昨年デビューした「マツダ3」から搭載が始まった新世代ガソリンエンジンの「スカイアクティブX」。マツダによれば、その効能はガソリンエンジンとディーゼルエンジンの“良いとこ取り”となるわけですが、実際のところはどうなのでしょう? マツダ3のスカイアクティブX仕様から、その実力を明らかにしていきましょう。
【今回紹介するクルマ】
マツダ3ファストバック・スカイアクティブX
※試乗車:Xバーガンディ・セレクション(2WD AT)
価格:319万8148円~368万8463円
現状のラインナップでは最もスポーティなスペックに
まずは、マツダ3のおさらいから。元々、日本では「アクセラ」と名乗っていたハッチバック&セダンで、欧州のクラス分けに当てはめればCセグメント級。つまり、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」や「プジョー308」、日本では「トヨタ・カローラ」あたりが競合モデルとなります。その源流が「マツダ・ファミリア」といえば、ベテランのクルマ好きには位置付けが一層わかりやすいでしょう。
とはいえ、Cセグメント級だと思うとボディは大柄です。今回から「ファストバック」と名乗ることになったハッチバックの3サイズは、全長4460mm×全幅1795mm×全高1440mm。セダンに至っては全長が4660mmにもなりますから、純粋な大きさで分類するなら、もはやCというより欧州Dセグメント級のボリュームといえるかもしれません。
その特徴のひとつは、マツダのこだわりが詰まったスタイリング。シンプルでいながら、見る角度に応じてさまざまな表情を描き出す繊細な面構成は、キャラクターラインなどの彫りが深い近年の欧州勢とは対照的。人によって好き嫌いがわかれる造形ではありますが、個性的であることに異論を挟む人はいないでしょう。長いノーズとコンパクトなグラスエリアの組み合わせはスポーティでもあり、特に走ることが好きなマニア層なら好感を抱く人は多いはず。その意味では、消去法ではなく「指名買い」で選ばれる資質は十二分の出来映えといえるでしょう。