書き換えるもので、非常に簡単。初心者はまずこれだけで充分に使えるだろう。

↑一括作成モードは、同じテンプレートのラベルをまとめて出力可能。今までになかった機能だが、これは便利!

 

「一括作成」は、例えば調味料ラベルであれば、同じフレームで中の表記だけ砂糖・塩・小麦粉などと書き換えたものを、一括してプリントアウトできるモード。見た目の揃ったラベルがまとめて作れるので、これはすごくありがたい。

 

最後の「こだわり作成」は従来テプラの入力に近く、テンプレート内のフレームやフォント、文字サイズなども自由に加工できるようになっている。

↑次々と出力されるラベル。印字速度は、最近の上位機種で慣れた身としては「ちょっとのんびりしてるな」と感じる程度

 

各モードで文字を入力したら、あとは印字ボタンを押すだけ。「MARK」から出力→オートカットされて、ラベルの出来上がりだ。

 

一応、テンプレートにはそれぞれおすすめのテープ幅があるのだが、印字時には現在本体内にセットされているテープ幅を検知して、サイズが違った場合は「そのまま出力するか」を確認してくれる。そのままでOKした場合は、セットされたテープ幅に合わせて拡大・縮小も自動で行ってくれる親切設計である。コレ、意外と重要な機能だ。

↑調味料ラックがオシャレかつ分かりやすくなって嬉しい(たまに小麦粉と片栗粉を間違えてたから)
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