乗り物
2015/5/18 14:08

デザイナーと企画担当に聞くマツダ、CX-3の神髄

CX-3は、マツダとしては3年ぶりのブランニューモデル。スポーティでスタイリッシュなデザインで人気を集めています。クラス的にはコンパクトSUVに分類できますが、開発陣の狙いは“新種のモデル”を創造することだったそうです。

 

今回は、CX-3のデザインを担当したマツダ・チーフデザイナーの松田陽一さんと、商品企画を担当した同社の久保祐希さんから話を聞きました。

 

↑マツダ、CX-3。ベースがデミオとなる、コンパクトSUVに分類されるクロスオーバーです。ボディサイズはVWゴルフなどの欧州Cセグメントに近似。エンジンは静粛性に磨きをかけた1.5ℓディーゼルのみで、ミッションは全グレードに6速ATと6速MTが用意されています。237万6000円~302万4000円
↑CX-3はベースがデミオとなる、コンパクトSUVに分類されるクロスオーバーです。ボディサイズはVWゴルフなどの欧州Cセグメントに近似。エンジンは静粛性に磨きをかけた1.5ℓディーゼルのみで、ミッションは全グレードに6速ATと6速MTが用意されています。237万6000円~302万4000円

 

最先端のスタイルで追求した「美しさの本質」

CX-3のコンセプトはライフスタイルに寄り添うクロスオーバー。具体的には普段の街乗りから週末のアクティビティまで、幅広い場面でユーザーの創造性を刺激するクルマに仕上げることでした。それを最もわかりやすく体現しているのは、最新のマツダ車に共通する〝魂動デザイン〟を進化させた内外装の造形です。チーフデザイナーの松田陽一さんはこう語ります。

 

「美しさの本質を、最先端のスタイルで表しました。まず、プロポーションを磨き上げムダな要素を排除し、クルマに“凛”とした表情を与えています。魂動デザインのDNAである生命感の表現も“研ぎ澄ますイメージ”で進化させました。ボディ前半の伸びやかな塊と、凝縮感のある後半の塊、そしてスリークなキャビンという3つの基本要素を緊張感のある面で構築。意志のある動きの表現を追求しています」(松田さん)

 

室内も、“生き物”らしい造形を徹底

生き物を思わせる有機的造形は、室内でも反復されています。

 

「内観は、外観に呼応する世界観を、先鋭的かつ上質に表現しました。CX-3はコンパクトカーですが、素材の質感や色使いにもこだわっています。例えば、内装の“さし色(アクセント)”になるレッドは100を超えるサンプルから吟味。艶を感じさせる上質な世界観は、そうした細部へのこだわりも不可欠です」(松田さん)

 

↑内装色も大胆。アクセントカラーのレッドも「理想の赤」を追求して選ばれたもの
↑内装色も大胆。アクセントカラーのレッドも「理想の赤」を追求して選ばれました

 

↑インパネまわりは最新のマツダ車と統一感のあるレイアウト。細部の質感にも凝っています
↑インパネまわりは最新のマツダ車と統一感のあるレイアウト。細部の質感にも凝っています

 

CX-3は見た目だけではなく、機能面も充実。商品企画部の久保裕希さんは次のように語ります。

 

「私たちが想定するお客様――具体的には小さいお子様がいる若いご家族は、ライフスタイルにこだわり持つだけに道具の選択眼もシビアです。なので、実用車としての機能も疎かにしていません。ただ、それだけでは不十分なのも事実。クルマ離れが進んでいるといわれる都市部の方にも、欲しいと思わせる付加価値を追求しました。私たちはスカイアクティブ技術で走りの良さを、そしてCX-3ではデザインや上質感をアピールしています。これらを組み合わせ、多くの人にCX-3の魅力を感じてもらいたいですね」(久保さん)

 

近年のクルマ業界で存在感を高め続けるマツダ。しばらくはそのプロダクトから目を離せそうにない。