日本社会に貢献してきた中高年層の多くは、1960年代に生まれたミドルエイジたち。高度経済成長期の真っ只中に生まれ、日米新安全保障条約の締結、カラーテレビの放送開始、東京タワー完成、東京オリンピック開催、東海道新幹線開通、東名高速道路全線開通など、昭和の大きな出来事が生まれた頃に起こった世代であります。
グングンと豊かになる経済の波に乗り、少年時代はスーパーカーブームでフェラーリやランボルギーニに夢中になり、1980年代後半にはバブル景気で贅沢を味わい、花金と呼ばれる金曜日の深夜はディスコでフィーバー。週末になれば「私をスキーに連れてって」とばかり、彼女を助手席に乗せ、ユーミンをBGMにスキー場へと繰り出しました。そして現在、バブル景気が弾け飛び、リーマンショックで俯いているひと世代下の後輩たちを尻目に、我々ミドルエイジたちまだまだ元気ハツラツであります。リッターバイクを手に入れて週末のツーリングを楽しみ、クロスオーバー4WDでグランピングを満喫。友人が営むスペインバルで旨いワインを楽しみ、古い友人たちと人生を語る。しかし、まだまだアクティブな人生を楽しんでいるミドルエイジですが、話の内容は「高血圧」と「糖尿病」。そして人生の終盤に向けての「老後の心配」の話も多くなっているのも事実……。
その心配はクルマに対しても同じこと。最近は、最高出力値やデザインよりも「安全運転支援」や「自動運転システム」が気になり、そう遠くはない将来には「免許返納」も意識し始めている今日この頃で、そうなると、気になってくるのが老後の交通手段。個人的にも健康を考えロードバイクやMTBを趣味にしているものの、そろそろ人力で漕ぐのが辛くなっているのも否めない事実であります。そんなミドルエイジの琴線を刺激するのが「電動アシスト自転車」。最近ではe-Bikeと呼ばれるスポーツ自転車も登場していますが、やはり日常の足としては「電動ママチャリ」に興味が沸いてきます。そこで、近所の買い物や通勤の足になり、ちょっとしたポタリングも楽しめる電動アシスト自転車について考えてみましょう。
ミドルエイジのブリヂストンのブランドイメージ
現在、日本国内では価格重視のアジアンブランドから高級ロードバイクブランドまで、数多くの電動アシスト自転車が販売されていますが、電動アシスト自転車は生活を支える重要な乗り物であり、自転車大国と呼ばれる日本の環境条件をしっかりと受け止めた国産モデルの実用性の高さは大きなメリットになります。その中でも、個人的に魅力を感じさせるブランドが「ブリヂストンサイクル」です。
少年時代にテレビCMで天地真理さんが宣伝していた「ドレミ真理ちゃん」や、仮面ライダーのサイクロン号風の「ドレミサイクロン」を作っていたメーカーであり、週刊少年ジャンプの広告を見て憧れた元祖スポーツ自転車「ロードマン」を生んだメーカーとして記憶の奥深く擦り込まれているのかも知れません。40年前のテレビCMや雑誌の広告がボディブローのように今になって効果を発揮するとは、ブリヂストンサイクルの戦略……恐るべし。
さらに、我々が青春時代に夢中になったF1GPやグラチャンで大活躍を果たした、あの「ブリヂストン」と同じブランドなのだからクルマ好きミドルエイジにとっては絶対的な存在であることは間違いありません。
痒い所に手が届く豊富なラインナップはどんなライフスタイルにもマッチするはずだ!
ブリヂストンサイクルは、日本が誇るロードバイク「アンカー」シリーズを頂点に、年齢、性別、生活に合わせた豊富なラインナップを誇っています。そのバラエティ豊かさは電動アシスト自転車も同様で、子乗せ自転車では「ビッケ」シリーズ、「ハイディ ツー」、通勤通学では「アルベルト e」、「カジュナ e」、買い物では「フロンティア」、「アシスタ」、シニア世代向けでは「フロンティアラクット」、「アシスタユニプレミア」など、人が生活を営む上で必要になる全てのシチュエーションをカバーしているのが大きな魅力といえるでしょう。
これさえあれば引退後の足はノープロブレム!
そのなかで、乗り物ライターである不肖並木55歳が気に入りつつ、チョイスした一台が「フロンティアラクット 20インチ」と呼ばれる電アシ自転車であります。
なぜ、このモデルを選んだのかといえば、まずは「デュアルドライブ(2WD)」であること。通常、自転車はフレームの中心に設置されたクランクと呼ばれるペダルを回転させ、チェーンやベルトを使って後輪のハブに設えたギアを介して駆動させます。ところが、同モデルは前輪のハブにモーターを内蔵し、電気の力で前輪を駆動させているのです。簡単に言えば、前輪をモーターの力で引っ張り、後輪は通常のマンパワーで駆動させる両輪駆動方式。そのギミックがメカ好きの男心を刺激します。さらには左ブレーキを使用時、下り坂で走行中ペダル停止後加速時、平地でペダルを止めた時、自動的にバッテリーを充電する「走りながら自動充電」を採用しているので、充電回数が少なくなるのも大きなメリット。
フレームが低床(地上高:23.5cm)と言うこともあり、足が引っかかることなくスムーズに乗降できるのも安全性につながります。若き日のように“スパッ”と後ろに足を高く上げて跨らず、最近は前から足を回す乗り方の私にとっては実にありがたい設計であります。
操作系ではハンドルの左側に置かれた液晶モニターもシンプルで、モードは強弱の2択と分かりやすく、表示される大きな文字も老眼がすすんでいる世代でも見やすいのが嬉しい限り。
前カゴも20インチの恩恵を受け、地上からの距離が短いです。重たい荷物を載せると時には高く持ち上げなくて済むのも大きなメリット。腰を痛めるリスクが低くなるということですね。
フロンティアラクットで色々な道を走ってみる
ここまで同モデルの概要について触れてきましたが、実際に乗ってみないとわからないということで3つのシーンにわけて試乗。編集部から「『もしも電動アシストがなかったら』という世界観でも試してください」というオーダーがあり、オフで走った状態の感想も加えます。なお、「電アシをオフ状態で走ったら普通の自転車よりも重くなると思うんですが……」、という筆者の真っ当な指摘に対しては、「並木さんは体鍛えていて一般的な同年代男性よりも体力あるからハンディですよ!」と突き返されました。
【その1】平坦な道は若き頃の“健脚に戻った”と錯覚するほど
まずは平坦な舗装を走ってみました。実際にライドした感覚は、漕ぎ始めた瞬間「グイッ」と前輪が引っ張られる感覚があり、前輪に駆動の力がかかることで後輪駆動のアシストモデルよりも安定感を感じました。平地での乗り味は自分が若き頃の“健脚に戻ったのでは“と錯覚するほどで、不自然さを感じることのない素直なアシストが楽しめます。短いクランクになっているため、浅いヒザ角度で、ラクラクこげます。アシスト感覚はハイスピード向けではなく安心して発進できるマイルドな味付け。迷うことなく実用性に割り切ったことで、より使いやすさが際立っていました。
【もしも電動アシストがなかったら】次にアシストをOFFにした状態。やはりアシスト力がないと、平坦の道では大変かも……。となると、ちょっとした買い物へのお出かけも億劫に。またはクルマを手放したくないようになり、免許返納もしたくなくなりますね。
【その2】坂道は座ったまま軽々とクリア!
次に坂道。特に上り坂では発進が容易で、足腰が弱りつつあるミドルエイジには最適な味付けです。今回の試乗では高台にそびえる東京タワーへの激坂にチャレンジしたのですが、内装3速ギアの一番軽いレンジにシフトし、強モードのアシストを借りて激坂に挑んでみると、座ったままのシッティングで軽々クリア。足腰が弱っていて体力に自信がない方でも、そのような心配はひとつもいりませんよ。
【もしも電動アシストがなかったら】次にアシストOFFの状態では極端な前傾姿勢での立ち漕ぎ&ダンシングが必要となり、撮影の為に再チャレンジしたのですが……戦意喪失のギブアップ。車体を押して登った次第でございます。心拍数を測ってみると、130回を超えてました。写真はカメラマンの悪意のある撮り方(笑)ですが、気分的にはこのような感じ。電アシが存在しければ、原付バイクに頼るしかないです。しかし、それそれで駐輪スペースの問題が出てきます。都心部ですと駐輪スペースが少ないですから。
【その3】段差やストップ&ゴーが多い道でも、ふらつきにくく安心!
最後は段差やストップ&ゴーが多い道をライド。というのも、街中を走っているときは信号や線路、歩道と車道の段差などと細かい障害物が多いです。スタート時とストップ時は不安定になりやすく、発進・停車が多いと疲れもでてきますので、そこを試してみました。その結果は実にラク。舗装路だけでなく砂利道なども試してみましたが、走り出しが軽快で疲れ知らず。さらに20インチモデルですと、またがった際、地面に足底をしっかりとつくことが可能。そのため、とっさの時にもすぐに地面にしっかりと足をつけるから安全です。段差を通る際の衝撃も少なく、停車する際もふらつきにくく安定感がありました。
【もしも電動アシストがなかったら】段差の多い道ですと、段差を乗り越えるときは加速。そして段差から降りるときは、お尻への衝撃を和らげるため減速します。その加速・減速を何度も繰り返すので、やはり脚への負担がかかり、正直疲れちゃいますね。
ミドルエイジのご近所攻略の足として、新しい世界を感じさせてくれた
実際、隠居生活をするには早すぎる年齢ではあるものの、体力、筋力の低下が気になるお年頃の私にとって電動アシストの頼もしさを体感できた取材でした。でも、仕事で疲れているからと怠惰な生活を善とせず「何か行動を起こしたい」と感じているのなら、フロンティアラクットはおすすめしたい一台であります。実用性を重視したデザインですが、武骨なフレーム形状は男性にも最適。前カゴやグリップ、サドルを交換し、ステッカーでチューンを施すなどカスタムベースとしても楽しむのも悪くないでしょう。
歩くのは億劫、でもクルマを使うには近すぎる…そんなご近所攻略をサポートしてくれる快適な相棒に跨り、ひとつ隣の駅前商店街を散策し、知らなかった狭い道を気兼ねなく走り抜ければ、今まで知ることができなかった新しい世界を発見できるはず。乗りやすくトルクフルなフロンティアラクットは、私たちミドルエイジに「自転車が最強!」と思っていた子どもの頃へとタイムスリップさせるお手軽なタイムマシーンになることは間違いありません。
フロンティアラクット 20インチ【SPEC】●全長×全幅×サドル高:1570×580×67~80.5cm●重量:23.4kg●シフト段数:内装3段(シマノピアノタッチ)●モーター:ブラシレスDC●アシストドライブ:2アシストモード(弱/強)●走行距離:100km(弱モード)/59km(強モード)●充電時間:約4時間10分
【キャンペーン情報】
ブリヂストンサイクルでは、“だれでもあんしん自転車”キャンペーンの一環として、「家族の週間に親孝行しよう!」を実施中。これは11月10日~11月23日の期間で行われている「家族の週間」に合わせて行われているキャンペーンで、2019年12月6日(金)17時までに特設サイトから必要事項を記入して応募すると「フロンティアラクット(20インチ)」のプレゼント、さらに応募された方の中から抽選で1000名にセブンーイレブンで交換できるドリンクのデジタルギフトがもらえるチャンスです。
募集要項やフォームはコチラから。
撮影/中田悟
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