新時代到来!新車・新駅誕生など 〜〜2020年 注目したい話題〜〜
2020年は鉄道にとって、どのような年になるのだろうか。東海道・山陽新幹線用の新型車両のほか、多くの新型車両が登場する。さらにいくつかの変化の兆しが見えてきた。まさに2020年代の始まりということもあり新時代の到来を予感させる。
すでに明らかになっている情報を中心に、2020年、新たな年の鉄道の話題に注目してみたい。
【注目!2020年①】東海道新幹線に待望のN700Sが走り出す!
列島の大動脈となっている東海道新幹線と山陽新幹線。この路線に新しい時代がやってくる。7月には2020年代の主力車両となる予定のN700Sの営業運転が始まる。
N700Sの「S」はSupreme(スプリーム・最高の)の頭文字。N700Aをさらに進化させた車両で、バッテリー自走システムを初めて搭載。自然災害などで長時間停電した時にも、最寄りの駅などへ自力走行が可能になる。さらに停電時でも一部のトイレは使用できるようになる。
利用者としてうれしいのは、全席に電源コンセントが備えられることだろう。
J0編成という確認試験車が2018年3月に登場。すでに1年半以上にわたり、連日のように走行テストが繰り返されてきた。
現在、走行テストを行うJ0編成はあくまで確認試験車で、実際の営業運転には使われない予定。テスト運転によって確認された結果を生かし、J1編成という新たな編成が造られ、投入される。営業車の登場は7月の予定で2020年度には12編成、以降、3年間で40編成が投入される予定だ。
一方で、“カモノハシ”の愛称で親しまれた700系が、すでに定期列車での運用がなくなり、3月8日をもって運転終了となる。登場してから21年、やはり高速で走る新幹線の車両は、在来線を走る車両よりも、耐用年数が短めになりがちなようだ。なお3月以降、7月のN700S登場までは、東海道新幹線の車両はN700AとN700タイプAのみとなる。
【注目!2020年②】新車両投入で伊豆に新時代が到来する!
東京都心と伊豆半島を結ぶ特急「踊り子」と特急「スーパービュー踊り子」。これまで特急「踊り子」には185系が、「スーパービュー踊り子」には251系が使われてきた。
185系は国鉄時代に登場した特急形電車。251系は国鉄からJRに移行して間もなくの1990(平成2)年に登場した特急形電車だ。
251系「スーパービュー踊り子」は伊豆半島の海岸沿いを走ることもあり、潮風を受けやすい。誕生してから30年と、車歴はさほど長くないものの、腐食がやや目立ってきた。そんなこともあってのことだろう。ダイヤが改正される前日の2020年3月13日に運行が終了、全車両が廃車されることになった。
代わって登場するのがE261系。「サフィール踊り子」という特急名で走り始める。豪華な設備が売りで全車がグリーン車。横1列に2座席のみという余裕をもったプレミアムグリーン車やグリーン個室車も導入される。また4号車にはカフェテリア(ヌードルバー)も設けられる。
平日は、定期列車が東京駅と伊豆急下田駅間を1往復。平日の臨時列車が同一区間を1往復、さらに土休日には新宿駅発、伊豆急下田駅行き臨時列車も1便予定されている(上りは東京駅行き)。
この春には、特急「踊り子」の185系も、一部がE257系に変更される予定だ。このE257系は、以前に中央本線の特急「あずさ」や「かいじ」として使われてきた車両などを、リニューアルしたもの。185系は、今も残る希少な国鉄形特急電車だが、E257系の進出で、少しずつ、運用が減っていくことになる。
甲高いモーター音を響かせて東海道本線を走ってきた185系の姿も、数年後には、過去のものになるのかも知れない。