文房具
2021/9/29 19:30

緑色の中紙に、73色の罫線!? このノート、キワモノと思いきや意外と使い道があった

ノートを選ぶとき、大抵の人は「判型」と「罫線」で検討するのではないだろうか。そして、それ以外のことは、まず考えないような気がする。

 

もちろん、それが間違いだという話ではない。判型と罫線のタイプを自分の用途に合わせて選ぶのであれば、それで必要充分に役には立つはずだし。(逆に、そこを考えずにノートを選ぶなとも思う)

 

実のところ、ノートを選ぶのにもうひとつ、考えてみてもいい要素というのがあるのだ。それが「色」。

 

ただし「色」といっても、表紙の色のことではない。例えば、用紙の色は白でいいのか? とか、罫線の色はグレーでいいのか? とか、そういう部分である。今回は、それらの色が違うことで何が変わってくるのかを、実際の製品を見ながら考えてみよう。

 

“緑色のノート”で筆記ストレスが軽減!?

まずは、用紙の色について。そもそも紙と言えば白、というイメージは強い。ではなぜ白なのか? と言えば、鉛筆などのカーボンブラックと対極にある色なので、書いた文字や線が最もくっきり見えるから、というのが大きな理由だろう。

 

ただ、白というのは光が乱反射して見えている色である。つまり目への入射光量が大きいわけで、端的に言えば「白=まぶしい」のである。夏の日差しを思い出してもらえば分かると思うが、まぶしすぎる光は、目の疲れに直結する。

 

それなら紙は白くなくてもいいんじゃないか、ということで提案したいのが、緑色の用紙を採用したアックスコーポレーションの「グリーンノート」だ。

アックスコーポレーション
グリーンノート(無線綴じタイプ)
ドット入り罫5mm方眼
各170円(税別

 

↑ノートは白いもの、という固定概念を打ち破る緑色の紙面。罫線は黄緑色で印刷されている

 

人間の目は、だいたい380~780nm(ナノメートル)の波長範囲の光を見ることができる。いわゆる可視光という領域だ。

 

その中でももっとも見やすいのが、波長507~555nm。色でいうと、明るい緑や黄緑色にあたる。これが人間の目にもっとも負担の少ない色というわけ。

 

長々と面倒くさい話をしたけれど、要するに「緑色は目に優しい」とだけ理解してもらえればOKだ。

 

↑目に負担が少ないため、長時間筆記でも疲労感が少なめ。勉強用には効果がありそうだ

 

「グリーンノート」は、白い用紙と比較して光の反射を14%カット、と謳っている(メーカー公称値)。この14%がどれほどの数値かは、体感で推し量るしかない。

 

しかし実際に30分ほど筆記していると、確かに目の疲労は少ない。というより、集中力が途切れず長続きするような気がする。実は正直なところ、それほどの期待はしていなかったのだが……予想していた以上に、効果があると感じられた。

 

↑グリーンノートと従来の白いノートの見え方比較

 

↑筆記具による見え方の差。肉眼だと、鉛筆はややぼんやりして見えた

 

筆跡の見え方については、上の通り。もちろん白い用紙に書いた場合ほどパッキリとするわけではないが、それでも見づらさを感じるほどではない。この高すぎず低すぎずの適度なコントラストも、目に優しいのだ。

 

ただ、鉛筆・シャープペンシルの薄い芯(~HBぐらい)だと、中高年の目にはうっすらして見えるので、逆に目が疲れるかもしれない。なので、筆記具は自分の読みやすさに合わせたものを選んだ方が良さそうだ。

 

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