今回は発売以来、爆売れ状態というダイハツ/トヨタのコンパクトSUVとボルボの新作セダン、そして「エコ度」が最高レベルのメルセデス・ベンツEクラスをピックアップ。注目ポイントは、いずれも他のモデルにはない唯一無二の特徴を持つことです。
【おすすめモデル1】SUVの魅力をコンパクトボディにギュッと凝縮!
ダイハツ/トヨタ
ロッキー/ライズ
SPEC【ロッキーX(2WD)】●全長×全幅×全高:3995×1695×1620㎜●車両重量:970㎏●パワーユニット:996㏄直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:98PS/6000rpm●最大トルク:14.3㎏-m/2400〜4000rpm●WLTCモード燃費:18.6㎞/ℓ
コスパはかなり高く爆売れ状態にも納得
ロッキー/ライズは新世代に向けたクルマ作り、DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を取り入れたモデルの第2弾。その魅力は、SUVの要素がコンパクトなボディに凝縮されていることです。
外観はダイハツ版のロッキーとトヨタ版のライズで差別化されていますが、いずれもSUVらしいスポーティさは全開。室内もコンパクトカーとしては、余裕たっぷりといえる広さを誇ります。また、荷室容量が通常時でも369ℓが確保されているとなれば、ユーティリティに不満などあるわけがありません。
パワートレインは、1ℓターボ+CVTのみとシンプルですが、駆動方式は全グレードで2WDと4WDが選択可能。今回は2WDに試乗しましたが、パワフルな走りに驚きました。ボディバランスが良いので安定性が高く、乗り心地や操縦性も背の高いSUVボディを感じさせません。その価格設定まで加味すると、コスパがかなり高く、爆売れ状態にも納得がいきます。
【ディテール01】ボディは扱いやすい5ナンバーサイズ
SUVらしい適度なワイルド感を演出する外観ですが、ボディは5ナンバーサイズに収まる1695㎜。最小回転半径も4.9/5mなので小回りが利き、取り回しもラク。
【ディテール02】“繋がる”機能も充実!
スポーティな雰囲気と実用度を両立させたインテリア。スマホとリンクするディスプレイオーディオや充実したコネクテッド機能など、最新モデルらしい装備も魅力です。
【ディテール03】トヨタ版のライズは“プチRAV4”テイスト
ライズは、ロッキーより精悍なデザインとなるフロントマスクが持ち味。RAV4を凝縮したかのような印象も受けます。全4グレードで価格は167万9000円〜228万2200円。
【ディテール04】使い勝手もハイレベル
荷室容量は、リアシートを使用する通常時でも369ℓを確保。2WD車については、床下に80ℓの大容量アンダーラゲッジも備わります。
【おすすめモデル2】キレのある北欧デザインと上質な走りが持ち味
ボルボ S60
SPEC【T5インスクリプション】●全長×全幅×全高:4760×1850×1435㎜●車両重量:1660㎏●パワーユニット:1968㏄直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:254PS/5500rpm●最大トルク:35.7㎏-m/1500-4800rpm●JC08モード燃費:12.9㎞/ℓ
質感の高さは同クラスで主流のドイツ勢にも負けない水準
ボルボの新世代骨格、SPAを採用した3代目S60は、端正な北欧デザインの魅力を満喫できる1台。先代と比較すると長く、低く、そして若干細身になったボディは同クラスのライバルに負けない質感とスポーティさを演出。室内も最新モデルに相応しい新鮮味と高級感を両立する仕上がりです。
日本仕様は2タイプの2ℓ4気筒ガソリンターボモデルと、それにスーパーチャージャーと後輪を駆動する電気モーターを加えたプラグインHVの3種。今回の試乗車は中堅グレードのガソリンターボでしたが、上質なスポーティセダンらしい走りが魅力的。十二分な速さと繊細さも兼ね備える操縦性は、まさにプレミアムな出来映えでした。
【ディテール01】強固なボディが生む俊敏な走り
ワゴンのV60より骨格が強固なセダンボディとあって、積極的に操る楽しさが備わるハンドリングがウリ。先代より格段にスポーティになった外観も魅力的です。
【ディテール02】北欧テイストと先進性が融合した室内
室内は、XC90以降の新世代ボルボに共通する北欧テイスト。インパネ中央のタッチパネルディスプレイは、スマホ的なインターフェイスで使いやすいです。
【おすすめモデル3】“オンリーワン”なディーゼル+プラグインHV
メルセデス・ベンツ
E350deアバンギャルドスポーツ
【SPEC】●全長×全幅×全高:4923×1852×1475㎜●車両重量:2100㎏●パワーユニット:1950㏄直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ+電気モーター●最高出力:194[122]PS/3800rpm●最大トルク:40.8[44.9]㎏-m/1600〜2800rpm●WLTCモード燃費:非公表
※[ ]内は電気モーター
プレミアムセダンらしい静粛にして滑らかな乗り味
Eクラスのラインナップに加わったE350deは、現在手に入るエコカーで最も現実的、かつ最良な選択肢のひとつです。そのパワートレインは、2ℓのクリーンディーゼルに電気モーターを組み合わせたプラグインHV(ハイブリッド)。EV走行時の航続距離は最長で50㎞。バッテリーを使い切った後も、低燃費なディーゼル主体の走行となるだけに、エコの度合いは間違いなく最高水準にあります。
元々がプレミアムセダンとして鳴らすEクラスだけに、その走りは上質。特にEV時の静粛にして滑らかな乗り味は、このクルマならでは。セダンならではの質の高さと、最先端を行くエコロジー性能を体感したい人にとっては、ピッタリのクルマといえそうです。
【ディテール01】室内のつくりはベース車と同じ
プラグインHVということでメーター回りなどはオリジナルのグラフィックになりますが、インテリアのつくりは標準的なEクラスと変わりません。車両本体価格は875万円。
【ディテール02】充電口はリアエンドに備える
メルセデスのプラグインHVモデルは、リアバンパーに充電口がレイアウトされる。トランクには専用プラグも用意されています。
【ディテール03】荷室の容量は控えめ
駆動用バッテリーが必要な構造上、トランクルームの容量は370ℓ。ノーマルなEクラスの540ℓと比較するとさすがに控えめです。
ロッキー/ライズ:文/小野泰治 撮影/宮門秀行
S60:文/小野泰治 撮影/菊池貴之
E350deアバンギャルドスポーツ:文/小野泰治 撮影/宮越孝政
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