文房具
2024/1/17 19:00

現時点で最強ビジネスリュック!?降ろして即仕事を開始できる「移動文房」がまさに“移動する書斎”だった

筆者もそうだが、日常の移動にビジネスリュックを使う人は多いだろう。昔と比べてノートPCやガジェット類など、持ち運ぶモノの重量が大幅に増え、“手提げのビジネスバッグ”では対応できなくなった、というのが大きな理由のひとつ。スマホを使うのに両手を空けておきたいからリュックを選ぶというケースもあるらしい。

 

とはいえリュックにはデメリットもある。とっさに中身を取り出しづらかったり、荷室が深すぎて整理しづらかったり……というのは、リュックユーザーなら誰しも感じたことがあるはずだ。入っていたはずの物が見つからず、リュックの口を大きく開けてゴソゴソとかき回すというのは、あまりカッコいい姿とは言いがたい。バッグインバッグや増設ポケットなどでアクセス性を改善するのも手段のひとつだが、それならいっそ根本的に、欲しいものがすぐ取り出せるリュックに切り替えてみる、というのも手ではないだろうか?

 

背負って持ち運べる“書斎リュック”

ビジネスリュックを肩から降ろして一番に取り出すものといえば、ノートPCが挙げられる。次いで、ケーブル類やマウス、モバイルバッテリーといった小物類だろう。つまり仕事に使うツールを取り出す機会が圧倒的に多いのだから、それらの取り出しに特化したリュックこそが便利である、と考えられる。

 

そこで、これまでに数多くの文房具を生み出してきた“文具王”こと高畑正幸氏が考案したのが、「肩から降ろしてすぐ仕事が始められるリュック」こと「移動文房」である。“文房” というのは中国語で仕事部屋や書斎を指す。つまり、書斎の作業環境を丸ごと背負って移動できるから、移動文房というわけだ。

SUPER CLASSIC
移動文房
2万7000円(税別)

 

フォルムはリュックとしてはかなり薄型で、ビジネスリュックとしてもコンパクトな部類と言える。当然ながら容量も少なめだが、その分、整理収納に関してはかなり思い切った方法を取っている。その最大のポイントとなるのが、面ファスナーで留まった上面フラップをめくると現れるコンテナ型のガジェットケースだ。

↑サイズは約40×32×12cm。電車移動もあまり気にならないスリムさだ

 

ダブルファスナーを引いてフタを開けると、ACアダプタやケーブル、マウス、モバイルバテリー、名刺ケース、アイウェアなどが入るケースになっている。さらに面ファスナーによる可動式の仕切り板で内側の整頓も可能だ。ひとまず日常的に使うツールは、だいたいここにまとめておけばOK。必要なときにケースごとドンと机の上に取り出せば、ツール類をゴソゴソ探す手間はもう必要なさそうだ。

↑上面フラップをめくれば最速でアクセスできるガジェットケース

 

↑ガジェットケースは深さ10cm。これだけあればだいたいのガジェットは収納できるだろう

 

↑作業に必要なツールがあっという間に取り出せる仕組みは、快適そのもの

 

ちなみにノートPCの収納スペースは、上面フラップを開けた背中側のスリットにある。リュックを降ろした状態から、ノートPCとガジェットケースを取り出すのには30秒もあれば充分。つまり、それだけの時間で仕事環境がだいたい整ってしまうというというわけ。この効率の良さは、外出先での作業も多い筆者にとってとてもありがたい。

↑背中側に配置されたノートPC用のスペース。16インチサイズまで収納できる

 

ノートPCとガジェット類以外は、前面のファスナーフラップからアクセスできるメイン荷室に収納することになる。この荷室はガジェットケースの直下に位置しており、A4ファイルを横に倒したぐらいのサイズ感。容量はかなりコンパクトなので、個人的にはやや物足りなく感じたが、フラップがガバッと大きく開くため内部の見通しは非常に良い

↑前面フラップの裏側にはメッシュポケット付き。消毒用アルコールスプレーやポケットティッシュなど、取り出す頻度の高い物をいれておくと便利だ

 

また、メイン荷室自体が硬い芯材で囲われた構造のため、自重でクタッと型崩れを起こさず、中身の出し入れがしやすいのもポイント。この構造のおかげで、リュックが自立するので、狭いスペースに立てて置くことができるのも使いやすかった。

 

ビジネスリュックとしての基本性能も充実

容量少なめということで、長距離移動や一泊程度の出張の場合は、キャリーケースと組み合わせて使うことになるだろう。そういうときは、背面のベルトにキャリーのハンドルを通せば、簡単に固定ができて移動がラクになる。持ち運び時のちょっとしたコツとしては、ショルダーストラップを表側にめくり返して固定すると見た目にもスマートだ。

↑最近のビジネスリュックにはマストな装備といえるハンドル通しベルト

 

↑肩ストラップを裏返して固定しておけば、カートを引く手元でブラブラしない

 

もうひとつ、ユニークな装備として、両側面にある深めのサイドポケットにも触れておきたい。普段はスナップボタンと面ファスナーで口を絞られているが、スナップを外すと一気にマチが広がる特殊な構造になっている。どれぐらいの広マチかというと、1Lサイズのペットボトルがすっぽりと収まり、3段の折り畳み傘も余裕で収納可能。加えて、ポケット上部には面ファスナーのベルトがあり、傘の柄や小型三脚のようにポケットから突き出すほど長いものは、このベルトで縛って固定できる。これなら、移動時にポケットから抜け落ちるような心配も無しだ。

↑普段はマチのないサイドポケットが、開放することでペットボトルや折りたたみ傘を収納できる超広マチに変形

 

このリュックを2か月ほど試用しているが、ノートPCを広げて仕事に戻るまでのスピード感には、未だに驚かされるほどだ。特に、リュックにガジェットケース専用の設置場所があることで、出し入れの効率が大きく違うことを実感している。気の効いたサイドポケットの装備があることで、仕事以外での使い勝手もとても快適。いろいろなビジネスリュックを使ってきたが、この移動文房は今のところ考えられる最強リュックのひとつかもしれない。