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2020/4/19 18:30

新型感染症の流行に「苦悩する鉄道」−−列車運休から駅なか営業まで気になる情報を調べた

〜〜4月・5月の鉄道各社の感染症への対応状況とその影響〜〜

 

新型コロナウイルス感染症が大変な広がりを見せている。緊急事態宣言が全国に拡大され、外出を自粛する動きがさらに広まってきた。

 

たとえ“非常時”であっても鉄道会社は電車、列車を動かさなければいけない。公共交通機関の宿命だが、JRを含めて、ほとんどが民間企業となった現在、長引けば鉄道会社の経営を圧迫する。ゴールデンウィークの期間を含め減便する動きも強まってきた。ここで全国の主な鉄道事業者の感染症への対応状況と、関連事業まで広がる影響にチェックしておきたい。

*データは4月16日現在。運休、減便が増える可能性がありますのでご注意ください。

 

【苦悩する鉄道①】渋谷駅利用9割減は歓迎すべきその一方で

国から緊急事態宣言が発令された最初の土曜日(4月11日)、電車の利用者が大幅に減少した。JR東日本の渋谷駅の利用者(定期券以外)は前の週に比べて9割減と伝えられている。

↑メインの写真は渋谷駅で最も賑わうハチ公口の4月14日の模様。ハチ公口の元東急5000系の前も3月27日と比べるとごらんの様な状況に

 

減少ぶりは東西でほぼ変わりない。JR西日本から発表された数字では、大阪駅の11日〜12日の利用状況は前年の12%となっている。12%減ではない。12%なのである。この数字は、感染症対策の上では歓迎すべき数字であろう。ところが、鉄道会社の側からみれば、非常に頭の痛いことになる。

 

現状、大都市圏を走る電車は、通常時とほぼ変わらずに運行されている。

 

減便しない理由として、“感染リスクを減らすために、満員電車をなくしてほしい”という「社会的要請」が大きい。そのために朝夕の一部の電車を除いて、通常時と比べてほぼ1割しか乗っていない状況も起きてきている。日中は“がら空き”電車が多くなりつつある。

 

鉄道会社の売上のうち、およそ四分の一(JR東日本の場合、約27%とされる)は定期券収入が占めている。この一定の収入が確保されているので、短期間であれば、持ちこたえることが可能となる。このあたり航空会社のように利用者減=収入減と直結しない。

 

ところが長期にわたるとなると、話は変わる。定期券の途中解約もしくは、購買の見合わせということが起こり始め、収入の減少に直結するようになる。電車を動かすにしても、電気代そのほか、経費がかかっているわけで、この状態が長引けば、それだけ経営も厳しさを増していく。

 

すでに鉄道各社もこうした状況に対応し始めている。今のところ通勤・通学の足は変わらず走っているが、出張および、観光利用が多い列車は大幅に減便が進んでいる。どのような列車が減便となっているのか、確認しておきたい。

 

【苦悩する鉄道②】東海道新幹線は臨時「のぞみ」全列車が減便

まずは新幹線の減便状況を見ていこう。

 

◇東海道新幹線

最初に東海道新幹線。4月24日(金曜日)以降5月6日までの期間、臨時「のぞみ」を運休させる。そのため1日平均約100本が運休となる。全体の2割強の列車を運休させるというのだから、かなり思い切った策である。ダイヤなど詳細は4月20日(月曜日)に発表される予定なのでご注意いただきたい。

 

ちなみに東海道新幹線内を走る「ひかり」「こだま」の減便に関しては触れられていない。遠方へ向かう利用者が多い臨時「のぞみ」から減らそうという試みだ。

↑東海道新幹線では週末の金曜日やGW期間5月6日までに運行される臨時「のぞみ」の全列車の運休が発表された

 

◇山陽新幹線

山陽新幹線では、東海道新幹線の減便と合わせて、GW期間中を中心に運行が予定されていた臨時「のぞみ」のほか、新大阪駅〜鹿児島中央駅間を結ぶ臨時「さくら」。新大阪駅〜博多駅(一部は広島駅)間を結ぶ臨時「ひかり」も減便される。減便される期間は5月31日までの予定となっている。

 

◇九州新幹線

気になるのは九州新幹線の現状だ。山陽新幹線と相互乗入れが行われる臨時「さくら」は、JR西日本に合わせて運休となる。そのほか自社線区間にあたる博多駅〜熊本駅間を走る定期列車「つばめ」の土・日曜日、GW期間を中心にかなりの減便が予定されている。一部の列車は5月31日までの運休予定だ。「つばめ」は30分〜1時間おきに運行されていた。「つばめ」の減便で、「さくら」が停車しない新大牟田駅、新玉名駅など通過する駅の利用者は不便になりそうだ。新幹線の定期列車の運休は同社のみなので注目したいところだ。

 

◇東北・上越新幹線ほか

JR東日本が運行する各新幹線の列車の状況はどうだろうか。

 

GW期間中を中心に運行される予定だった東北・北海道新幹線の臨時「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」の計328本。同じくGW期間中を中心に秋田新幹線の臨時「こまち」を計99本、山形新幹線の臨時「つばさ」が計163本、上越新幹線「とき」「たにがわ」が計165本、北陸新幹線「かがやき」「はくたか」「あさま」の計303本の臨時便の運休が決まった。すでに上越新幹線を走る「現美新幹線」の運休も発表されているので、これまでに例を見ない規模といって良いだろう。

 

これらの減便情報は4月17日まで発表された情報をまとめたもの。間近になり、さらに減便される可能性も出てきているのでご注意いただきたい。

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