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2020/11/6 17:30

新型「タフト」は日常の使い勝手と、アウトドアに出かけたくなる非日常のイメージを見事に両立!

今、世界的に人気が高まっているのがコンパクトSUV。その流れは軽自動車にも波及しています。その先駆的存在であるスズキ「ハスラー」のライバルに当たるのが、先日発売されたダイハツの「タフト」。そのターボとNAエンジンに試乗するとともに、内装やラゲッジスペースについてもチェックしてみました。

 

【今回紹介するクルマ】

ダイハツ/タフト

※試乗車:Gターボ/160万6000円~173万2500円

※試乗車:G/148万5000円~161万1500円

↑ボディカラーはフォレストカーキメタリック

 

アウトドアギア感のある外観と遊び心を感じるインテリア

タフトの外観デザインはなかなか存在感があります。一見すると軽自動車と思えないくらい。フェンダー部分をブラックアウトするなど、軽自動車サイズの中でうまくSUVの雰囲気を作り出しています。ライトやフェンダーのラインはスクエアで、丸目ライトを基調としたハスラーとは対極的ですが、この辺りは好みの部分でしょう。

↑ボディカラーはレイクブルーメタリック

 

↑最低地上高は190mmと高め。アプローチアングル27°、ディパーチャーアングル58°と未舗装路でも安心

 

タフトのボディカラーはレイクブルーメタリックやフォレストカーキメタリック、サンドベージュメタリックなどポップな色合いを含めて全9色設定されています。Xグレードのみ、選択できるボディカラーは5色。自分らしさを追求したいユーザーに向けて、さらにオプションのメッキパックなどを装着することでコーディネートが楽しめます。こういうのはダイハツらしい遊び心ですね。

↑シンプルなフェイスデザインとブラックのフェンダーがSUVっぽさを高めています

 

↑こちらはオプションの「メッキパック」装着車。より押しの強い印象に。他に「ダークブラックメッキパック」もオプションとして用意されています

 

↑リアゲートにもメッキのパネルが装備され、存在感が高まっています

 

インテリアデザインもユニークで遊び心を感じさせるものです。インパネのデザインは外観と同じくスクエア基調で、随所にアクセントカラーが配されています。このアクセントカラーはシートにも施され、座面の配色パターンと合わせてアウトドア感を高めてくれます。シートのホールド感も良好で、ドライバーズシートに座るとSUVらしい囲まれ感もあるコックピットです。

↑直線基調のコックピットにはカップホルダーや大型インパネトレイなど、ダイハツ車らしく小物入れなども充実

 

↑ホールド感も高く、長時間のドライブでも疲れにくそうなカモフラージュ柄のシート

 

インテリアのハイライトは全グレードに標準装備される「スカイフィールトップ」。固定式のガラスルーフですが、ルーフの前方まで広がっていてドライバーの視界に入るくらいなので、運転していても開放感が感じられます。ヘッドスペースもハイトワゴンに匹敵するくらい広いのですが、さらに広く感じさせる演出です。

↑その名の通り空を感じられるガラスルーフ

 

↑後席はスライド機構はないものの足元もヘッドスペースも広い

 

ラゲッジも広く車中泊も可能

ラゲッジスペースの広さやフレキシブルさも、SUVの名に恥じないものです。リアシート裏のスペースは、一般的な軽ハイトワゴンと同レベルですが、底面の「フレキシブルボード」を外すことで荷室を深くできます。このボードは底面に敷くことも、シートの背面に立てかけることもでき、底面に敷いた場合は140mm、立てかけた場合は165mm標準状態よりも荷室を深くすることが可能。高さのある荷物を収納する場合に重宝する機能です。

↑標準状態のラゲッジスペース。軽自動車としては十分広めです

 

↑「フレキシブルボード」を外して立てかければ荷室の深さを確保することが可能

 

後席を前方に倒せば、フラットで広大なラゲッジスペースを作り出すことが可能です。かさばるキャンプ道具などを積むのに都合が良さそう。後席は左右分割で倒すことができるので、2人乗車で荷室容量を確保することも、乗員を優先して3人乗車とすることもできます。

↑後席を倒してフレキシブルボードを上段にセットすればフラットなスペースが出現

 

前席をリクライニングさせれば、流行りの車中泊も可能です。フロントのシートバックとリアシートの座面がフラットになるので、クッションのある面に寝ることが可能です。大人2人は並んで寝ることができそう。ただ、ちょっと残念なのがハスラーは後席と前席をどちらも前に倒してフラットな面に寝ることも可能なのに対して、タフトはそのタイプのシートアレンジに対応していないことでしょうか。

↑フロントシートのヘッドレストを外してリクライニングすると車中泊可能なスペースが作れます

 

↑身長175cmの筆者の場合、真っ直ぐ寝るとリアシートに頭が当たりますが枕代わりになる感じ

 

小回りの効くハンドリングが心地いい

実際にドライビングシートに腰掛けてみると、視界はなかなか良好。SUVらしく着座位置が高めなのが効いているようです。スクエアな形状のボンネットは両端が視界に入るので、狭い道などでの見切りも良い。シートのホールド感も高いので、長時間のドライブでも疲れが少なそうです。

↑視界が広く「スカイフィールトップ」の開放感もあって気持ち良くドライブできます

 

今回は一般道での試乗が中心だったのですが、街中では取り回しの良さが光ります。聞けばタイヤが軽自動車としては大径な15インチであるにも関わらず、最小回転半径は4.8mに抑えているとのこと。SUVとしての走破性を高めながら小回りが効くので、キャンプ場に向かう狭い道などでも安心して運転できそうです。

↑SUVらしくストロークが長めのサスペンションでロールは大きめですが、タイトに曲がれるのが楽しい

 

エンジンはターボとNA(自然吸気)の2種類。最高出力は前者が64PS、後者が52PSですが、NAモデルも十分にパワフルで非力さを感じることはありませんでした。ターボモデルは出だしの加速が良く、高速道路の合流などでも余裕を持って走れるので、遠出を考えている人にはこちらがおすすめ。燃費に大きな差はないので、予算に余裕があればターボを選びたいところです。

↑ターボモデルの燃費は2WD車で20.2km/L、4WD車で19.6km/L(ともにWLTCモード)

 

↑NAモデルの燃費は2WD車で20.5km/L、4WD車で19.7km/Lと大きく変わりません(ともにWLTCモード)

 

↑近年のターボエンジンらしく低回転からの加速が俊敏です

 

カスタマイズ向けのアクセサリーパーツが豊富に用意されているのも「タフト」の魅力の1つ。ダイハツではメッキパーツを多用したものから、アウトドアイメージを高めたものやクラシカルな雰囲気のものなど、3つのスタイルを提案しています。

↑こちらはドアハンドルなどをブラックアウトし、ガンメタのホイールを履いた「マッドスタイル」

 

↑シルバーのホイールや、ドアハンドルなどメッキパーツを採用した「クロームスタイル」

 

↑ホワイト塗装のスチールホイールやキャリアなどを装備した「チルアウトスタイル」

 

↑前車を追従するアダプティブクルーズコントロールなど安全装備が充実しているのもうれしいところ

 

フラットなラゲッジスペースと、タイトなコックピットやドライブフィール、そして開放感のある車室など、遊び心を高めてくれる魅力を多く持った新型タフト。日常の使い勝手と、アウトドアに出かけたくなる非日常のイメージを絶妙に両立しているのが一番の魅力だと感じました。近年は新車販売台数の過半を占めるほど人気の高まっている軽自動車ですが、こうしたSUV的なイメージの選択肢が増えたことを歓迎するユーザーは多いはず。平日は買い物や足代わりに使える利便性があり、休日は荷物を積み込んでキャンプやアウトドアに出かけるといった使い方にピッタリの1台です。

 

SPEC【Gターボ(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1630mm●車両重量:840kg●パワーユニット:658cc直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:47kw[64PS]/6400rpm●最大トルク:100N・m[10.2kg・m]/3600 rpm●WLTCモード燃費:20.2km/L

 

SPEC【G(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1630mm●車両重量:830kg●パワーユニット:658cc直列3気筒DOHC●最高出力:38kw[52PS]/6900rpm●最大トルク:60N・m[6.1kg・m]/3600 rpm●WLTCモード燃費:25.7km/L

 

撮影/松川 忍

 

 

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