例えば社内の会議室でミーティングがあったとして、そこにあれこれ荷物を抱えて移動するのは面倒くさいもの。できるだけ身軽な状態でサッと行けた方が良いのは当然だろう。
叶うならば “手帳ひとつ持っただけ” ぐらいが理想なのだが、ペンケースやスマホはどうしても必要だし、それならアレも、コレも……などと考えてるうちに、バッグをまるごと抱えて移動していたりする。
結局のところ「持ち歩く容量はここまで!」ときちんと決めない限り、どうしても荷物は増えてしまう。だから、例えば社内移動用に小さめなミーティングバッグを導入して、ここから溢れるものはもう持ち歩かない、と自分でルール決めしてしまうのが有効だったりする。よりミニマム化を検討するなら、手帳にプラスオンできる収納ポーチが面白そうだ。これならまさに “手帳ひとつ持っただけ” の軽快スタイルが実現できるのではないだろうか。
手帳に着せる “腹巻き” みたいな収納ポーチ
デザインフィルから発売された「手帳のはらまき」は、その名の通り、手帳にかぶせるニットの腹巻きみたいな収納ポーチだ。素材としては、ニットの産地として知られる新潟県五泉市の五泉ニットを使用。厚みは春秋用ニット靴下ぐらい、と言えば伝わるだろうか。ぼってりと厚いわけではないが、伸縮性がありつつもしっかり丈夫そうな手触りだ。
デザインフィル
手帳のはらまき
2600円(税別)
4色展開
ラインナップは、単色でソフトな雰囲気のケーブル編みと、ツートーンでシンプルなリブ編みの各2色で全4色展開。編みのタイプで機能は変わらなそうなので、ここは単純に好みで選んで良さそう。愛用の手帳(対応サイズはA6〜B6)に着せてあげると、お腹の冷えない暖かそうなルックスになって、めちゃくちゃかわいい。正直、この見た目だけでも欲しくなってる人は多いのではないだろうか。
使い方はいたってシンプル。手帳のはらまきをスポッとかぶせることによって、手帳が勝手に開かないよう、ブックバンドとして機能する。もちろん、スナップやゴムベルトだけのブックバンドと違って、いちいち脱ぎ着させてやらねばならず、作業としては少々面倒くさい。しかし、バンドより腹巻きのほうが絶対にかわいいので、そこは許してほしい。とはいえ、PVCの透明カバーで角が尖っている手帳だと、脱ぎ着させる際にどうしても引っかかりを感じてしまう。これを何度も繰り返すと、ニットだけに擦り切れる可能性はどうしてもありそうなので、そこは注意したい。
ポーチとしての収納力は意外とたっぷり
さて、この手帳のはらまきは、フタのようになっている折り返し部分をめくり上げると、ポケットが現れる。ここを収納に使うことで、ポーチとして機能するというわけだ。ポケットは、表側が細/広の2分割、裏側が分割無しの全面収納になっている。ペン類なら細いポケットが安定するし、サブ手帳やスマホは広い全面ポケットがちょうどいいサイズだ。
ニットなのでかなり伸縮性があり、思った以上に収納力もある印象。完全ワイヤレスイヤホンのケースなど、ころんと厚みのあるものでも余裕で収納できた。フタを被せれば手帳を逆さにしても簡単には中身が落ちないので、そのまま持ち歩く場合もなかなかの安心感があった。
ただし、できれば入れない方が良さそうなのが、ノック式のボールペンとシャープペンシルである。
ノック式ボールペンはフタをかぶせた上から圧が掛かることでノックが押されてしまい、気付かぬ間にペン先が出てポケット底がインクまみれ……というトラブルが発生する可能性が高い。シャープペンシルはガイドパイプがニットをあっさり突き破るので、ポケット底にダメージを与えるし、なによりこのケースだとうっかり手に刺さる危険性もある。
なので、ノック式のペンを入れる場合は、上から押されにくいサイドノックの多色/多機能ペンの方が相性が良さそうだ。
話を聞いていると「使うのちょっと面倒そう……」と、感じてしまう人もいるかもしれない。正直なところ、もろ手を挙げて万全に便利! というタイプの製品でないのは確かなのだが……しかし、手帳に着せたときのかわいさを一度目にしてしまうと、ただ使いにくいというだけでは否定できない魅力もあるのだ。愛用の手帳がニットの腹巻きをしているところを想像してみたら、ほら、やっぱり最高にかわいくない!?
さらに、温もりのある手触りなのも嬉しいところ。手にした時にひんやりしないというのは、寒い季節には特にありがたみが増すというもの。冬本番を迎えて、思わず肩をすくめてしまう寒さが続くなか、見た目も手触りも暖かな手帳のはらまきは、今シーズンイチ推しの手帳オプションと言えそうだ。