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筆記用具
2022/5/11 18:45

「どうせいいんでしょ?」を超えてきた! 極細ボールペン「ジュースアップ」3色タイプが欠点ナシの超進化形だった

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第20回となる今回は?

 

第20話

パイロット
ジュースアップ3
500円(税別)

滑らかに細書きできるゲルインキボールペン「ジュースアップ」の3色タイプ。先端部分に金属を使用した低重心設計とラバーグリップで、しっかり握れて安定した筆記を実現している。手帳のペン挿しにも収まりやすい、細身ボディだ。

 

5年の歳月を経て現役最強モデルは完成形に至った

現役最強の極細ゲルインクボールペン、パイロットの「ジュースアップ」。とにかくペン先のシナジーチップが優秀で、激細らしい「引っかき感」(こう書くと悪いように聞こえますが、激細ペンにはむしろ必要なものだと思っています)を残しつつ、インクフローは潤沢で滑らか。そんな唯一無二の書き味に加え、スクエアでミニマルな飽きの来ないデザイン。これは今後末永く愛されるペンになるだろうと、2016年の発売当時から予想していたものです。

 

ゆえに、2021年暮れに多色タイプが発売されたときには、「そりゃどうせいいんでしょ?」とタカをくくってスルーしておりました。迂闊でした。実は最近、立ち寄った文具店でたまたま試し書きをして、衝撃を受けたのです。「これ、ジュースアップの完成形じゃん!」と。

 

まず唸ったのは軸の仕様。特に3色モデルは単色モデルとほぼ変わらぬ太さで、重さも単色モデル11.6gに対して3色モデルは12.2gとその違いはわずか。さらに単色モデルでは押し込んだときにカチャカチャと揺れていたノックパーツが、こちらではしっかり固定され、筆記感が引き締まってより快適になりました。つまりジュースアップの魅力はそのままに、欠点を補い、しかも多色へと進化したのです。発売から5年経ち、ようやく発売となったその歳月の重みにちゃんと気付いておくべきでした。

 

繰り返します。これが現役最強のジュースアップの、進化形にして完成形なのです。

 

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