文房具
2020/10/8 19:00

カオスなカバンにはこれ一つあればいい! キングジム「フラッティワークス」は“絶妙”を体現するバッグインバッグ

カバンの中がカオス……という人は多いが、バッグインバッグを利用している人は意外なほど少ない。というより、そもそも“バッグインバッグ”という概念を知らない人すらいるのだ。

 

筆者も文房具ライターという仕事柄、「カバンの中が整理できなくて、必要なモノをすぐに取り出せない。なにかいい解決法はないか?」という質問をたまにもらうのだが、「バッグインバッグ使ってます?」と問い返すと、きょとんとされてしまうのだ。

 

だいたいが普段使いしているカバンというのは、あれこれ放り込めるようなサイズなのだが、だからといってそのまま野放図に放り込んでいたら、収集がつかなくなるのが当然。PCのデータを管理する場合だって、大量のファイルをそのまま一つのフォルダにしまわず、フォルダ内フォルダに分類して格納しているはず。ならば、カバンの中に小さなカバンを入れて整理収納すれば便利なのは、自明の理だろう。

 

とはいえ、バッグインバッグというのもなかなか奥深い世界で、どれがベストと言い切るのは難しい。だって、カバンの形や内寸もいろいろ、身についた使い方もいろいろ。これひとつあれば万人が快適、なんて製品があるはずはない。

 

そこで今回は、ひとまずバッグインバッグ初心者向けに、とりあえずこれを使っておけば快適! というものを紹介しよう。

 

帆布製の封筒型「フラッティワークス」はオールマイティに便利

カバンの収納で困りがちなのが、手帳やモバイルバッテリーなど、さほど厚みのないもの。多少ごちゃついたカバンの中にもスルッと入ってしまうが、取り出す時は探さないとなかなか出てこない。

 

なので、まずは厚みのないものをしっかり整理収納するのがポイント。そこで便利なのが、封筒型のシンプルなバッグインバッグなのだ。

キングジム
フラッティワークス A5ヨコ
1800円(税別)

 

↑メインのカバンの中で迷子になられると困る、というものをひとまとめに収納できる

 

キングジムから2020年6月に発売された「フラッティワークス」は、薄いケースをフラップで閉じるタイプの、まさに封筒型のベーシックなもの。もともとは、同型でPVC製の「フラッティ」シリーズが2017年に発売され人気となっていたが、今回はその上位版として帆布製の「ワークス」が仲間入り、という流れだ。

 

サイズ展開は、カードサイズ・A6・A5(タテ/ヨコ)・A4(タテ/ヨコ)の6タイプ。バッグインバッグは、あまり小さいようだとカバンの中で紛れて役に立たないので、個人的にはA5かA4がオススメである。普段使っているノートや手帳が入るものとして考えれば、サイズ選びに迷うことはまずないだろう。

↑筆者はノートや手帳などのサイズをA5で統一しているので、当然のようにA5版をチョイス。タテ/ヨコは使うカバンのタイプによって選べばOKだ。(リュックならタテが使いやすい)

 

シリーズ最大のポイントは、表面の透明ポケット。収納したものが外から見えるので、中に何が入っているかザックリ分かるし、中をゴソゴソ探るときも、光が入って明るいので探しやすい。

↑中に入れたものがほぼ素通しで見える透明ポケット。中身を取り出す際の“迷うことのなさ”は素晴らしい

 

さらには、収納したスマホを透明ポケットの上から操作できる(多少、操作性は落ちるが)というのも、けっこう便利。メールやLINEくらいなら取り出さずに対応可能で、これは使ってみるとなかなか快適である。

↑バッグに入れたままでスマホの地図が確認できたりも。移動中にスマホを出し入れするのは面倒くさいので助かる

 

ではなぜ、同じ透明ポケットを搭載しているのに上位版の「ワークス」がオススメなのか? というと、それはもう単純に収納力の問題である。

 

まずマチの厚みだが、同じA5サイズで比較すると「フラッティ」のマチ約20mmに対して「ワークス」は約35mm。厚みが15mm変われば収納力はそもそも大きく変わるし、なにより、入るモノ自体が違ってくる。例えばMacBookの電源アダプターは厚みが約28mmだが、「ワークス」ならこれぐらいすんなりと飲み込んでしまう。つまり、バッグインバッグとしての利便性に差が出るわけだ。

↑厚みのある電源アダプタも、マチにちょっと余裕を残して収納できる

 

内部は、間に内ポケット付きの仕切り板を挟んだ2室構造となっている。ごちゃっとした小物は見通しの良い前(透明ポケット)側のポケット、薄い紙モノなどは後ろ側のポケット、と使い分けると整理しやすいだろう。

 

仕切り板の内ポケットもよく考えられていて、バッグ全体の底部よりもやや浅めに作られている。収納したものが沈みすぎず、絶妙に取り出しやすいのだ。薄いバッグインバッグは指を入れてかき回すのも一苦労なので、そのあたりは非常によく考えられた仕様だと思う。

↑内ポケットはわざと浅い作り(赤の点線部分)になっている。ポケットの底まで指が届きやすいので、出し入れがラクだ。細かい気遣いだなぁ、と感心した

 

↑裏側にもポケットを供える。封筒や半折りにしたA4書類などを一時的にキープする

 

開閉はマグネットホックなので、フラップをただめくれば開いて、降ろせば閉まるというシンプルさ。いちいちボタンを閉めたりゴムをかけたりという手間がないのはありがたい。

 

バッグインバッグはカバンの中で開け閉めすることが多く、そこでなにか開閉に操作が必要なのは単純に使いづらい。かといってフタなしでは中身がこぼれ出る心配もあるし、これくらいシンプルな構造がちょうどいい。こういう点が、バッグインバッグ初心者に最適な使いやすさ・面倒のなさというわけだ。

 

↑フラップをかぶせるだけで、パチンと固定できるマグネットホック。磁力はさほど強くはないが、これで充分というレベル

 

もちろん、バッグインバッグとしてだけでなく、単体で携行できるサブバッグとしても実用的。帆布の手触りや質感もいい。どのような形で使っても役立たないシーンがない、と言えるほどなので、ぜひ使い倒してみてほしい。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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