カラフルすぎる73色の方眼ノート
紙色の次は、罫線の色について考えてみよう。5mm方眼の色は、何色がいいんだろうか?
基本的には、罫線といえば薄い青やグレーがお馴染みだ。うっすらして筆跡の邪魔にならず、かといって書くガイドにならないほど視認性が悪いのも困る。そういった部分でノートを選ぶ人もいるだろう。
しかし、それはだいたい彩度の高低だけの話で、罫線色そのもの(色相)にこだわったことって、あまりないのでは。
kaku souvenir
73色の風景を包んだノート
1760円
紙色は白・淡クリーム・ホワイトクリームの3タイプがある。
kaku souvenirの「73色の風景を包んだノート」は、その名の通り73色の方眼罫を印刷した特殊なノートだ。めくっていくと、用紙1枚ごとに違うカラーで印刷された方眼が現れる。それも、蛍光色や金・銀・銅色あり、もはや無地なのでは? ってぐらい視認できない薄い色ありで、かなり驚かされる。
ちなみに色のタイプは、
1. マンセル表色系
色相・明度・彩度に基づくマンセル表色系の基本5色相(赤・黄・緑・青・紫)をベースに20色
2. 蛍光色
蛍光グリーン・オレンジ・イエロー・ピンクの4色
3. プロセスカラー
色の3原色(シアン・マゼンタ・イエロー)+黒×極薄・薄・標準の3種で12色
4. ゴールド・シルバー・ブロンズ
金・銀・銅の3色
5. 適正8色
ノート罫線として適正と思われる8色×薄濃3種で24色
6. 黒と白
黒にシアン・マゼンタ・イエローを混ぜた深みのある黒を、配合を変えて9色+黒い紙に白罫線1色
……で、合計73色という構成になっている。
蛍光色ははなから罫線向きではないのは分かるし、視認できない極薄罫線が役に立たないことだって、おそらく見るまでもないだろう。
そこへ予想外に、暗めの紫色やオリーブドラブの罫線、使いやすいかも! みたいな発見もちょくちょくあったりするから、油断がならない。色に関しては好みの問題も大きいが、その自分の好みを確認するためにも、使ってみると楽しいのだ。
また、色によって「累日の睡蓮」や「傲慢なるマジェンタ」「純真無垢な好奇心」といったリリカルな色名が付けられているのもユニーク。ちなみに蛍光オレンジの色名は「24.5561の電磁」。24.5561Kはネオンの温度定点だな、というように、色名の元ネタをいちいち探っていくのも面白い。
先にも述べたとおり、用紙1枚ごとに罫線色が違うので、もし気に入った罫線があったとしても、それをずっと使い続けることはできない。そういう意味で、このノートに「グリーンノート」のような実用性はないと言える。あくまでもさまざまな色の罫線を試して楽しむだけの、ファンツールとして捉えるのが正解だろう。
しかし、できればこの73色罫線から気に入った色を1つ選んでノートが作れたらいいなー、とも思うのだ。(個人的には「深雪に恋息吹」色で1冊作りたい。)「73色の風景を包んだノート」が罫線の色見本として使えるようになれば、より楽しめるんじゃないだろうか。
「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/