乗り物
クルマ
2020/11/17 6:45

識者たちが持論を展開!“遊べる”クルマの条件とは?

スズキ・ハスラーやダイハツ・タフトのように“遊び”を打ち出すクルマが増えてきた。でも、人それぞれの遊び方が異なるように、遊べるクルマの概念も違うはず。ここでは4人の識者が考える“遊べるクルマ”を語ってもらおう。

※こちらの記事は「GetNavi」 2020年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【No.1】岡本幸一郎にとって、“遊べる”クルマとは

目的地に着くための移動手段ではなく走ることを存分に楽しめるクルマ

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

新型車を幅広く網羅し、あらゆるジャンルのクルマに精通。これまで25台のクルマを乗り継ぐ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

スズキ

スイフトスポーツ

187万4400円~214万1700円

スイフトのなかでもスポーツ性能をとことん追求したモデル。軽量高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」と直噴ターボエンジン、970kgの軽量ボディが生み出す“意のままの走り”を楽しめるモデルだ。

SPEC●全長×全幅×全高:3890×1735×1500mm●車両重量:970kg(6MT)●パワーユニット:直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:140PS(103kW)/5500rpm●最大トルク:230Nm(23.4kg-m)/2500~3500rpm●WLTCモード燃費:17.6km/L(6MT)

 

意のままに操れる楽しみは走ることを遊びにする

“遊べる”にも色々あるけれど、クルマを使って何かをするのではなく、運転したときの感覚が楽しいので、走ることそのものが遊びになるのがスイフトスポーツだ。このクラスの日本車では珍しいターボ付きのエンジンはとってもパワフルで、6速に刻まれたMTのシフトフィールも気持ちイイ。ハンドリングも刺激的で、行きたい方向にスイスイと曲がれるのも楽しい。小柄で軽いからすべて手の内で意のままに操れる感覚もある。目的地までの移動手段ではなく、アクセルを踏んでシフトチェンジしてステアリングを切って、ただ走っているだけで存分に楽しめてしまう。しかもリーズナブルな価格なのもうれしいじゃないか!

 

↑仕様変更で安全運転支援技術も進化。車線変更時の安全確認をサポートするブラインドスポットモニターも装備する

 

↑低回転域から高いトルクを発揮する1.4L直噴ターボエンジン。アクセルを踏み込めば、よりパワフルな走りを体感できる

 

【No.2】並木政孝にとって、“遊べる”クルマとは

ガンガン積めて、ガンガン走れて相棒になれるクルマ

自動車ライター

並木政孝さん

輸入車雑誌編集長を経たのちフリーライターへ。クルマはもちろんバイク、自転車など幅広い乗り物に精通する。最近はe-bikeも好み。

ダイハツ

ハイゼット トラック ジャンボ

111万6500円~143万5500円

キャビン長を拡大してリクライニングできるシートを備えた、くつろげる軽トラック。荷台長は1650mmと十分で、長尺物の積載に便利なスペースを確保し、1990mmの荷台フロア長も実現している。

SPEC【ジャンボ SAⅢ 4WD 4AT】●全長×全幅×全高:3395×1475×1885mm●車両重量:850kg●パワーユニット:直列3気筒DOHC●最高出力:53PS(39kW)/7200rpm●最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/4000rpm●JC08モード燃費:17.4km/L

 

日本が誇る元祖SUVはひとり遊びの強い味方

ボクにとって遊べるクルマの定義は「ひとり遊び」ができること。最近は密を避けることが当たり前だが、ひとりで遊べる趣味を持っているとコロナのストレスなど微塵も感じない。趣味であるキャンプや釣りは仲間たちと楽しむこともできる一方、ひとりで楽しむこともできる。そう考えると、日本が誇る元祖SUV、ハイゼット トラック ジャンボがベストな選択。居住スペースは余裕があり、リクライニングができるので快適。その気になれば荷台にテントを張ってキャンプもできる! 車重の軽い軽トラは悪路にも強く、4WDを選べば鬼に金棒。最近はカラバリも豊富で、商用車のイメージが薄くなっているのも大きな魅力だ。

 

↑4WDモデルは2WDと4WDの切り替えができるパートタイム方式を採用。悪路などでは4WDの高い駆動力を発揮する

 

↑キャビン長を拡大し、リクライニングが可能に。シート背面には荷物置きなど様々な用途に活用できるスペースを確保する

 

【No.3】清水草一にとって、“遊べる”クルマとは

ただそこにある、走るだけで非日常を味わえるクルマ

モータージャーナリスト

清水草一さん

世界中のクルマメーカーのへの取材経験を持つジャーナリスト。スーパーカーをはじめあらゆるジャンルのクルマに精通。

マツダ

ロードスター

260万1500円~333万4100円

風と一体になる喜びを体感できるライトウェイトオープンスポーツ。どこから見ても美しいエクステリアデザインと、ドライビングを楽しむためにシンプルにまとめあげられたインテリアデザインの調和も美しい。FR専用設計の1.5Lガソリンエンジンで、軽快な走りを楽しめる。

SPEC【S Leather Package 6EC-AT】●全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm●車両重量:1060kg●パワーユニット:1496cc直列4気筒DOHC●最高出力:132PS(97kW)/7000rpm●最大トルク:152Nm(15.5kg-m)/4500rpm●WLTCモード燃費:17.2km/L

 

走るだけで楽しく美しい 世界で見ても稀有なモデル

クルマで遊ぶというと、何か荷物を積んで、というのが一般的だけど、クルマは本来走るだけで遊びになる。ボディが美しければ、洗うのも遊び。いや、見るだけでも遊びと言える! ロードスターは、ただ走るだけでいろいろ遊べる。オープンにして良し、クローズにして良し。真夏の夜のオープンドライブはまさに非日常だし、ロングドライブはちょっとした冒険気分。2シーターのオープンスポーツに、どう荷物を積もうか思案するのも遊びだ。そして、ロードスターは美しい。全世界の現行モデルのなかで、ナンバーワンではないだろうか? このサイズでこのグラマラスなボディ。そこにあるだけで遊びになるのだ。

 

↑オープンカーながら容量130Lのトランクを装備。550×400×220mmサイズのソフトタイプのキャリーバッグなら2つ積み込める広さを確保する

 

↑ドライバーが運転に必要な動きを確実に行うことを念頭に作り込まれたコックピット。寒い季節のオープン走行時に快適なシートヒーターも備える

 

【No.4】上岡篤にとって、“遊べる”クルマとは

目的地に確実にたどり着き無事に帰って来られるクルマ

GetNaviクルマ担当

上岡 篤

クルマだけでなく乗り物全般はデカいモノが好き。ただし全幅1980mmのランクルで世田谷区の狭い路地に手こずった経験アリ。

トヨタ

ランドクルーザー

482万6800円~697万4000円

世界170か国以上で愛されている最強4駆SUV。現行モデルでは5つの路面状況に応じたブレーキ油圧制御と最適な4輪駆動配分を行う「マルチテレインセレクト」を搭載。ドライバーはセレクトスイッチを操作するだけだ。

SPEC【ZX】●全長×全幅×全高:4950×1980×1870mm●車両重量:2690kg●パワーユニット:4608ccV型8気筒●最高出力:318PS(234kW)/5600rpm●最大トルク:460Nm(46.9kg-m)/3400rpm●WLTCモード燃費:6.7km/L

 

絶対的な走破性能は行動範囲を広げてくれる

ランドクルーザーは目的地に確実にたどり着き、そして無事に帰って来られることを使命とするクルマだ。高度なテクニックがなくとも、スイッチ操作ひとつで悪路を突破できることへの安心感は絶大。さらにはモニターを通じて現在のタイヤ位置と進むべき道も教えてくれる。頼れるランクルは、行動範囲をグンと広げてくれる。

 

世界でもその信頼は高く、中東ドバイなどで催行されるデザートサファリ(砂漠ツアー)で使われるのは、ほぼランクル。砂漠のど真ん中で壊れてしまえば、それは死に直結する危険になる。そんな遊びにランクルが使われるのも、無事に帰って来られる走破性能を有しているからだ。

 

↑ラダーフレームはランクルの特徴のひとつ。悪路でフレームが歪んだとしても、ボディへの影響を最小限に食い止めることができる

 

↑本格的なクロカンSUVながら、インテリアは上質。大人7人が余裕で乗れる広さも魅力だ。エアコンの吹き出し口は28か所もある

 

 

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