文房具
2020/11/16 19:15

通販に必須の傑作オープナーが刷新!「ダンボールカッター」の地味だけどジワジワ効いてくる改善点とは

ライターなどという“自宅引きこもり系”の仕事をしていると、忙しいほど外へ出る機会が失われる。結果、なにが起きるかというと、通販のダンボールがやたらと届くのである。

 

なにしろ買い物にも出られないのだから、欲しいものは通販で手に入れるしかないし、これまで紹介している文房具も、ほぼ通販で買っているし。問題なのは、妻も自宅仕事の自営業者ということ。つまり、届く荷物が単純に2倍になるのだ。

 

そして、荷物が大量に届くことで、筆者宅は「開梱用オープナーのテストフィールド」と化している。とにかく日夜いろいろなツールで片っ端から梱包を切り開いているのだ。

 

そうやって選りすぐられたもののなかで、現時点で一線級として活躍しているのが、オルファの「カイコーン」と、デザインフィルの「ダンボールカッター」の2点。どちらも機能的かつ汎用性があり、家庭用オープナーとしてはとても優秀である。

 

2点とも、すでにこの連載で紹介したものだが、実はその「ダンボールカッター」がこの秋にリニューアルしたという。すでに相当に便利なオープナーではあるが、それがリニューアルしたとなると、どう変わったのか気になるぞ。

【2018年モデル】スッと切れるが中身は無傷! 通販ラヴァー喝采の「カッター」があったー!
https://getnavi.jp/stationery/279206/

 

新「ダンボールカッター」は前モデルの不満点をスパッと解消!

ということで早速入手したのが、デザインフィルがプロダクトブランド、ミドリから発売する「ダンボールカッター」である。リニューアルなので名称は変わらず、今後は店頭でも順次新しい方に切り替わっていくはずだ。

 

本体をカパッと開いて、中にある小さなセラミック刃で梱包テープの合わせ目を切る、という基本的な機能は変わらない(ので、使い方の詳細は前回の記事を参照して欲しい)。まあ、ちょっと大きめのコインみたいな形をしている、というパッと見の印象も一緒だ。

ミドリ(デザインフィル
ダンボールカッター
980円(税別)

 

↑刃をダンボールの合わせ目に挿し込んで切り開くと、簡単に開梱完了。ハサミやカッターより使いやすいし、安全性も高い

 

いや、よく見ると新モデル(2020年版)には「表面のシボ加工が無くなった」「外周全体に凹凸のモールド追加」という変更点はあるようだ。

 

そして実は、この2つの外見変更は、リニューアルされた最大のポイントに端的につながっているのだ。その最大のポイントというのが、ズバリ、開けやすくなった! というところ。

↑リニューアルによる外見の変更点。表面のシボの有無と、側面の凹凸だけで、見た目的にはあまり変わった感は無いが……

 

この「ダンボールカッター」は、コイン型のボディをパカッと割り開くことで、中からセラミック製の開梱刃が露出する……のだが、実は前モデル(2018年版)は、この開閉が少々固くてやりづらいことが、数少ない難点のひとつだったのだ。

 

この固さは、保安上のチャイルドロックとして機能していたようなのだが、グッと指に力を入れて開けるためには、表面のシボ加工(=滑り止め)が必須だったというわけ。

↑内蔵スプリングの弾力で、軽い力でも開くように。これは使いやすさの大幅アップポイントだ

 

対して新モデルでは、開閉機構にスプリングを内蔵。開けていくと最初は少し抵抗があるが、90度近くまで開くと、今度は弾力でスイッと自動で開くようになったのだ。ちょっと開いたぐらいでは、逆にスプリングの弾力で閉じてしまうので、これもある種のチャイルドロックになるのだろう。

 

もちろん前モデルだって、慣れれば別になんてことはなく開閉できるが、それでも軽くスイッと開ける方が、気軽に使えるに決まっている。その際は表面をつまむのではなく、外周に新造された凹凸モールドに指をかけることで、片手で開くことも可能だ。うーん、これはめっちゃラク!

↑少し慣れれば片手でもこの通り。前モデルでは考えられなかったラクさ

 

この簡単オープンだけでもリニューアルとしては充分すぎるぐらいだが、実はまだ改善ポイントはある。

 

「ダンボールカッター」はボディに磁石を内蔵しており、冷蔵庫ドアなど金属面にペタッと貼っておけるのだが、前モデルはコイン型の裏面にしか磁石が効いていなかった。そのため、貼る際はいちいち裏表を確認する必要があり、それがもうひとつ難点に思えていたのである。

 

しかし、新モデルは磁石を大型化して磁力アップ。表裏どちらでも気にせず金属面に貼ることができるようになった。それによって、貼る収納が簡単になった→使用後、元の位置に戻しやすい→紛失の確率が減らせる、ということになる。改善はささやかながら、運用上では確実に扱いやすくなったわけ。

↑裏表を確認せずにホイッと金属面に貼れるのもラク。これだけでも買い替える価値があると思う

 

もうひとつ、セラミック刃も左右対称の形状にリニューアル。もし刃が欠けるなどした場合は、カバーを外して刃を反転させることで、新しい刃として再利用が可能になった。

 

正直、この刃はかなり頑丈かつ小さいので、よほど無茶な使い方をしないかぎり欠けたり割れたりすることなんてないだろうと思っていたのだが、もしかすると実際に刃を欠けさせたユーザーからの要望があったのかもしれない。

 

ただ、万が一のときにすぐ新しい刃が手に入ると思えば損はないが(さらに替え刃も別売り化)、個人的には交換可能な構造にしたことで刃のガタツキが大きくなったのは、いささか惜しい気もする。

↑ネジの固定をひとつ外せば、このように刃が取り出せる。左右対称形なので、裏返してハメなおせば新しい刃として使えるのだ

 

ともあれ、実用性の高いツールにあったわずかな不満点が、リニューアルでスパッとまとめて解消されたのは素晴らしいことだ。デザインフィル、これはお見事!

 

我が家では、開梱する場所に合わせて3個(自室・リビング・玄関前)の「ダンボールカッター」を運用していたのだが、もうすべて新モデルに交換決定である。また、前モデルを悩んでまだ買っていなかった人に対しては、あらためて新モデルを猛プッシュしておきたい。通販を使う機会が多いなら、持っていて絶対に損はしないから。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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