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2019/10/20 18:00

人集めに苦悩する地方の企業に一筋の光明?「働こCAR」事業で人材の確保とEV車の活用を目指す

【EV車を活かす⑤】今後、EV車の割合は確実に上がっていく

地球温暖化を防ぐべくCO2削減が最優先の課題となっている今日。化石燃料から精製されるガソリンの消費量を、より減らそうという動きは、確実に強まっていくであろう。中国のようにEVなどのエコカーの普及を“強化”する国策を打ち出す国さえ出てきている。

 

日本でもHV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、EV車、そしてFCV(燃料電池車)といったエコカーの割合は増えこそすれ、減ることはないであろう。エコカーには軽減税率が導入され、環境負荷の大きいクルマには税率を重くする動きも見られる。

 

そんな中で誕生した「働こCAR」事業の試み。すでに多治見市の企業の30社が導入を決め、また4人がすでにエネファント社が貸し出した日産リーフに乗っている。今年の4月からのプロジェクトなので、これから来期に向けて本格化していく、というところであろう。

 

プランニングした磯崎さんは、「来年度には30台を目標としたい」と話す。

 

↑エネファント社の代表・磯崎顕三さん。大学時代にやりたいことが見つからずに大学を中退、22歳で起業した。太陽から地球に送られるわずかなエネルギーで1年間60億人が暮らすことができると聞き、これからは太陽光発電事業だと一念発起したそうだ

 

太陽光発電とEV車を利用した市場の未来は広がりこそすれ、減ることは無いと予想される。例えば、カーシェアリングを見ても2030年には25%がEV車になると予想される。EV車が導入されるとなれば充電設備が必要になるわけで、太陽光発電を使えば、かなりの省力化につながる。

 

そうした例は多く企画され、実際の導入例も多々見られる。まさに太陽光発電とEVのドッキングは、未来に必要不可欠なシステムになりつつあると言えるだろう。

 

 

【EVを活かす⑥】個人ならばEV車&ソーラーをこんなに得する

さてこれまでは企業向けの事業だが、個人で太陽光発電を導入し、またEVを購入したら、どれくらいの節約効果があるのだろうか。

 

ちょうどエネファント社に訪れていた黒森学さん(37歳)の例を見てみよう。太陽光発電を利用するまで、自宅の電気代は月に2万8000円ほどかかっていたという。それが太陽光発電とV2H(Vehicle to Homeの略で、EV車等の電力を家庭用の電力供給源として利用すること、またはその機器)を導入後には3000円に激減した。ちなみに太陽光発電の技術は向上し、現在は1週間のうち1日、晴れれば家庭の電気使用量が十分にまかなえるとのことだった。

 

クルマはお父様とご自身が現在、日産のEV車を乗っている。ガソリン車に乗っていたころには月にガソリン代が2万円かかっていた。それが現在は、家庭では家電と同じように充電、外では日産の充電サービスを利用しているので、月に2000円で済んでしまう。

 

↑愛車の日産リーフの充電に訪れた黒森さん(写真右下)。ホイールなど見て、かなりのクルマ好きとお見受けした。ガソリン代がかからない分に、こうしたオプションにもこだわることができるのもEV車ならでは魅力なのだろう

 

トータル4万8000円が、わずか5000円の出費に。さらに黒森さんが住んでいる愛知県ではクリーン化税制が導入されていて、2014年4月1日から5年間、新車新規登録時の月割分および翌年度から5年分、全額免除とされる。さらに太陽光発電は売電による利益も生み出す。

 

よって400万円ほど初期投資が必要だったが、ほぼ10年で回収できるのだそうだ。

 

多くの疑問を持ちつつ多治見を訪れた筆者ではあったが、こうした例を見てしまうと、改めてEV車および太陽光発電は時代を変えるパワーを秘めているように感じたのだった。

 

【ギャラリー】

 

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