ずいぶんと昔の話だが、新社会人の頃に先輩から「紙資料をチェックするときは必ず付箋を使うように」と、教えられた記憶がある。注意点の書き込みや訂正を入れたページにペタペタと貼っていくだけで、後から見返す際の効率がずいぶんと違ってくるし、全体的なチェック量のボリュームを可視化できるので、作業の進行度を掴みやすいからだ。
ここで意外と重要なのが「付箋をどこに置いて作業するのか」と、いうこと。紙面に目を走らせては付箋を貼る、という単純作業の繰り返しになりがちなので、できるだけ紙面から近い場所に付箋が配置しておくと作業しやすいのである。さらに言えば、紙資料に付箋を合体させてしまえたら最高というわけ。
ガバッと挟んで付箋を一体化
まさにその用途で使いやすいと感じたのが、カンミ堂から11月に発売された「ミニクリップ ココフセン」。プラスチック製ピンチクリップのボディにスリムサイズの付箋2色がセットされたもので、このクリップで書類束や書籍に挟んでセットすれば、簡単に紙面と付箋が一体化できる、という仕組みだ。
カンミ堂
ミニクリップ ココフセン
440円(税別)
6色展開
そもそもカンミ堂には、マネークリップっぽい薄型の金属クリップに付箋をセットした「クリップ ココフセン」という製品があり、筆者も書類チェックや資料の読み込み時には欠かせないアイテムとして重宝してきた。今回の紹介するミニクリップ ココフセンは、その派生系というか、より運用の幅を広くしたような製品という印象である。
使うときは、本体を書類や書籍のページへ洗濯ばさみのようには挟みつければ準備OK。あとは、ケースから出ている付箋の端をつまんで引き出すだけ。1枚取り出すと自動で次の1枚が顔を出すポップアップ方式なので、モタつかずに次々と引き出せて使いやすい。
コンパクトなミニS付箋なので、大量に貼り付けても場所が埋まりにくいのもありがたい。また、薄いフィルム素材で、貼った書籍や書類全体が分厚くなりにくいのもポイントだ。一般的な紙製の25×75mm付箋だと、すぐに貼る場所がなくなるほどミチミチに詰まってしまうし、ぼってりと厚みも出てしまう。マーキングをするなら今のところ、このココフセンシリーズが最適だろう。
洗濯ばさみ方式ならではの “付け外し” しやすさが高評価
先に述べた通り、「ココフセン」+「クリップ」という組み合わせには、金属クリップのクリップココフセンという先行製品(しかもかなりの人気アイテムだ)が存在する。そこになぜ似たような「ココフセン」+「クリップ」であるミニクリップ ココフセンが加わったのか? 端的に言うと、両者は「挟む」という機能は似ていても、運用思想が全然違うのである。
クリップココフセンの金属クリップはコピー用紙数枚ほどの厚みに挟み付けるためのもので、逆に言うと、それ以外の場所に装着するのは難しい。なので、例えば手帳や参考書の表紙など “ちょうどいい場所” にいったん取り付けてしまったら、それ以降はあまり付け外しする気になりにくい。
対して、ミニクリップ ココフセンのピンチクリップは、バネで簡単に付け外しができて、挟める厚みの対応幅も広い。最大開口が約20mmあるので、紙束でも書籍でも、カバンのポケットでもお菓子の袋でも、だいたいなんでもパチッと挟むことが可能。つまりクリップココフセンのように、同じ場所に装着しっぱなしでなく「必要な時に必要な場所に装着して付箋を使う」運用に向いているというわけ。
もし、書類に挟むと重みで邪魔になると感じるなら、手近なペンケースの端に挟んでおくという方法でもよいのだ。さらに、机の上に付箋を置く場所がないときは、シャツの袖口に挟んで使用するのも便利だ。
どこにでも、何にでも挟めるというのは、使ってみると思った以上に気楽だし、さらには「どこに挟むとより快適になるか?」を考えてみたくなったりもする。とはいえ、手帳などには「クリップココフセン」の常時装着が便利なのも間違いないので、そのあたりはうまく使い分けて、ぜひ自分なりのベストな作業環境を作り上げていってほしい。