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2023/3/12 20:30

メルセデスのEVにようやく主役が登場! 最高級EVのベンツ「EQS」に試乗した感想は。

「宙に浮かんで走ってるみたい!」

今回試乗したEQSは、後輪駆動のEQS450+だ。EQSには、4駆の高性能版「AMG EQS53 4MATIC+」も存在するが、今回はお安いほうのグレードだ。450+は、システム最高出力333PS、53 4MATIC+は658PS。ほぼ2倍もの差がある。お値段も1578万円対2372万円と、かなりの差がつけられている。

 

ちなみにEQSのバッテリーの容量は、どっちも107.8kWh。私が「意外と航続距離が短いなぁ」と感じた「EQA」は66.5kWhだから、2倍までは行かないが、だいぶ差がある。おかげでEQS450+の航続距離は、カタログ上700kmを誇っている。実用上も500kmくらいは行くだろう。

 

で、実際に走らせたイメージはどんなものかというと、これまた「謎の円盤」としか言いようがなかった。333馬力の加速は、EVとしては控え目なほうだ。日産「アリア」やヒョンデ「アイオイック5」あたりとも大差はない。しかし、アクセルを全開にする機会なんて、そうそうあるもんじゃないから無視していい。それより重要なのは、フツーに走って、どれくらい高級感があるかだ。なにしろこれは、メルセデスの最高級セダンなのだから。

↑コックピットの機能と操作は基本的にSクラスと同様。EQS 450+に標準装着されるステアリングは本革巻

 

EQS450+の乗り味は、高精度感がすさまじい。「これぞメルセデスのフラッグシップ!」と唸るしかない。新型Sクラスに手を抜いたぶん、きっちり手をかけた印象である。

世のEVの多くは、SUV風のボディ形状+バッテリーによる重量増加+重心の低さによって、自然と硬く締まったスポーティな乗り味になりがちだ。それはEQA等のメルセデス製EVも同じだった。

↑車両重量は2530kgに達します。ホイールは、21インチ10スポークデザイン

 

しかしEQSはまったく違う。全高の低いセダンフォルムの超ロングホイールベースボディに、連続可変ダンピングシステム「ADS+」を備えた標準装備のエアサスペンションによって、謎の円盤としか言いようのない、しっとり上質な乗り味が実現しているのである。いや、「しっとり上質」と書くとどこか旧世代的なので、「宙に浮かんで走ってるみたい!」と訂正させていただきます。

 

ライバルのBMW・i7は、ロールスロイスを彷彿とさせる超フンワリした超フラットライドな新テイストで勝負しているが、それとはまったく趣の違う、これまで経験したことのない謎の円盤テイストなのである。先ほどから謎の円盤を連呼しているが、「結局謎の円盤ってナニ?」と思われることでしょう。でも、乗ってみればわかります。「これは謎の円盤なんですヨ!」、さすがメルセデスの新しいフラッグシップ。

 

SPEC【EQS450+】●全長×全幅×全高:5225×1925×1520㎜●車両重量:2530㎏●パワーユニット:電気モーター●最高出力:333PS(245kW)●最大トルク:568Nm●WLTCモード一充電走行距離:700㎞

 

 

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