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2016/12/12 16:00

“字が汚い族”の頼もしい味方! 年賀状シーズンを乗り切る「筆ペン」3選

我々のような“字が汚い族”にとってイヤな季節がやってきた。年賀状シーズンの到来である。

 

そもそも、なんだ筆ペンって。この時期にしか登場しないくせに「俺を使うのが大人ってもんだろ」みたいな顔して文具店に並びやがって。先端が柔らかくてふねふねとして定まらず、書き辛いことこのうえない。……とはいえ、やはり年賀状には筆がよく似合う。いくら苦手だからといっても、ここはできれば社会人として、できるだけキレイな筆文字を書きたいところではある。

 

じゃあ、字が汚い族でも美文字が書ける筆ペンとはどういうものか。細かい条件はいくつもあるが、まず最も大事なのは筆先が硬い、もしくはコシが強いこと。筆というのは毛先の柔らかさによって、あのいかにもな筆描線が書けるわけだが、慣れないと手に力が入りすぎてコントロールしにくい。

 

そこで便利なのが、筆(先端が毛)ではなく樹脂製で弾力のあるチップを使い、筆っぽい文字が書ける筆風ペンなのだ。ということで今回は、字が汚い族でもちょっと小マシな字が書ける、悪筆用の筆風ペンをいくつかチョイスしてみた。実際にどれくらい筆に近いのか、筆者の個人的主観による採点(100点満点)とともにご覧いただきたい。

 

筆っぽさは薄いが書きやすさ抜群「筆まかせ」

⇒筆っぽさ…60点

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パイロット 筆まかせ 極細 216円

筆タッチの字が書ける筆風ペンはいくつか発売されているが、個人的なオススメはパイロット「筆まかせ」だ。ラインナップは「細字」と「極細」があるが、年賀状に良いのは応用のきく「極細」。年賀状に筆ペンを使う場合、宛名書きと、印刷またはプリントアウトした図柄にちょっと添え書きするのが主だろう。「極細」ならこの両方を一本でこなせるのがありがたい。

 

↑細くて硬いチップは、カリカリしつつもコシのある書き応え
↑細くて硬いチップは、カリカリしつつもコシのある書き応え

 

筆まかせの先端はかなり硬めのチップになっているため、ほぼ日常的なボールペン感覚で書けてかつ、チップの弾力により勝手に筆っぽい文字になる。とくに小さい文字をちまちま書き込むときは、このチップの硬さが本当に使いやすい。

↑年賀状の隅っこへの添え書きもなんのその
↑年賀状の隅っこへの添え書きもなんのその

 

これなら、筆ペンに苦手意識を持っている人でも、さほど気にせず文字を書くことができるだろう。インク流量も充分で、線がかすれたりということもほとんどない。慣れるとこの独特の筆記感が楽しくなってくるので、ボールペン代わりに筆箱に一本常備しておくのも面白そうだ。

 

コシしっかりの筆サインペン「筆文字サインペン 細字/中字」

筆っぽさ…70点

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ぺんてる 筆文字サインペン 細字/中字 各162円

見た目はまったく普通のサインペンだが、先端はコシのある樹脂製チップ。このチップ、力を入れて紙に押しつけると先端でなく根本からグイッとしなる感じなので、線の強弱を意識的につけやすいのがポイントだ。

 

↑樹脂チップは細字も中字もともにコシが強く、思うように線が引きやすい
↑樹脂チップは細字も中字もともにコシが強く、思うように線が引きやすい

 

先述の「筆まかせ」よりもチップが柔らかめなので“トメ・ハネ・ハライ”の効いた、いわゆる筆文字感のある文字は書きやすい。くわえて、柔らかすぎず程よい弾力もあるので、サインペン感覚でザッザッと雑に書いても線のコントロールはしやすい。

↑適当に線を引くだけで強弱メリハリのついた線になる
↑適当に線を引くだけで強弱メリハリのついた線になる

 

こちらはラインナップに中字もあるので、宛名書きは中字、添え書きは細字(極細もあるので、この辺は好みで)と使い分ける方が良いだろう。

 

書きやすくて、でもかなり筆ペンっぽい「ふで和み 中字」

⇒筆っぽさ…90点

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セーラー万年筆 ふで和み 中字 162円

「筆まかせ」や「筆文字サインペン」でも宛名ぐらいなら充分に筆文字は書けるのだが、ハガキに「謹賀新年」ぐらいの大きい文字を書きたい場合、ちゃんとした筆ペンを使わないとちょっと物足りない。そこで、きちんとした筆感のある文字が書けて、かつ慣れていなくても書きやすい筆風ペンとしてオススメなのが「ふで和み 中字」だ。

 

↑ハネやハライもチップのコシだけで簡単に表現できる
↑ハネやハライもチップのコシだけで簡単に表現できる

 

「美人すぎる書道家」として最近人気の書家・涼 風花さん監修による美文字筆ペン。樹脂製のチップを使っているので、もちろん正しくは筆ペンではないのだが、程よい柔らかさがありつつ全体的にバネの利いた弾力のあるチップは、書きやすさと筆っぽさをいいバランスで両立させているように感じる。

 ↑程よく柔らかく、コシのあるチップ。グリップが細く絞られているのもgood!
↑程よく柔らかく、コシのあるチップ。グリップが細く絞られているのもgood!

 

筆風ペンをうまく使いこなすコツは、手に力を入れすぎず、そっと握ること。「ふで和み」はグリップが絞ったように細くなっているため、自然と柔らかい握りになり筆圧をかけ辛い。この辺りにも美文字効果が含まれていそうだ。