赤い電車でお馴染の京浜急行電鉄(以下、京急と略)。駅で見かけた「よこすか満喫きっぷ」というリーフレットに目が引かれた。品川駅・横浜駅などの駅からスタートし、横須賀地区の駅との間の電車のフリーきっぷ(一部バスも含む)とともに、グルメ1品、そして観光施設など1か所の利用料金が含まれている。料金は品川駅から大人3050円だ。
まずは簡単に計算してみる。品川駅〜横須賀中央駅間の往復料金が1276円(ICカード利用時)。グルメに加えて遊び要素が2000円ぐらいかかったとして、それが3050円で楽しめるとなれば、かなりおトクになるのではないのだろうか。
さらにフリーきっぷが利用可能な、横須賀、浦賀、観音崎地区を京浜急行バスに乗って回れば……というような皮算用を胸に、さっそく横須賀へ向かった。
【満喫きっぷ行程①】
品川から快特に乗って45分で横須賀中央へ
品川駅からまず横須賀中央駅へ向かう。快特を使えば約45分の距離だ。ちなみに品川駅〜横須賀駅間をJR横須賀線に乗ると1時間10分以上かかる。やはり京急は断然に速い。
個人的には窓を横にして座るクロスシートの2100形が好きなのだが、この日はロングシート主体の新1000形に乗車。とはいえ、速さにはかわりない。あっという間に川崎、横浜を過ぎて横須賀中央駅に着いたのだった。
【満喫きっぷ行程②】
日露戦争で旗艦として活躍した戦艦「三笠」へ
横須賀中央駅から、世界三大記念艦「三笠」を見学しようと三笠公園を目指す。繁華街を抜け、そして国道16号を渡り、約0.9km。10分の道のりだ。横須賀新港に面して、記念艦「三笠」が設置されている。全長122mのグレーの船体。高い2本の煙突に、上空に延びる2本のマストが目立つ。
世界三大記念艦「三笠」。1904(明治37)年に起こった日露戦争で連合艦隊の旗艦として活躍。日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破する功績をあげている。
記念艦「三笠」の入口を上り、「満喫きっぷ 遊ぶ券C」を窓口に出すと、引き換えに「入艦券」と「お土産引換券」が渡される(通常の入艦料は600円)。そして見学。艦内をほぼくまなく見ることができるのだが、日露戦争当時の歴史的な資料が展示されているほか、なんとVRやシミュレーターで日本海海戦を体感することができる。それも無料だ。そして実際にバルチック艦隊との降伏文章を調印した部屋なども見学できる。東郷平八郎連合艦隊司令長官が実際に戦闘の指揮をとった場所とされる最上艦橋からは、港の風景が楽しめる。
帰り際、入口で渡された「お土産引換券」を手に売店へ立ち寄る。すると、「三笠しおり」か、「三笠砲弾豆&ボールペンセット」のお土産がもらえる。見学だけでなく、お土産付きとは、すごく得した気分になる。
◆世界三大記念艦「三笠」
●「遊ぶ券」利用可能時間:[4〜9月]9〜17時最終入艦、[3月・10月]9時〜16時30分最終入艦、[11〜2月]9時〜16時最終入艦/12月28〜31日休み
●場所:横須賀市稲岡町82-19
●TEL:046-822-5225
【満喫きっぷ行程③】
国道16号を歩き横須賀本港を目指す
世界三大記念艦「三笠」から西へ向かい、横須賀本港を目指す。約1.2km、15分の距離だ。三笠公園の前からまっすぐ延びる三笠公園通り。遊歩道沿いにはオブジェなどもあり、それらを鑑賞しながらの散策が楽しめる。
さらに米軍施設の目の前を通り過ぎる。軍関係者が多く行き交い、やはり米軍の基地がある街であることを強く印象づけられる。国道16号沿いに建ち並ぶ店などを見ながら歩けば、間もなく横須賀本港へ出る。
横須賀本港へ出ると、軍港らしく海上に海上自衛隊の護衛艦や、アメリカの軍艦が対岸に繋留される姿がよく見える。「よこすか満喫きっぷ」には含まれていないが、この港からは「YOKOSUKA軍港めぐり」のクルーズ船が出航している。料金は1400円。護衛艦や軍艦が間近に海上から見ることができるとあって人気も高い。