乗り物
鉄道
2020/5/24 18:30

【保存版】コロナ禍が終息したら乗りに行きたい「ローカル線」〈東海・北陸・西日本編〉

【四国地方のおすすめローカル線】

高松琴平鉄道 琴平線(高松築港駅〜琴電琴平駅32.9km)

↑8月いっぱいで見納めとなりそうなことでん名物のレトロ電車。走行時以外は仏生山駅に隣接する車庫に停められている

 

「ことでん」名物のレトロ電車の最後の運行が迫る

地元では「ことでん」として親しまれている高松琴平電気鉄道。同鉄道会社の3本ある路線の中で最も路線距離が長いのが琴平線だ。

 

路線は高松築港駅が起点となる。JR高松駅からは直線距離で250mほど(徒歩3〜4分)とやや離れている。駅は高松城のちょうど淵にあり、ホームと堀がほぼ接している。この高松城を縁取るように電車は発車する。2つ先の瓦町駅が、同鉄道では最大のターミナル駅で、長尾線が分岐、そして志度線の電車と乗換ができる。琴平線の電車はその先、仏生山駅(ぶっしょうざんえき)までは南下、この先は、琴電琴平駅へ向けてひたすら西へ走る。

 

高松琴平電気鉄道で注目されるのが、大正末期から昭和にかけて造られた電車4両が長年にわたり動態保存されてきたこと。毎月、「レトロ電車」の名前で琴平線を走り注目度も高かった。経済産業省の「近代化産業遺産」にも認定されていた貴重な車両でもある。ところが、老朽化し、維持し続けること難しくなってきていた。仏生山駅付近の複線化にあたり車庫内にスペースがないことなども重なり、廃車が決定された。最後の特別運行となる8月30日まで毎月走る予定だったが、残念ながらコロナ禍で6月までの運行が中止された。残りは7月と8月のみだが、果たして運転が適うかどうか、注目されている。

 

【関連記事】
日本最古級のお宝電車が走る「琴平線」に乗車—讃岐らしい風景に癒される

 

JR四国 予土線(若井駅〜北宇和島駅76.3km)

↑0系新幹線をイメージした「鉄道ホビートレイン」。キハ32形を改造して造られた。高知県側の正面のみ、0系新幹線ふうの形をしている

 

車窓から望む四万十川の清流とユニーク車両が魅力に

伊予(愛媛県)と土佐(高知県)の間を走る予土線。路線は変化に富む。愛媛県側の路線は大正期に軽便鉄道として造られたこともあり、カーブが多め。一方の高知県側は1974(昭和49)年の開業区間で、橋とトンネルで山河を抜ける。

 

予土線の高知県側の起点は若井駅だが、列車は一つ手前の窪川駅から発車する。途中の江川崎駅(えかわさきえき)までは、ひたすら四万十川に沿って走る。大きく蛇行する四万十川にそって走り、あるいは橋とトンネルで突っ切って列車が走る。進むにしたがい、山深く分け入っていく印象が強くなるが、実は四万十川の下流側へ向けて列車は進んでいく。つまり若井駅付近が上流、江川崎駅方面が下流になる。訪れるとちょっと錯覚を覚える不思議な流れだ。そんな四万十川の流れは、日本一の清流と呼ばれるだけに澄みきり底まで見通せる。途中、川には沈下橋が架かり、旅情を誘う。

 

ちなみに窪川駅〜宇和島駅間の全線を走る列車は5往復と少なめなので注意したい。そのうち2列車は「鉄道ホビートレイン」、「海洋堂ホビートレイン」で運行される(変更あり)。また週末の列車の1往復には「しまんトロッコ」も連結される。名物トレインで旅する楽しさも、この路線ならではの魅力となっている。

 

【関連記事】
日本一美しい四万十川を眺めつつ走る「予土線」の気になる12の秘密

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6