【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】
文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第22回となる今回は?
第22話
ぺんてる
プラマン
200円(税別)
「細い棒状のプラスチック」と、それを覆う「やじり型のプラスチック」が合わさった、唯一無二のペン先の水性ペン。ペン先の角度によって筆跡が細くも太くもなり、ペンと同じ気軽さで万年筆のような情感のある線が書ける。
たまには“正しい文字のかたち”から逃げるのもイイ
ペンの良し悪しを評価するときに、「このペンは上手い字が書ける」と褒めるときがあります。しかし一体、この「上手い字が書ける」とは具体的にどういうことなのでしょうか?
例えば、普段からトメ・ハネ・ハライを意識している人は、それらが表現できるペンを「美しい字が書ける」と思うでしょう。クセ字の人なら、均一の線が描けるペンを「整った字が書ける」と気に入るかもしれません。つまり人にはそれぞれの“上手い字像”があり、逆に言えば自分の「上手く書けなさ」とどう折り合いをつけるのか、その至らなさを少しでも補うために、この世には様々なペンが存在していると言ってもいいでしょう。どうやら「上手く書けるペン」とは個人的なもののようなのです。
そしてこの「上手く書けなさ」の要因を大別すると、「“正しい文字のかたち”は知っているが、それを上手く再現できない人」と、「そもそも“正しい文字のかたち”が自分の中に入っていない人」とに分かれるでしょうか。
しかし、ここには逃げ道もあります。例えばぺんてるの水性ペン「プラマン」は、ペンの角度を寝かせたり立てたりすることで、自在に線に緩急を付けられます。インク吐出量も多く、まるでデフォルメされた万年筆のような大味な線は、「正しいかたち」から逃げるのにうってつけ。いつものペンに窮屈さを感じたとき、ぜひ手に取ってみてください。意外な風通しの良さを感じることができます。
【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー
【第1話~第20話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第21話】何にでも書ける無敵の油性ペン!「ガテン無敵マーカーPRO」はインパクト抜群のハードな1本
https://getnavi.jp/stationery/740277/