【武庫川線の魅力3】武庫川の堤防を横目に古風な電車に揺られる
阪神武庫川線の電車は朝晩が10〜15分間隔、日中が20分間隔で走っていて非常に便利だ。しかも起点の武庫川駅から終点の武庫川団地駅まで5分で着いてしまう。
路線はほぼ全線が武庫川の堤防沿いを走る。そのため、車窓の東側、堤防側は途中の東鳴尾駅まで緑が続く。さらに洲崎(すざき)駅までは複線用の用地が残っている。戦時下、強引に用地買収、そして路線作りが行われ、将来を考えて複線用の用地が確保されたのだろう。
路線の距離はわずかに1.7km。路線沿いに流れる武庫川の堤防上を道路が通るので、路線沿いに歩くことは可能だ。とはいえ、この堤防道路、道幅狭く歩道がないのが難点。河畔に遊歩道があるが、こちらを歩いても路線に近づけない。
もし路線沿いに歩くとすれば、住宅地側の路線に沿った道をお勧めしたい。赤胴車の撮影場所だが、路線沿いに高いフェンスが設けられるので、意外に撮影スポットが限られる。
住宅地と堤防道路を結ぶための踏切や、金網フェンス(編み方が意外に大きめ)の編み目越しに撮るといった方法が無難。もう少し良い撮影場所があれば理想的なのに、と思う阪神武庫川線である。
終点の武庫川団地前駅の付近は現在、再開発中。古くは飛行場や川西航空機の工場があったとされるが、現在は、武庫川団地、そして武庫川学院や、阪神タイガース球団の2軍用球場・鳴尾浜球場(武庫川団地前駅から徒歩約15分)などに利用され、基地や工場用地だったその面影はもう残されていない。
ところで、尼崎車庫から武庫川線へ連絡線を通っての車両の送り込み回送は、朝7時前後と、夜は逆に尼崎車庫行きの送り込み回送が行われているとのこと。朝7時はちょっと早いなあ、と思いつつも、次に訪れるときには、その様子をぜひ見学したいと心に誓うのだった。