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2022/12/14 20:45

エネチェンジの新サービス「マンションゼロプラン」で、マンションへのEV充電導入のコストが抑えられる!

EV充電サービス事業を展開しているエネチェンジは11月11日、「EV充電エネチェンジ」として、新たにマンション向けEV充電サービスへの新規参入を発表しました。新サービスの設置費用・月額費用をゼロ円とする「マンションゼロプラン」の認知拡大を目指します。また、発表会では、女優・創作あーちすと のんさん本人が登場して新CM発表会も同時開催されました。

↑エネチェンジのマンション向け充電器の発表会に女優・創作あーちすと のんさんが登場

 

「マンションゼロプラン」では利用者が料金を負担するのみ

この日の発表会で明らかにされたのは、エネチェンジがマンション充電サービスへ新規参入すること。これまで、駐車スペースが共同管理となっているのがほとんどのマンションでは、居住者それぞれの立場の違いからEV用充電システムの導入が思うように進まないという事情を抱えていました。そんな中でエネチェンジは、マンションでの導入拡大に向けて、2つのプランを発表したのです。

↑2022年は“EV元年”と言われるようになり、普通充電システムの普及を考えるタイミングにきたと説明

 

↑エネチェンジはまず目的地充電からスタートし、この日の発表はクルマを使わない時間帯での基礎充電に重きを置いた

 

↑日本で充電器を普及させるにあたり「出力kW数が時代遅れ」「マンションでの普及が遅れている」という2つの課題がある

 

一つは共有部分での設置費用を無料にする「マンションゼロプラン」で、もう一つは専有部分となっている駐車場への充電器を設置する「マンションスタンダードプラン」です。

↑エネチェンジでは設置場所に合わせた2つのプランを用意。マンションゼロプランが選べるのは共有部に設置した場合が対象となる

 

↑マンションでの充電スペースを設置するイメージは大きく「共用部への設置」「専有部への設置」の2つの対応がある

 

「マンションゼロプラン」は、共有部に設置する普通充電システムの機器代(工事費含む設置費用含む)をはじめ 、月額費用、電気代負担までも0円にするというもの。代わりに利用する人からは充電料金として10分55円/kWhを徴収します。いわば、共有部に充電器を設置して、不特定多数の利用者が費用負担するものと言えます。

 

このプランには導入条件がありますが.「駐車場の車室が40台以上のマンション」「居住者に加え来訪者などのマンション関係者も利用可能な共用駐車場への設置」「マンション1施設あたり充電器2台設置」の3つの条件をクリアすればOKとのことです。

↑新たに登場した充電器は壁掛け型となっており、マンションの壁面に容易に設置できる省スペース性がポイントとなる

 

「マンションスタンダードプラン」では、専有部への設置ということもあって費用負担が発生します。エネチェンジによれば、設置費は21万6000円(機器代、工事費込)で月額費用は3300円/月と設定。電気代の負担は0円ですが、充電料金は10分35円/kWhと割安に設定しているのが特徴となります。

 

両プランで共通するのは、設置する普通充電器の基本出力を“6kW”としていることにあります。実は、これまで日本国内で普及してきた普通充電設備は大半が“3kW”でした。それを2倍の出力で効率よく充電していこうというわけです。

 

さらに設置する充電設備も、既に発売されていたスタンド型の『チャージ1』『チャージ2』に加え、新たに壁掛けに対応した『チャージ3』を追加してラインナップも拡充しています。エネチェンジによれば、「3製品とも充電機能は同じで、設置場所に応じて最適なものを選んでほしい」とのことでした。

↑マンション向け充電器は3タイプをラインアップする。右側の卵形の製品が新たに発表されたもの。機能面では同じだという

 

2027年までに国内3万台の6kW普通充電の設置が目標

発表会で登壇したエネチェンジ代表取締役CEOの城口洋平氏は、マンションゼロプランが実現できた背景について、「弊社がホテルなどで設置してきた目的地の充電ネットワークがあるからで、そのエコシステムがあればこそ。他社が参入しようと思ってもそう簡単にはできない。それほど考えられた設計になっている」と説明。そうした背景から城口氏は、「今回発表したマンション向けサービスを含めて2027年までに国内3万台のEV充電器の設置を目標にしている」との意気込みを示しました。

↑設置費用0円の「マンションゼロプラン」をアピールするエネチェンジ代表取締役CEOの城口洋平氏

 

城口氏は設置を進める充電器を6kWとしていることにも触れ、「普段生活しているロンドンでは、普通充電器の大半が6kW以上の高出力型となっている」とし、「EV普及期に来ている日本でも6kWの充電器の普及させていきたい」としました。一方で6kWの充電器を普及させても、車両側で3kWに入力を制限している場合もあります。

↑欧米では6kW以上が主流で、3kWは消滅傾向にあるという。データはロンドン中心部での設置状況

 

実は日本のEVに対する充電サービスでは、充電した電力量に応じて従量課金されるのではなく、単純に充電した時間で課金される仕組みとなっています。そのため、入力が3kWの車両にとっては割高な料金が強いられかねないのです。

 

これについて城口氏は、「できるだけ早い時期に3kW車が不利益にならないような課金システムを提供したい」と回答。基本的には半額とするそうで、それも車種によって自動判定できる仕組みになるとので、ユーザーの手間はかからないとのことでした。

↑充電出力を3kWから6kWにすることで、充電時間は単純計算で半分の時間で充電が完了可能になる

 

また、マンションでの充電では、6kW対応が別の側面でも大きな効果を発揮すると城口氏は説明します。それは充電時間が短くなることで、充電の回転率が確実に上がるということです。それに伴い、マンションゼロプランでは、アプリを使い充電が完了した時点でユーザーに通知して移動を促します。もし、それを無視した場合は一定の課金を加えるペナルティも設定できるとのことでした。

↑「EV充電エネチェンジ」は2つのアプリを活用して充電・課金ができるようになっている

 

 

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