街中で目にするクルマの半分はSUVといわれるいま、その系譜を時代とともに振り返ります。80年代のクロカンブーム、90年代のワゴンブーム、そして現在のSUVブーム……アナタの記憶はどの時代からあるでしょうか? 国産車と輸入車、各モデルの代表選手27台が勢揃い!
SUVという言葉が生まれる前から脈々と受け継がれてきた歴史がある
【JAPAN その1】
1951年
トヨタ ジープBJ型
信頼・耐久・走破性から“世界の道を知っている”と言われる、ランドクルーザーの元祖的存在がBJ型。小型トラックSB型のJ型シャシーを改良し、B型エンジンと呼ばれた3.4ℓ6気筒エンジンを載せたことが車名の由来。
【JAPAN その2】
1970年
スズキ ジムニー LJ10
軽トラック、キャリィのエンジンやミッションが流用された初代。ラダーフレームとリジットサスは代々継承されます。
【JAPAN その3】
1970年
ホンダ バモスホンダ
軽トラックTN360がベース。フロアを水洗いできるなど使い勝手は良かったが、ユニークな車体ゆえに珍車扱いされました。
【JAPAN その4】
1972年
スバル レオーネ エステートバン
ワーキングビークルから発想を得た乗用車タイプの元祖4WDモデル。SUVの始祖のような存在でしょう。
【JAPAN その5】
1981年
スズキ ジムニーSJ30
大ヒットした2代目ジムニー。2サイクルエンジン搭載のまま1987年まで作り続けられました。いまも中古車市場で人気。
【JAPAN その6】
1982年
トヨタ スプリンターカリブ
乗用車ベースの4WDにワゴンボディと、いまのクロスオーバーSUVの先駆け。RVブームでも存在感を放ちました。
【JAPAN その7】
1982年
三菱 パジェロ
デビュー当初は高い走破性を評価するユーザーが多かった初代。途中追加された豪華仕様のエクシードで万人層から支持を受け一躍大ヒット車種に。その人気はそのまま2代目へ引き継がれました。
【JAPAN その8】
1994年
三菱 パジェロミニ
タウンユースの快適性とオフローダーの走破性を高い次元で両立。メカ的にはパジェロ譲りの本格派でした。
【JAPAN その9】
1994年
トヨタ RAV4
本格的な悪路走破性能を訴えるクロカン系が主流だったSUV市場。そこにSUVながらも乗用車的な乗り心地で、使い勝手の良いクルマとして大ヒットしたのが初代RAV4です。
【JAPAN その10】
1997年
スバル フォレスター
世界ラリー選手権で大活躍したインプレッサベースのステーションワゴン。クロスオーバーSUVでありながらもスポーツカー並みの走りを披露。スポーツSUVという新しいジャンルを作りました。
【JAPAN その11】
1997年
トヨタ ハリアー
現在のSUVを語るうえで、なくてはならない金字塔的な存在が初代ハリアー。シティ派SUVは数あれど、そこにプレミア感を付加しオンロード性能を重視したモデルとして、海外でも大人気に。
【JAPAN その 12】
1998年
ダイハツ テリオスキッド
軽規格のSUVとして、デフロックを持つフルタイム4WD、5ドアとアピールポイントの多いモデル。写真は2004年の特別仕様車“キスマーク”。
【JAPAN その 13】
2004年
日産 ムラーノ
北米デビューから2年遅れの2004年に国内販売。メルセデスSクラスより広い全幅ながらも好調なセールスを記録。
【JAPAN その14】
2010年
日産 ジューク
クーペライクな超個性的デザインが特徴。2011年にはGT-Rのエンジンを搭載したワンオフモデルの登場で話題に。
【JAPAN その15】
2016年
トヨタ C-HR
高燃費と走りの楽しさを両立。最近ではターボエンジンの追加や6MTの新設定などがあり、クルマ好きにはうれしい仕様も。
【OVERSEAS その1】
1951年
クライスラー ウィリスMB(通称:ジープ)
クロカン系SUVの元祖はこのモデル。その走破性は米軍の折り紙付きです。ニューヨーク近代美術館にも展示されています。
【OVERSEAS その2】
1964年
BMC ミニ・モーク
BMCミニがベース。当初は軍用目的でしたが低車高で断念した経緯もある多目的車。レクリエーショナル・ビークルの祖。
【OVERSEAS その3】
1970年
ローバー レンジローバー
卓越したオフロード性能を持ちながらも高級乗用車風の快適性を実現。「砂漠のロールスロイス」の異名でおなじみ。
【OVERSEAS その4】
1979年
メルセデス・ベンツ Gクラス
NATO軍に制式採用されたモデルの民生用がGクラスの成り立ち。オーストリアのシュタイア・プフとの共同開発です。
【OVERSEAS その5】
1984年
ジープ チェロキー
日本でチェロキーの名を不動にしたモデル。当時のRVブームで300万円を切る個性的な輸入車だったこともあります。
【OVERSEAS その6】
2000年
BMW X5
BMW初のSUVでベースはE39型5シリーズ。エントリーモデルが700万円近いプライスながらも大ヒットとなりました。セレブ御用達幼稚園の送迎車の、実に8割がこのクルマだったという逸話も。
【OVERSEAS その7】
2002年
ポルシェ カイエン
生粋のスポーツカーメーカーがSUVに進出した記念すべきクルマ。同ブランド初の4ドアモデルであり、初の5人乗りでもあります。SUVでもクイックなハンドリングと安心のブレーキ性能は健在。
【OVERSEAS その8】
2006年
トヨタ FJクルーザー(逆輸入)
海外専用車として2006年デビュー。並行輸入車として日本へ入っていましたが2010年に国内販売開始。観音開きドアが特徴。
【OVERSEAS その9】
2012年
テスラ モデルX
EVメーカーが作ったSUVで、後部ドアが上に開くファルコンウィング採用。ポルシェ並みの加速性能を持ちます。
【OVERSEAS その10】
2016年
マセラティ レヴァンテ
SUVに縁遠い老舗ブランドと思われていたマセラティ初のSUV。トップモデルのV8はフェラーリ工場製です。
【OVERSEAS その11】
2016年
ホンダ CR-V(逆輸入)
2016年デビューですが、日本市場への導入は2018年。新世代プラットフォーム採用で高い走りの質が魅力。
【OVERSEAS その12】
2017年
ボルボ XC40
ボルボ初のコンパクトSUV。走りからデザイン、安全性が評価され欧州でも日本でもカー・オブ・ザ・イヤーを獲得。
文/海野大介
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