文房具
2021/8/24 19:45

開閉の仕組みと分割構造が画期的! 透明で中身を探しやすい「ペンケース」の注目作2モデルをレビュー

これまでにも、自立型やら分割収納やら、さまざまな流行があったペンケース。ここ一年ほどで特に注目が高まっているのが“透明”なタイプだ。

 

ファッション業界においても、近年はPVC(ポリ塩化ビニル)素材の透明バッグが大流行しており、その流れで透明ペンケース(クリアペンケースとも言われる)も人気に……というのが、まず一つの要因だろう。

 

もちろん、Instagramなどでノートやペンが写り込んだ画像を載せる中高生(いわゆる“勉強垢”)の間でも、透明ペンケースの人気は高い。ただ写真を撮るだけでペンケースの中身が丸ごと見えるので、視覚情報が増える。端的に言えば“映える”わけだ。

 

さらには、そういった流行の話でなくても、透明ペンケースには利点がある。先にも述べた通り中身が丸見えだから、必要なペンなどを取り出す際に見つけるのがラクなのだ。閲覧性・視認性の高さはペンケースの機能でも重要なポイントであり、つまりは透明というだけで充分に有利というわけ。

 

そこで今回は、人気の透明ペンケースの中でも特に「これいいぞ」というものを紹介したい。

 

 

透明+分割収納=おしゃれで高機能なペンケース

そんな方程式が成立するのが、キングジムが2021年6月から展開を始めた「CHEERS!(チアーズ)」。ポップなカラーと透明感をテーマにしたステーショナリーシリーズだ。

 

初見では、同社既存のルーズリーフファイル「テフレーヌ」やバッグインバッグ「フラッティ」のポップカラーバージョン、というだけかな? と思っていたのだが、あらためて確認すると、全くの新顔である透明ペンケース「チアーズ ツインペンケース」がラインナップされていた。

 

で、これが触ってみると、なかなか面白い作りになっていたのだ。

キングジム
チアーズ ツインペンケース
1250円(税別)

 

完全クリアとクリアカラーの細長い直方体2つが組み合わせられた、ソフトなボックスタイプ。ただ不思議なことに、外からでは、ファスナーやスナップといった開け口が見つからないのである。

 

ではどうやって中身を出し入れするのか? というと、クリアとカラーのボックスを継ぎ目から割るようにパカリと開くと、それぞれの開け口が露出するという仕組みだ。

↑ペンケースを開けるときは、まずそれぞれのボックスを両手でつかむ

 

↑するとパカッと割れて、カラー側のボックスが開く。接続はマグネット式なので、開閉自体は簡単だ

 

クリアのボックスはファスナー、カラーのボックスは素通しの開口という形式。つまり、クリア側の本体自体が、カラー側のフタを兼ねているというわけだ。

 

カバンの中で勝手に開いてしまう可能性を考えると、ファスナーのついたクリア側に消しゴムやシャープペンシルの芯といった小物を、カラー側に筆記具を、という分け方が安心だろう。当然ながら、分けて収納することで、中がゴチャつかず出し入れがしやすくなる、というメリットもある。

↑一般的なサイズのペンケースが2つ合体しているわけで、容量的にはかなりゆとりがある

 

見た目のおしゃれさと、こういった「今のペンケースに求められている機能性」を上手く共存させているあたりは、なかなか感心させられた。

 

ただ、カラー側の開口がさほど大きくないので、筆者のように指が太めの人には筆記具の出し入れが少しやりづらいように思う。これはおそらく、手指のゴツいおっさんは最初からターゲットじゃないよ、ということなのかもしれない。

↑閲覧性が良くても、手の大きい人には出し入れがしづらい開口。これは少々残念なポイントだ

 

それでも、透明ならではの閲覧性の高さ+分割収納の機能性は優秀。夏っぽいルックスも含めて、いま買うべきペンケースと言えるだろう。

 

さて、この透明ペンケースのメリットをほどよく取り入れたペンケースが、同社にはある。

透明バッグインバッグ「フラッティワークス」にペンケースタイプ登場

とは言っても、PVCのチープなツルツル感ってどうも子どもっぽくて持ちづらいな……と感じる人はいるだろう。透明ペンケースの優位性は理解できても、自分に似合うかどうかや好みの問題もあるので、導入にハードルが高いというのも理解できる。

 

それなら、もうちょっと落ち着いた雰囲気で使える透明ペンケースはどう? ということでオススメするのが、同じくキングジムの「フラッティワークス ペンケース」だ。

キングジム
フラッティワークス ペンケース
スタンダードサイズ
1100円(税別)

 

こちらは、以前にもこの連載で紹介したバッグインバッグ「フラッティワークス」のペンケース版に当たる。

【関連記事】カオスなカバンにはこれ一つあればいい! キングジム「フラッティワークス」は“絶妙”を体現するバッグインバッグ
https://getnavi.jp/stationery/535720/

 

全体は厚手のしっかりした帆布製で、前面のみがPVCの透明窓という構成なので、チープな印象はほとんど感じられないのではないだろうか。それでいて、大きな透明窓によって、透明ペンケースのメリットである閲覧性は充分にあるわけで、良いとこ取りと言える構成だ。

↑透明窓は前面だけだが、これでも中は充分に視認できる

 

↑マチ幅は約35mmで、中身が入っている状態なら自立も可能

 

パッと見では薄くて容量が足りないような気がするかもしれないが、底面のマチが約35mmもあるため、意外としっかり入る。ボールペンやカラーペンなら10本程度は問題なく飲み込むし、さらに奥側には定規やハサミなどが入るワイドポケットも備えている。よほどゴチャゴチャと持ち歩かない限りは、これで必要充分と言えるんじゃないだろうか。

↑ささやかながら小物の整理ができる内ポケットを備える

 

↑本体裏側にもポケットが。名刺やカード類の一時保管に使えそうだ

 

マグネットスナップ留めのフラップを開くと大きく開口するので、閲覧性の良さと合わせて、中身の取り出しやすさも問題なし。

 

透明ペンケースの閲覧性は魅力的だが、あのツルツルした感じはちょっと……という人には、これが最適解だと思う。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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