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2022/10/27 20:45

京セラ、夜間走行時のセンシングに大きな効果をもたらす「車載ナイトビジョンシステム」を技術発表

夜間ドライブに大きな安心感として効果を発揮してくれそう

説明会終了後は、模型を使ったデモンストレーションが行われました。大型モックアップのヘッドライト内にはWhite-IR照明が埋め込まれ、フロントグリル中央にRGB-IRを組み合わせて車載ナイトビジョンシステムとしています。車載ナイトビジョンシステムによってセンシングされた映像はモニターを通して確認できるようになっていました。

↑デモに使われた模型とそのディスプレイ部を備えたジオラマ

 

部屋が明るい状態でも被写体をセンシングした枠がモニター上で反映されていましたが、この状態では暗い場所での効果がわかりません。そこで照明を落とすと、モニター上には車載ナイトビジョンシステムによるセンシング状態が浮かび上がりました。驚いたのはそのセンシングがかなり広い範囲まで届いていることです。一方の白色光だけの照射では、照射した光が当たった中央部以外はセンシングされないままとなっており、その差は歴然としていました。

↑車載ナイトビジョンシステムで照射した結果。近赤外光も併用するため、両サイドの暗闇に配置された駐車車両や黒いクルマ、さらには端にいる歩行者までしっかりと検知している

 

特に見分けがつきにくい黒い車両でも鮮明に捉えていたほか、左右の生け垣の奥にいる歩行者の存在も見事にセンシングしていたのには驚きました。これなら夜間走行時に歩行者を捉えるのも容易ですし、何よりも横断歩道を渡ろうとしている歩行者をセンシングしてくれることことへの期待値も上がります。これを使えば、視認性が下がる夜間の雨天時でも安心度が高まるのえはないかと感じました。

↑画面内に白色光だけの画像で危険要因を検知させた映像(左)と、近赤外光の画像も併用する車載ナイトビジョンシステムの検知映像(右)の比較。検知範囲が大きく違う

 

また、レーザーを使っていることで、人間の目に対する影響を心配する声も上がりましたが、それについて担当者は「レーザー光の出力を分散させることで、同じ場所にレーザーが集まらないような設計としています。今回のデモでは近赤外線の方を幅広く照射し、白色光を狭めて照射し、さらに反射板を併用することで人の目に直接入らないようにも工夫しています」とのことでした。

 

この車載ナイトビジョンシステムを車載で展開する場合は、基本的にセンシングした結果をインフォテイメントシステムに反映させることとなります。たとえばメーター内とか、ヘッドアップディスプレイ上に展開することも考えられるとのこと。発表された車載ナイトビジョンシステム、実装されれば夜間ドライブで大きな安心感を生んでくれそうだと思いました。

 

 

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