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鉄道
2018/12/22 18:00

これだけ多彩な魅力が潜む路線も珍しい — 祝SL復活!乗って見て遊ぶ「秩父再発見」の旅

【秩父鉄道の車両】元東急や西武の車両が秩父路を元気に駆ける

現在、秩父鉄道を走っている電車を見ていこう。

 

主力となっている車両は元東急電鉄の車両たちだ。これらの車両は今でも東急で活躍中の車両で、秩父鉄道へやってきたものの古さを感じさせない。

 

◆7000系(元東急8500系)

↑7000系は2009(平成21)年の春から秩父鉄道を走り始めている。元東急の8500系で今でも東急田園都市線や大井町線の主力車両として走り続けている

 

秩父鉄道7000系は東急電鉄時代に8500系だった車両。変更されている箇所は、ドアごとに開け閉めボタンが付けられたことと、前面のカラーが変更されるなどで、東急時代とあまり変っていない印象だ。

 

東急出身の車両は他に秩父鉄道7500系・7800系が走る。元東急の8090系で、東急大井町線で使われていた。3両編成化された車両が7500系に、2両編成化された車両は7800系となっている。7500系は東急時代の面影を残しているが、7800系は先頭車の姿が大きく変更され、特徴のある姿で秩父路を走っている。

 

◆6000系(元西武新101系)

↑急行「秩父路」として走る6000系。元西武鉄道の新101系が改造され、使われている

 

元西武の新101系も導入され、急行用電車として使われている。西武の101系といえば、かつては西武秩父線の開業に合わせて生まれた車両だ。秩父に縁の深い車両が、改造されて秩父路を今も走り続けているわけだ。

 

ちなみに車両はクロスシートに改造、また3ドアだった車両が2ドアとなっている。秩父鉄道の普通列車はロングシートが主流なだけに、鉄道旅の気分を楽しみたい方にはおすすめの電車だ。なお、急行列車への乗車には乗車券以外に急行券(200円)が必要となる。

 

ほか元都営地下鉄三田線の6000形も5000系となり走っている。

 

◆西武鉄道4000系

↑秩父鉄道を走る西武の4000系。急勾配がある西武秩父線用の運行に加えて、秩父鉄道乗り入れを念頭におき製造された。平日は西武鉄道の飯能駅〜三峰口駅・長瀞駅間、また週末は池袋駅〜三峰口駅・長瀞駅間を走っている

 

西武鉄道の4000系も西武秩父線から秩父鉄道へ直接乗り入れている。4000系は、勾配が急な西武秩父線内と、秩父鉄道への乗り入れ用に造られた車両で、セミクロスシート仕様、トイレも用意される。

 

週末は池袋駅〜長瀞駅・三峰口駅間を走り、ハイカーを中心に、多くの観光客に利用されている。

 

 

【秩父鉄道のSL情報】朗報!正月からSL列車が復活の予定

秩父鉄道の名物となっている「SLパレオエクスプレス」。週末を中心に熊谷駅〜三峰口駅を一往復する。東京から最も近くを走るSL列車として人気だ。パレオエクスプレスの名は、1300万年前に秩父地方に生息していたとされる海獣「パレオパラドキシア」にちなむ。

 

そんなSL列車だが、牽引をつとめるC58形蒸気機関車の点検作業中に不具合が発見され、2018年9月末から12月末まで長期運休を余儀なくされていた。

 

今後が心配されていたが、無事に復活することが12月18日に発表された。

 

予定では「SLパレオエクスプレス」の2019年の運行は、1月1日から6日までと、2月3日から3月3日までの土曜・休日を中心に計15日間、運行される。例年2月は運休時期だっただけに、初の冬の運行が本格化することとなった。期間中は多彩な車内イベントなども企画されていて、期待も膨らむ。

↑C58形363号機が牽引する「SLパレオエクスプレス」。2019年元旦から復活の予定、さらに初の2月中の運転が発表された。雪景色を背景に走るシーンの撮影も楽しめそうだ。写真は春先、撮影名所となる長瀞駅〜上長瀞駅間で。桜並木を横に列車が走る

 

「SLパレオエクスプレス」の牽引に使われるC58形363号機は、1944(昭和19)年生まれ。主に東北地方のローカル線で使われた。1987(昭和62)年に「’88さいたま博覧会」を契機に復活が図られ、同年、JR東日本から秩父鉄道へ転籍した。

 

復活当初は「埼玉県北部観光振興財団」が所有していたが、財団解散後は秩父市へ移管、さらに2003年以降は、秩父鉄道が所有する車両となっている。C58形の動態保存機は、JR東日本が運行する観光列車「SL銀河」用の239号機と、秩父鉄道の363号機のみ。まさに秩父鉄道のお宝というわけだ。

↑2018年9月末からのSL列車が運行できなかった期間は「ELパレオエクスプレス」が運行された。鉄道ファンの注目を集め、多くのファンが沿線に集まったが、列車自体の乗車率が低かったのが、ちょっと残念だった。やはりSL人気は侮れないと感じた
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