文房具
2024/12/1 19:45

袋の開封をスムーズ化!プロ仕様の専用ツール「パッケル」の侮れない快適機能を解説

日常生活におけるイライラのひとつに、「自分の思った通りに食品パッケージが開かないこと」があるだろう。そもそも食品のフィルムパックやレトルトパウチ、袋菓子などを開けようと思うのは、空腹もしくはそれに近いときが多いはず。そのようなときに限って、例の「どこからでも開けられます」に騙され、切り込みからの開き口が大きくズレて、つまんで引っぱったところからフィルムがびよーんと伸びる。イライラが募って当然だ。

↑切り口からまっすぐ切ったつもりが、こんなことに……

 

もちろんハサミを使えば簡単。だがハサミよりも簡単に使えて、一瞬でパッケージの開封ができる専用ツールがあれば便利じゃないだろうか。

 

食品工場のカッターは、台所でも便利だった

そんなニッチな専用ツールがあるのか? と問われれば、もちろんある。一般的に「パックカッター」などと呼ばれており、例えば「和菓子工場であんこの5kg袋を開けて機械に投入する」といった場合に活躍するツールだ。

 

このパックカッターが、カッターナイフでお馴染みのOLFA(オルファ)からあらためて製品として発売されているので紹介しよう。

OLFA(オルファ)
パッケル
オープン価格(
実勢価格390程度・税別)

 

小型のトングのような形状の「パッケル」は、構造も使い方も非常にシンプル。パッケージの切りたい辺りを軽く挟み込み、そのまま横方向にスーッとスライドさせる。以上。これでパッケージがきれいに切り開かれて、開封完了である。

 

作業にかかる時間は、挟むのに1秒、スライドして切るのに1秒。さすが専用ツールだけあって効率の良さは圧倒的だ。

↑レトルトなどのパッケージをトング状のボディで挟んで、横に軽くスライドさせる

 

↑スパッときれいに開封完了

 

仕組みは、トングの内側に高さ2mmほどの高硬度ステンレス刃がついており、これを突き刺して切るという流れ。説明することもないほどのシンプルさである。

↑先端に備わった三角形のステンレス刃

 

使う際のコツは、まずトングで強く挟まないこと。フワッと押さえるぐらいの軽い力加減でないと、刃の先端がフィルムを大きく突き抜けてしまい、逆に切りにくくなってしまうのだ。

 

↑ハサミでは柔らかすぎて切りづらいポリ袋も簡単にカット。切れ味はとても優秀だ

 

↑指置きにある><マークは、刃の位置を示すガイドとなっている

 

もうひとつ、開封時はパッケージの端ギリギリを狙わないこと。端から数mm~1cmほど内側に入った辺りから挟んで切ることで、切り端をパッケージから切り離さずに残すのがポイントなのだ。これによって切り端が食品の中に落ちて混ざってしまう、いわゆる異物混入トラブルを防ぐことができるというわけで、食品工場などでは必ずそうするように指導されるのだとか。

 

当たり前ながら自宅でも異物混入は起きないほうがいいし、パッケージを捨てるときも、切り端がついたままの方が手間が少ないというわけ。

↑端を完全に切り落とさないことで異物混入を予防し、ゴミ捨てもしやすい

 

↑本体後端の穴は、S字フックにかけたり、ストラップで吊すなどの保管に役立つ

 

↑汚れは水洗いでオフ。あとは水気をしっかり拭いておこう

 

汁跳ねなどで汚れた場合は、そのまま水をかけて洗えばOK。ただし刃の固定に接着剤を使用しているようなので、高温となる食洗機は使わない方が安全かもしれない。また、刃の切れ味を長持ちさせたいのであれば、紙類を切るのも避けた方がいいだろう。

 

紙の繊維はフィルムよりもはるかに硬いので、高硬度ステンレス刃とはいえ、切り続けるとどうしても鈍ってしまう。替え刃交換不可の使い捨てタイプなので、できるだけ長持ちさせるように使うことをオススメしたい。

豆腐のパックがスムーズに開けられるパックカッター

ちなみに我が家では、「パッケル」より前から専用のパックカッターを使用していたので、そちらも一緒に紹介しておこう。曙産業の「パックと袋のカッター」である。 

曙産業
パックと袋のカッター
590円(税別)

 

↑いちいち手で開けるよりも圧倒的にラクなので、一度慣れるともう手放せなくなる

 

基本的に“トングで挟んで内側の刃で切る”という構造は同じで、使い勝手もほぼ変わらない。ただちょっとユニークなのが、本体下部をスライドさせる「パックカットモード」。これは、豆腐や茶碗蒸しなどのパックをスムーズに切り開くためのモード。

↑白いパーツを手元側にスライドさせて、パックカットモードに変形

 

↑開けづらい豆腐の充填パックも、フチからきれいに開封できる

 

下部の白いパーツを内側に押し込んでやると、相対的に刃が飛び出したようになる。この状態で豆腐パックのフチに刃を突き刺して、そのまま全周をぐるーっと切り開くと開封完了。「そんなの包丁で切って開けるよ」という人もいるだろうが、やってみると、さすが専用ツールのほうがかなりスムーズだ。

↑マグネットでくっつけておけると定位置が決めやすく、使いたい時にサッと手が届くのがメリット

 

また、底部裏側にはラバーマグネットが付いており、冷蔵庫などにペタンと貼り付けておけるのもありがたい。小さいとはいえ刃物だけに、なるべくあちこちに放置せず、使ったらそのつど定位置に戻すほうが良いのである。

 

ただし、「パッケル」「パックと袋のカッター」ともに、刃はトングの内側にあるとはいえ、決して手に触れない位置ではない。むしろ刃が見えづらいだけに、うっかり手指に当たって怪我をする可能性だってある。特に小さな子どものいる家庭では、手の届く場所に置かないように気をつけたほうがいいだろう。そういったところにさえ注意できれば、家事におけるささやかな手間とイライラが解消できる快適ツールとなるはずだ。