車高が少し高く、荷物もたくさん積めるカッコ良いクルマ——SUVのイメージはほぼ同一だが、運転のしやすさや使い勝手はやはり異なる。SUVの購入検討時に必ずチェックすべき点を、多くのSUVに乗車経験があるプロが伝授する!
※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。
【私が解説します!】
【Point.1】エンジン車 or ハイブリッド車
・燃費だけでなくドライビングフィールにどんな違いがあるか
いくらハイブリッドが低燃費でも、価格差の元を取るのはまず無理で、むしろ走り味の好みで選ぶべき。最近ではレスポンスが良くトルクフルで走りが気持ち良いハイブリッドが増えているので、そこに価値を見出せるかどうかでどちらを選ぶか決めたほうが賢明だ。
<トヨタ・CH-Rの場合>
トヨタのコンパクトSUV。リアのドアノブをCピラーに隠すなどクーペライクなデザインが特徴。1.2Lモデルには6MTも用意され、その走りをアピールする。
■エンジン車
価格:238万2000円〜271万5000円
燃費:14.9km/L(WLTCモード)
ターボ搭載の1.2Lエンジンはアクセルの操作に応じて瞬時に反応。滑らかに素早く伸びていく加速フィーリングを楽しめる。
■ハイブリッド車
価格:274万5000円〜304万5000円
燃費:25.8km/L(WLTCモード)
モーターが生み出すトルクをフル活用。動き出しの瞬間からアクセルに反応してスムーズに走行できる気持ち良さを実感できる。
【Point.2】運転のしやすさ
・乗降がしやすくドライビングポジションを取りやすいか
・前方だけでなく後方や斜め後方の視界も良いか
地上高が高いので、まずは乗降性が大切。最近ではサイドシルの下まで回り込んでドアが開閉するタイプが増えており、乗り降りしやすく服が汚れにくいなどメリットが多い。乗り込んでからは、ドライビングポジションの取りやすさや全方位の視界を確認しよう。
【Point.3】フロントシートまわり
・どのような収納スペースがあるか
・いまや必要不可欠なUSBなどの端子類はあるか
運転環境と同じく、利便性も大切。USB端子がどこにあり、スマホがどこに置けて、コードをどのように取り回せるかなどもイメージしてみると良い。さらにスイッチ類の設定がどうなっているか、車種によって様々なタイプがあるので、しっかり確認しておくべきだ。
【Point.4】リアシート
・乗降性と、着座したときにどれだけの余裕スペースがあるか
・快適にドライブできる装備はあるか
前席と同様、まず乗降性が大切。特に後席はドアの開く角度やドアの内張り、シートの角の形状の影響を受けやすい。さらに着座時の各部のクリアランスを確認。フロア中央部の張り出し具合や、リクライニングできるかどうかも一応調べておいたほうが良い。
【point.5】ラゲッジスペース
・テールゲートの開口形状やフロアの地上高
・リアシートを前倒ししたときの拡張性はどれだけか
テールゲートがどのように開くか、開くとどのような形状になっているか、ゴルフをする人はバッグが積みやすそうかどうか等をチェック。さらにリアシートを前倒しするとどうなるのか、フロア下のアンダーボックスがどのような形状になっているかもチェックしたい。
【Point.6】安全運転支援技術
・機能の内容と他社との違いは何か
・高速道路でのACCはスムーズか
どのような機能があるか、他社との違いは何か、どんなセンサーを使っているか、得意/不得意な点をできるだけ詳しく理解しておいたほうが良い。試乗時に高速道路に乗れれば、ACCの追従のスムーズさや、車線維持機能がどのように利くかも確認してみよう。
【Point.7】快適・便利機能
・グレードごとの標準装備と、オプションで必要な費用はどのくらいか
車種によっては他車にない特徴的な装備が設定されているケースもある。同じ車種でもグレードによって設定が異なり、好みのオプションが選べないこともあるので、そのあたりはできるだけ詳しく情報を収集すべし。上級グレードを選んでおけばほぼ間違いはない。
○……標準装備 △……メーカーオプション ×……装着不可