数年前まで、“冬の時代”といわれていたのが一転、春を飛び越え、夏のアツさのごとく、ヒートアップしているのがスポーツカー市場です。特にS660は、「予約交渉できる抽選会の倍率が十数倍だった!」というエピソードもあるなど、他車にはない熱量を帯びています。
本格的すぎる車体構造で2か月で2200台以上を販売!
ホンダ S660
198万円~218万円
1996年に販売を終了したビート以来となる、ミッドシップの軽オープン2シーター。低重心なうえ、前後45:55の理想的な重量配分を実現し、高い走行性能を誇っています。車名の「S」は「スポーツ」を意味する。
ホンダのアフターパーツを製造する無限ブランドでは、ハードトップタイプを用意。こちらにも既に多くの問い合わせが入っています。
関連動画:「無限 S660のパーツをじっくり撮影、ちょっと走りもあり」
生産は八千代工業 四日市製作所が担当。熟練の技能者による手作業を多く採り入れて少量生産されています。高級車さながらの作り方です。
ホンダ S660の3つのスゴさ
スゴさ1つ目 月産台数2割増!
当初月産800台だった生産台数を2割増やして、月産960台体制で製造。月間で500台売れればヒットモデルといわれる国内スポーツカー市場では異例の数字といえます。
スゴさ2つ目 最速納期2016年1月!
2015年販売分は6月のオーダー受付ですべて完売済。次回のオーダー受付は10月ですが、こちらもすぐに完売することが予想されています。納期の最速は2016年3月以降。
スゴさ3つ目 開発責任者は22歳!
開発責任者の椋本 陵氏は26歳で、任命されたのは22歳のとき。話題性のためではなく、社内の企画コンペのプレゼンで最も役員の心を打つ提案をしたのがきっかけ。
ヒットの要因について、自動車評論家の岡本幸一郎さんがこう分析しています。
「198万円~218万円という価格がポイントです。これは軽自動車としては高いが、スポーツカーとしては安いプライス。しかも、車体構造はミッドシップを採用し、性能は本格そのものです。それが200万円前後で手に入るのですから、普通のスポーツカーには手の届かない人からも注目を集めているのだと思います」
S660は趣味性の高いモデルだけあり、アフターパーツも豊富。周辺市場を盛り上げながら、ヒットはしばらく続いていきそうです。
SPEC(MT)
●全長×全幅×全高:3395×1475×1180mm
●車両重量:830kg
●総排気量:658㏄
●エンジン:直列3気筒DOHC+ターボ
●最高出力:64PS/6000rpm
●最大トルク:10.6kg-m/2600rpm