注目すべき新機能「タイムラベル」とは?
もうひとつ、「Hello」の重要な新機能が「タイムラベル」機能。これは、出力したラベルに日時や曜日を紐付けし、設定したタイミングでスマホにアラーム表示を出すことができるというものだ。(現状、試用中のベータ版では曜日設定は不可だが、ローンチまでには対応するという)
例えば、ゴミ箱に貼る「可燃ごみ」ラベルに「毎週火曜・金曜」、「びん・缶・ペットボトル」ラベルに「毎週水曜」を設定することで、それぞれの曜日になるとアプリから通知が来て教えてくれるという仕組み。これなら、ラベル自体に「可燃ゴミ=毎週火・金」のように余分な情報を入れなくても済むので、見栄えがゴチャつかずスッキリだ。
SNSでもよく話題になる「テプラのラベルをベタベタ貼るとダサい」問題を解決するひとつのアイデアとして、これはなかなか面白い。情報を周知するのには向かないが、備忘ラベルとして役立つだろう。
結論。「MARK」+「Hello」はテプラの歴史を変えるかも!
さて、実際に使ってみた感想としては、とにかくアプリ「Hello」の斬新さが際立っている。「MARK」がスマホ専用ということで、インターフェースはこのアプリのみ。つまり「Hello」の使い勝手がそのまま「MARK」の評価につながるわけで、当然ながらキングジム側もかなり練り込んできたな、という印象は受けた。
なによりラベルは多彩なテンプレートから作る前提なので、いきなり文字の編集に入れる「TEPRA LINK」とは挙動も発想も全くの別物だ。その点では、以前からテプラを使っているユーザーには受け入れづらい部分も多いかもしれない。筆者も最初に触れたときはかなりギョッとしたし。
逆に、本機から初めてテプラを使う人にとっては、カタログ形式で作りたいラベルを選べるのはとても簡単だし、親切な設計だと思う。
というか、アプリ上でおしゃれな写真を見ながら「このラベル作ってみたい!」「これも貼ると便利かも!」など考えるのが、とても楽しいのである。テプラを作るのにワクワクするって、そんな体験、今までにしたことがない。
テプラをホームユースで広めるためには、これは間違いなく大正解なやり方だろう。もしかしたら、「Hello」の登場は、長いテプラの歴史の中でもかなり重要なターニングポイントになるんじゃないだろうか。
そんな「Hello」が提唱するテープの楽しみを受けて出力できる能力を持つのが「MARK」というわけで、この組み合わせはかなりすごいぞ。家庭でラベリングをやってみたい、興味があるというなら、間違いなく導入すべき逸品だ。なにより、発売から30年を超えるロングセラーシリーズの歴史が変わる瞬間に立ち会うチャンスなんて、そうそうあるものでもないだろう。
「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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