〜〜開業したばかりの相鉄・JR直通線にさっそく乗車してみた〜〜
11月30日(土曜日)、相鉄・JR直通線が開業した。相模鉄道(以下、「相鉄」と略)は晴れて都心への乗入れ、およびJR埼京線との相互乗入れを果たした。
本サイトでも何度か紹介してきた新線の話題。開業したばかりの乗入れ区間を走る電車に乗車、また新駅や相鉄沿線を訪れてみた。見えてきたのは、新線および相互乗入れで活気づく沿線模様だった。さらに新駅近くで同じ日にひっそりとリニューアル開業した駅もあった。この情報にも触れてみたい。
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初めに相鉄・JR直通線の概要を見ておこう。
路線と距離 | 相鉄・JR直通線/西谷駅〜羽沢横浜国大駅付近間2.7km *全線複線・直流1500V電化 |
計画そして開業日 | 2000(平成12)年1月27日、「神奈川東部方面線」の計画が立てられる。2010年3月25日に相鉄・JR直通線の起工。2019年11月30日、西谷駅〜羽沢横浜国大間が開業、JR線との相互直通運転を開始 |
運転区間 | JR東日本・新宿駅(一部列車は川越駅などまで直通運転)〜相鉄・海老名駅 |
車両 | JR東日本E233系7000番台、相鉄12000系 |
「相鉄・JR直通線」と言う時に、新宿駅〜海老名駅間を走る列車のことを指す場合があるが、本原稿では新線区間に限定した。ちなみにJR東日本と大手私鉄の通勤用車両が直接に相互乗入れを行うのは、東京メトロ(同社を通って大手私鉄の車両がJR東日本と相互乗入れる例はある)をのぞき初めてのこととなった。
正式に開業する5日前の11月25日(月曜)。新駅の羽沢横浜国大駅では、相鉄・JR直通線の発車式が開かれた。今回はこの模様から見ていこう。
相鉄・JR直通線の開業で誕生した新駅・羽沢横浜国大駅(はざわよこはまこくだいえき)。11月25日に開かれた発車式には、JR東日本、相鉄関係者はもとより、赤羽一嘉(あかばかずよし)国土交通大臣、黒岩祐治(くろいわゆうじ)神奈川県知事が式典にかけつけた。
発車式にあたって黒岩神奈川県知事は次のように祝辞を述べた。
「私は大学のころに二俣川に住んでおりました。横浜駅乗換えで都内まで通いました。就職してからもほぼ同じコースで2年間、通勤しておりました。そのため横浜駅まで行って乗換える大変さを肌で感じておりました。新線により、相鉄線がJRに直接つながって、そのまま都内へ行けるということになり便利になります。素晴らしいことだな、と感じています」。
相鉄沿線から東京都内へ通勤・通学する人にとって、やはり黒岩知事の言葉が本音だろう。新線への期待は大きかったのである。
さて、式典が終了、来賓および報道陣はホームへ降りる。できたてほやほやの新駅は、やはり新しく快適だ。羽沢横浜国大はホームが地下にある。1番線が下り西谷駅・相鉄本線方面、2番線が武蔵小杉駅・新宿駅方面だ。
2番線に入線していた列車を前に駅長、および乗務員へ花束が渡される。そして来賓を乗せた、列車が発車していく。この日の表示は「新宿」とあったが、あくまで開業前のための試運転列車で、新宿方面へは走らず、相鉄の西谷駅方面へ向かって出発していった。