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2020/1/29 18:30

「空飛ぶイルカ」が進化した! 世界一奇妙でかわいい輸送機とは?

↑空を飛ぶエアバスの「ベルーガXL」

 

縦幅も横幅もボリューム満点の大型機は、空港でも空を飛んでいても一際目を引くもの。そんな世界最大クラスの輸送機「ベルーガXL」が1月から運航を開始しました。先頭部分が出っ張ったユニークな形をしたベルーガXLにはどのような特徴があるのでしょうか?

 

エアバスから就航したベルーガXLは、一般的な飛行機とは異なり、先頭部分が膨らんだ独特の形が特徴。これは、ベルーガXLが旅客を乗せる機体ではなく、製造中の機体の一部を運ぶために作られた飛行機だからです。

 

エアバスではヨーロッパ各地に飛行機の製造工場を有していて、それぞれの工場で作られた機体の一部が、フランスのトゥールーズなどにある工場に集められて、最終的に組み立てられます。ヨーロッパ各地にある工場から最終組立工場まで、機体を運ぶために生まれたのが、このベルーガXL。ベルーガXLは先頭部分が大きく開き、そこから機体内部に運搬用コンポーネントを運びこむのです。

 

ベルーガXLは全長63m、最大幅8m、最大積載量51トンで、航続距離は4000㎞。これまでに使われていたベルーガSTはA350 XWBの主翼1つしか運ぶことができなかったのに対して、ベルーガXLは主翼2つを運搬可能と、輸送能力が30%アップも改善されています。

 

先頭部分が膨らんだ形が、北極海に生息する真っ白なイルカ「シロイルカ」に似ていることから、シロイルカの別名である「ベルーガ」がこの機体の名前にも付けられました。そしてベルーガの初代機はシンプルな塗装だったのが、今回運航開始となったベルーガXLでは、口も目も微笑んでいるような可愛らしいイルカの顔を機体に塗装。まさに「空飛ぶイルカ」が完成したのです。

 

初代ベルーガが初飛行したのは1994年と、いまから20年以上前までさかのぼります。ベルーガ就航20周年で発表された2014年時点で、5機のベルーガが11の拠点間を週に60回以上の運航していました。しかしさらなる輸送力アップを目指してベルーガの後継機の開発が、初代機20周年を迎えた2014年に発表され、その翌年からエアバスA330をベースに開発を開始。構想発表から5年あまりの月日を経て、新型ベルーガとなるXLが就航となったのです。エアバスでは2023年までにベルーガXLを6機導入する予定です。

↑「空飛ぶイルカ」ことベルーガXLは飛行機の製造に笑顔を届ける

 

愛嬌のあるイルカの顔が塗装されて、一般市民からの親近感がさらに増えていきそうな新型ベルーガ。一度見たら忘れないこのユニークな形の輸送機の進化に今後も注目です。