文房具
2023/8/6 11:15

これぞ無限付箋! 油性ボールペンで書いて消せるシリコンパッド「wemoパッドタイプver.2」の使い心地は?

文房具ファンであれば、「wemo(ウェモ)」というブランド名に聞き覚えがあるかもしれない。2017年にコスモテックから発売された初代wemoは、腕に巻き付けるシリコンゴムのバンドで、油性ボールペンでメモ書きができるというもの。いわゆる “ウェアラブルメモ” =装着するメモ帳で、ペンの筆跡は消しゴムでこすると消せて、何度でも書き消しが可能、というアイテムだ。

 

このwemoシリーズには、スマホケースタイプやIDカードホルダータイプなど、さまざまなラインアップがあるが、なかでも使いやすさに定評があるのはパッドタイプだろう。シンプルな四角いシリコン板で、裏面の弱粘着の吸着シートを使えば、ノートPCのタッチパッド横やスマホの裏側に貼っておけるメモとなる。ワンタイムパスワードのような一過性の情報をサッと書き留めておくのに、これがなかなか重宝するのだ。

↑ノートパソコンに手書きメモを増設できる「wemo パッドタイプ」(以下、先代と呼ぶ)

 

このパッドタイプにver.2が登場した。もともと充分に便利なアイテムだったと思うが、そこからどう新しくなったのか? どう使いやすくなっているのか?  確認してみた。

 

何度でも書き消しできる “無限付箋”

2023年7月26日に発売されたコスモテック「wemo パッドタイプver.2」は、正方形のシリコン板表面に特殊なコーティングを施すことで、油性ボールペンで書いても繰り返し書き消しが可能。いわゆる “無限メモ” と呼ばれるジャンルの製品だ。サイズは75×75mmで、一般的な正方形の付箋と同じ大きさだ。

コスモテック
wemo パッドタイプver.2
各900円(税別)
全3色展開

 

色合いもまさに馴染みのある薄パステルカラーで、間違いなく付箋をイメージして作られたのだろうな、ということが見て取れる。表面に油性ボールペンで書くと、わりとサラッとした書き味で紙に書いたのと同様の筆跡が残る。そして、書き留めた情報が不要になったら、消しゴムでゴシゴシとこすれば、筆跡はキレイに消せる。この辺りは従来と変わらず、不満のない使い心地だ。

↑油性ボールペン(後述)で表面に書き込む。かなりツルツルしているので、ボールがすべらないようゆっくり書くのがポイント

 

↑書いたメモが不要になったら、消しゴムで普通にゴシゴシときれいに消すことができる

 

「wemo パッドタイプver.2」を使ってみて、ひとつ気が付いたのが、パッドを手に乗せたときの感触の違いだ。先代はかなりソフトでふにゃふにゃしているのに対して、ver.2は明らかにしっかりとしている。これはシリコン強度を上げた結果のようだ。手のひらに乗せても充分な張りがあるため、圧倒的に書き込みしやすくなったように感じられた。

↑ver.2(左)と先代(右)をつまんで水平に持ち上げる。ver.2は適度な硬さとコシがあるのに対して、先代は自重で曲がるほど柔らかい

 

ただし、wemoは基本的にどこかに貼り付けた状態で筆記するので、パッドのコシが取り沙汰される確率は低いのだが……それでも適度な硬さがあった方が使いやすい、ということに変わりはない。また、モニター側面の端などに貼り付けて使う場合も、本体が柔らかいと自重でふにゃっと曲がってしまい、メモした情報が見づらくなる。やはりコシがあった方が使いやすいといえよう。

 

視認性については、本体のカラーにも注目したい。先にもカラーについて述べたが、先代のラインアップは暗めのカラーが多く、黒インクでの筆跡は視認しづらいなと感じることがあった。その点、ver.2の明るいパステルカラーの方が、文字もはっきりと読み取りやすいのは間違いない。

↑カラーも重要な進化ポイント。ver.2(左)はグッと明るい色になったため、書き込みの視認性もアップしている

 

また、これはwemoシリーズ全てにおいて言えることだが、ジェットストリームなどの低粘度油性インクを使うと、書いてしばらく時間の経った筆跡はきれいに消せず、うっすら跡が残ることがある。公式によると、ゼブラ「ジムノック」やパイロット「スーパーグリップG」などのいわゆるレガシーな油性インク(ボール径0.7mm以上)が適正とされているので、使用の際には念頭に置いておきたい。

↑筆記は油性ボールペンで行うが、ジェットストリームなどの低粘度油性インクは跡が残るため使用NGとなっている

 

↑筆記1時間後に消してみた図。よく見ると左側(低粘度油性インク)はうっすらと跡残りしている

 

粘着具合もいい感じに進化している

公式のリリース情報によると「ver.2は弱粘着性になっており、簡単に貼り剥がしできるようになった」とある。例えば、先代は紙に貼れない(剥がす際に紙表が剥離してしまう)とされていたが、ver.2では「紙や革などに貼った場合、剥がす際に表面を破損または傷める可能性がありますのでご注意ください」という注意書き程度で収まっている。つまり、注意すれば使えないこともないわけだ。

↑裏面の粘着は何度でも貼り剥がし可能

 

↑紙面に貼っても紙を傷めることなく剥がせるので、使用シーンの幅も増えそうだ

 

とはいえ実際に貼り比べてみると、さほど粘着力が違うという感じも受けなかった。せいぜい、ちょっと弱くなってる気がするかな? ぐらいだ。ただし、これに関しては、筆者が試したのは発売前バージョンであり、製品版ではさらに粘着力が弱まっているとのこと。そもそも先代のときから「粘着が強すぎて困る」と感じたことはなかったので、変わらず程よい粘着具合がある、ということでいいんじゃないだろうか。ちなみに、埃や皮脂などで粘着力が極端に劣化した場合は、粘着面を水洗いをして乾かせば復元可能だ。

↑十分に付箋の代用として使えそうな使い勝手。何度でも書き消し・貼り剥がし可能なのも嬉しい

 

実際に試してみた見解としては、ver.2は「付箋代わりに充分に使えそう」ということ。先代は、ノートPCなどに貼り付けて「パッド型メモ」として使用することが大前提なのに対して、ver.2はより幅広いシーンで付箋の “無限に書き消しできるバージョン” として気軽に運用できそうだ。SDGsの観点からも無駄がないわけだし、筆者もしばらくは情報掲示用付箋として使い倒してみようと考えている。