相模鉄道モヤ700形
黄色一色で目立つ架線検測用の「幸せの黄色い電車」
モヤ700形は7000系から改造された事業用車両。架線検測設備を搭載した701+702編成と、救援用大形ジャッキを装備する703+704編成の計4両が用意されている。検測作業の時には、4両で運行される。黄色一色で見ることが出来たら幸運とばかり、「幸せの黄色い電車」と呼ばれることもある。
◇運行の状況
モヤ700形はかしわ台車両センターに配置され、センターの外からも、その姿が確認できることも。運行予定は非公開だが、鉄道ファンの間では「モヤ検」の名前で目撃情報が報告されている。前回は2020年4月中旬の平日午後に行われた模様だ。かしわ台駅→海老名駅→横浜駅→湘南台駅→二俣川駅→厚木駅(貨物線)→海老名駅といった行程が確認されている。
モヤ700形はJR厚木駅(厚木操車場)からかしわ台車両センターまで、新造車両を牽引することもある。厚木操車場と相鉄本線に連絡する相模国分信号場を結ぶ厚木線2.2km。列車があまり走らない路線を、黄色いモヤ700形が新造車両を従えて走るシーンは非常に貴重だ。見ることができたらかなりラッキーと言えるだろう。
近畿日本鉄道モワ24系「はかるくん」
線路幅の異なる近鉄全線を走って調べる働き者
通勤用電車2410系の2411編成を改造、2006年に生まれたのがモワ24系電気計測車だ。「はかるくん」とかわいらしい愛称が付けられている。2両編成で、架線の検査とATSなどの検査を行う。近畿日本鉄道には1435mmと、南大阪線・吉野線の1067mmという線路幅が異なる路線がある。このモワ24系は台車を取り替えて、両線路幅の路線の検測を行うことができる。台車の取り替えは橿原神宮前駅の構内で行われている。
◇運行の状況
モワ24系は近鉄山田線の明星検車区(三重県)に配置されている。近鉄路線は路線距離が長いせいか、はかるくん情報もツイッター等で報告されることも少ない。ちなみに南大阪線では自走はせずに、6200系3両編成と連結して走る。
近鉄路線内の運行日程は非公開だが、毎秋に開かれる「きんてつ鉄道まつり」の車両基地公開時に展示されることも。また近鉄の子会社、養老鉄道では、はかるくんが入線する日を公開している。モワ24系のうち1両(クワ25形)とこれまで610系D14編成とコンビを組み養老鉄道の路線を走った。すでにD14編成が2019年秋に引退しているので、今後、養老鉄道を検測するとしたら、どのような編成で走るのか気になるところだ。
西日本鉄道900形911編成「救援車」
西鉄の天神大牟田線などの路線を検測する“救援車”
2014年に通勤用電車5000形5123編成を改造して生まれた。車輌は黄色一色で、3両編成のうち中間車に架線検測機器を搭載し、天神大牟田線などの路線(西鉄貝塚線を除く)の検測作業を行う。他社の検測車両とは異なり、西鉄のホームページでは「救援車」として紹介されている。
◇運行の状況
救援車とは本線上で電車がトラブルに出会った時に救援に向かうために用意された事業用車両。特殊な役割を持つため本来の目的で出てくることは非常に少ない。車両は筑紫車両基地に配置されている。天神大牟田線を走る電車内から、車庫内に停まる900形が見えることも。基地は筑紫駅〜津古駅間にあるので乗車した時には、ぜひ筑紫車輌基地内に注目してみたい。